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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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2024年1月の記事一覧

どのようにしたら正しく生きられるか?相互の等しさを基本とする愛で答えは出るのか?

 今回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第8巻 愛(フィリア)について を読みます。愛には「善に基づく愛」、「快楽に基づく愛」、そして「有用性に基づく愛」の3つがあると議論を始める巻です。アリストテレスは、快楽に基づく愛は、一層本物の愛に似ている。なぜなら、愛のうちに自由人らしさが多く含まれているから、といいます。彼の考える愛を読み解いていきましょう。 愛は計算づく!等しい交換が基本善に基づく友人は「共に生きる」間柄である、で始まる第5章には以下の様な箇所があります。

知性か快楽か?品位のある人に必要なもの

 前回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第8巻 愛(フィリア)について を読みました。愛には善に基づく愛、快楽に基づく愛、そして有用性に基づく愛の3つがあるということでした。今回はその続き第9巻 友愛(今回は、元の朴氏の訳本)です。 人間にとって大切なもの、それは知性?「二コマコス倫理学」第7巻 抑制のなさと快楽の本性でソクラテスが、生きていく上で、知に勝るものはないと考えていたことがでてきました。この巻には、アリストテレスも同様に考えていたことがわかります。  「ひ