マガジンのカバー画像

夜更けの思索宮

62
時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
運営しているクリエイター

#ローマ

領土と思考の2つのシンクレティシズムによるローマ化

 今回は、ポール・キンステッド著『チーズと文明』、第5章 ローマ帝国とキリスト教〜体系化されるチーズだ。このタイトルにあるシンクレティシズムとは、元は宗教、最近は広く文化などを混ぜ合わせること。融合、混合、複合、土着。日本の仏教と神道の折衷も、このシンクレティシズムだ。 牧畜システムの発明と民族移動 紀元前1000年ごろ、チーズ製造と豚の飼育を組み合わせた牧畜システムが完成した。それを促したのは、チーズ作りの確立と共に、近東の新石器時代の豚の家畜化である。豚は雑食なのでなん