ブローデル『物質文明・経済・資本主義 15-18世紀 日常性の構造』 第2章 日用の糧
小麦・小麦粉・パンのシステム ヨーロッパの日々の食卓は、小麦・小麦粉・パンの三位一体抜きに語れない。小麦は保存が効き、比較的安価に手に入るのに対して、パンは高価で食べられるのは王族・貴族階級に限られた。また、小麦粉は保存が効かず、比較的高価であった。そのため、大抵の民衆は、小麦を求め、川の側の風車で挽きイースト菌の入らない硬めの煎餅のようなものを作った。小麦の値段は、ヨーロッパの貧困度合いを示す指標となっていた。
アジアの米と水田技術の登場 アジアにおいては米がその役割を担