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夜更けの思索宮

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時には哲学を、古代ギリシャを、あるいは皮肉やのイタリアの彼氏のような、ちょっといつもの場所をはなれて遊ぶ
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2023年9月の記事一覧

クールな相対主義者ゴルギアスの弁論は、役には立たない遊び

 『ソフィストとは誰か』読書会5回目、今回は4章「ソフィスト術の父ゴルギアス」、5章「力としての言論ーゴルギアス『ヘレネ頌』」を読み進めます。前章まで読み進める中で、「ソフィストが相対主義者であったこと、そのため既存の概念にとらわれなかったこと、その時代のアントレプレナー的な存在だったのではないか、さらにはデザイン的な要素もあるのか」と、期待していましたが、裏切られました。以下では、この2つの章で何か起こっているのか、説明しましょう。 ゴルギアスの生涯 ゴルギアスは、シチリ