思慮なしに徳はありえず、思慮が備わると全ての徳が備わる
今回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第6巻 思考の徳と正しい道理を読みます。この巻を読むと、ソクラテスやプラトンと異なるアリストテレスの温かさが感じられます。機会があったら読むのに、この巻おすすめです。
超過や不足ではなく中庸のための「正しい道理」 アリストテレスは、この間巻で中庸の深掘りをします。まず、魂の徳には、性格の徳と、思考の徳があり、この巻では後者を議論します。魂の理性的な部分は、数学のように他の仕方ではありえない諸原理をもつものと、ありうるもの(唯一の正