マガジンのカバー画像

夜更けの思索宮

62
時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

ゴルギアスは何と戦っていたのか?それは、その時々の人々の魂

 『ソフィストとは誰か』読書会6回目、今回は6章「弁論の技法ーゴルギアス『パラメデスの弁明』」、7章「哲学のパロティーゴルギアス『ないについて』」を読み進めます。前章まで読み進める中で、「ソフィストが相対主義者であったこと、そのため既存の概念にとらわれなかったこと、その時代のアントレプレナー的な存在だったのではないか、さらにはデザイン的な要素もあるのか」と、期待が膨らんできました。前回は、ゴルギアスの代表的な弁論『ヘレネ頌』を読みました。しかし、実際のところ彼らは弁論を一時の