2020年9月の記事一覧
よしばな書くもん 6 「炎」
同級生のデュークが失踪したのは、大学2年生の初秋のことだった。
僕は
就職だとか進路だとか口には出していても、まだ未来は海のように茫洋としていて、ただ流されているだけなのに舵を取ることさえ思いつかず、自分の人生がいつか終わる実感などまるでなかった。
デュークがいなくなったことによって失われた僕の小さな一部分は、最後に残っていた無邪気な子ども時代の懐かしい果実だ。
昨日いた人は今日もいる、離れてもみ
同級生のデュークが失踪したのは、大学2年生の初秋のことだった。
僕は
就職だとか進路だとか口には出していても、まだ未来は海のように茫洋としていて、ただ流されているだけなのに舵を取ることさえ思いつかず、自分の人生がいつか終わる実感などまるでなかった。
デュークがいなくなったことによって失われた僕の小さな一部分は、最後に残っていた無邪気な子ども時代の懐かしい果実だ。
昨日いた人は今日もいる、離れてもみ