詰んでる大学2年
今、泣きながらこのnoteを書いている。明日締切のレポートが終わらないから。そのレポートが課されている科目の単位を、春学期にも落としているから。
春学期にもう一科目落としているから、今年度だけで6単位落とす計算になる。場合によっては卒業も危ぶまれる。そんな窮地にあることを9月末には把握していたはずなのに、挽回の努力すらせずここまで来てしまった。
そもそも今の専攻には正規ルートで入ったわけじゃないので、2年になった時点で同じ専攻の人達よりいくらかハンデがある。その上一人でいるのが好き、陰キャ、コミュ障と、コミュニケーションのできなさが分厚い地層をなしている。コロナ禍で対面授業が少ないのも相まって、当然のようにぼっちになった。何人か話しかけてくれた子もいたけれど、みんな服もメイクもバッチリ決めていて既にこちらとしては近寄るのが怖い。化粧の仕方もよくわからず、貧乏で少ない服をこれでもかと着回している貧相な私に、話しかけられてなんとか会話を成立させることはできても自分から話しかけることなど到底無理な話だった。しかも、第二外国語の進度が遅れているので授業の話を振られるとあいまいな答えしか返せない。話しかけられたところで話題が広がらないのである。そんなだから話しかけられるのすら怖くなって授業前の空き時間は本を読んでいるふりをして(後述するが今の私は本を読めなくなっている)やり過ごしたし、そのせいで近寄りがたい空気を散々撒き散らしてしまった。
それで出来上がったのがぼっちと落ちこぼれの地獄のハイブリッドである。最初から落ちこぼれなのでみんなの話についていけなくて孤立するし、ぼっちゆえ授業とか課題に関する情報は何一つ入ってこずさらに遅れを取る。学習面でも対人面でも同じ専攻の人達との距離はどんどん広がっていき、完璧な負のスパイラルが出来上がってしまって這い上がる気力もなくなってしまった。
ヤケクソな気持ちが加速してきたので、現状に至るまでの話も書いてしまう。
自分自身性格・気質に(個性では済まない程度の)難がある上精神的にかなり不安定な両親のもとで育ってきたので、10歳くらいのときには既に精神を病んでいた。全くそんな記憶はなかったのだが、大学入学にあたり引っ越しのために勉強机を整理していたら当時の希死念慮にまみれた日記がどっさり出てきてやっと自覚した。精神の不調をリアルタイムで自覚するようになったのは高校生の時で、この頃の私はネットに入り浸るようになり、思考力が著しく落ちて本が読めなくなっていた。中学生までの私は典型的な本の虫だったので、いつの間にか数分の間一行の文の意味が理解できず何度も読み返さなくてはいけなくなっていた自分にひどくショックを受けたのを覚えている。
それでも、大学受験に備えて毎日のように日本語や英語の長文を読むことはかろうじてできていた。学校で授業や試験を受けている間だけは、それなりの思考力を保てていたのである。なまじ小学生の頃から学校の成績だけは良く、中学2,3年の時には常に余裕で学年1位をキープできていたので、かえって自分の不調に気付くのが遅れた。高校生になり文理選択をする時期になっても、(理系についていけないという不安を見なかったことにして)世界史と地理が好きだから、というもっともらしい理由をつけて楽そうな文系を選んだ。今思えば明らかに理系で落ちこぼれると分かっていて文系に逃げたのに、「自分は頭がいい」という脆いアイデンティティだけで生きてきて、それを失うのを恐れて消極的な選択をしたのに、自分は文系科目を楽しんでいるから文系にするのだ、というポーズを取っていた。実際文系に逃げたおかげで理科は基礎だけで点を稼ぎやすかったし、数学も大した勉強時間を要しなかった。英語は公文式に通っていたおかげで何をせずともぶっちぎりの成績を叩き出せたし、国語はたまたま買った参考書との相性が良くて苦手教科から得意教科に転身させることに成功した。それに地理と世界史は、実際授業を聞くのがすごく楽しかった。どちらも先生が優しくて面白くて、学校生活の癒やしだった。でも、それなのに、この2科目だけは全然出来なかった。今でも正直理由はよく分からない。苦手な国語を克服して慢心していたのかもしれない。ただただ、文系を志す人間としては致命的に成績のバランスが悪かった。
その上高3になるとメンヘラが行くところまで行ってしまって、模試をブッチしたり勉強もせず泣いてばかりいたりして周囲の人にはひどく迷惑をかけた。高3の夏休みが終わるまで進路すら決まらなかったので、二次対策どころではなかったしとりあえずギリギリ入れそうな難関私大の文学部を志望した。ろくに勉強していない、でも頭のいい自分という体面を保つためにトップクラスの知名度を誇る大学に行かないと気が済まない。滑り止めはいくつか用意したが、偏差値とか学歴にしかアイデンティティの拠り所が残されていない自分にとっては第一志望しか眼中になかった。なんとか現役で第一志望の大学に合格できたが、それもセンター併用を駆使してほぼ国語・英語・理科基礎で点を稼いでの(いわゆる社会科科目をガン無視した)かなり無理のある合格であった。
喉元過ぎれば熱さ忘れるとはよく言ったもので、合格してしまったが最後、自分の成績がたいしてすごくないことがすっぽり頭から抜け落ちて「私は大抵の人に十分イキれるレベルの学歴を手にしたんだぞ!(卒業もしてないのに気が早すぎ)」という下衆な達成感に溺れていた。第一志望合格を知った翌日に受けた旧帝大の二次試験でほぼすべての解答用紙を白紙のまま提出したにもかかわらず、自分は頭がいいとまだ信じ切っていた。真面目に勉強した受験生なら、いくら旧帝大といえど多少は得点できていいはずなのにね。
かくして10代のどこかで壊れた頭脳を受け入れられないまま大学2年の現在に至る。本すら読めない大学生なんて産廃以下の代物なのに、未だに自分は頭がいいほうだと心の片隅で信じている。もうこのまま、虚栄にすがって落ちぶれていくしかないのかもしれない。他人に相談する勇気もないからこうしてnoteに書いて、誰か優しい人の目に止まって助けてもらえないかななんて都合のいいことばかり考えている。都合のいい人、もしいらしたらどうしたらいいのか教えて下さい。あと私と同じように落ちこぼれぼっちの大学生がいたら一緒に傷を舐め合いましょう。
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