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「職員採用プロモーション強化事業」に反対!

・・・というタイトルだと、
「新規に職員を採用するな」
という主張をしたと思われそうですが、
違います。

この議案についての審査が9月20日でしたが、現在(9/23)の採用ページがこれです。

22日更新で採用情報(令和6年3月卒業予定者追加募集)が掲載されています。
ぜひ我こそはという方に応募していただき長門市の活性化の為に力を貸していただきたいところです。
そしてこの採用情報更新が予め予定されていた更新だと信じたいと思います。

さてこのページ、
長門市の採用についての一番上の階層にあるページです。
2023年(今年)の情報が2件(議案審査前は1件)です。

ここで長門市以外の自治体のHPの採用関係のページのリンクを貼り付けます。

萩市


美祢市

下関市


おまけ
いつも参考にさせていただいている明石市

もう明石市さんになると、ページを開くだけでドラマを見ているような気持ちになりワクワクします。
取組(職員採用活動)に対する熱量が違います。

さてそこで今回の議案です。
「職員採用プロモーション強化事業」として、
「本市職員採用試験の受験者増加につなげるため、募集案内パンフレット、ポスター、プロモーション動画の製作及びそれらを活用した職員採用プロモーションの実施に必要な予算」を180万2千円計上する。

というものです。

「カネがないなら知恵を出せ」
民間事業所では当然のように知恵を出し努力します、そして常に「改善」に心掛け、「効率」を意識しながら仕事をします。予算が必要な場合は、現場でいまできることをやりつくした状況で初めて要求し、更なる効果を求めます。その上で「KY活動(危険予知)」のような安全管理も徹底して信頼と品質の向上を求めるのが民間です。なぜなら、民間は収益を再投資して継続・成長する必要がありそれが「稼ぐ」ということだからです。

一方で行政には「稼ぐ」という言葉の知識こそあれ実際に稼ぐことはありません、予算の組み立てが民間とは違うからです。
そして、毎年の当初予算にも職員採用のための予算が付けられているはずです(その点については令和4年度決算審査(10/3)で質疑します)。
まさか・・・、なかったの・・・?

では今回の補正予算で提案されたこの単発の「職員採用プロモーション」が必要な理由は何か?謎です。
予算審査に際して質疑を行った上で、修正案を提出しました。
原案(職員採用プロモーション 180万2千円)を削除を求めるものです。

以下が提案理由として委員会で述べた内容です。

*******提案説明*******
委員のみなさま方には貴重なお時間をいただきありがとうございます。それでは、議案第1号「令和5年度長門市一般会計補正予算」に対する修正案の提出について提案説明を行います。
この修正案は、第2款総務費1項総務管理費1目一般管理費、説明コード900一般管理費業務委託料180万2千円の削除を求めるものです。

それではその理由について説明させていただきます。この事業は、職員採用プロモーション強化事業として本市職員採用試験の受験者増加につなげるため、募集案内パンフレット、ポスター、プロモーション動画の製作及びそれらを活用した職員採用プロモーションの実施に必要な予算を計上されたものです。過去の成果物として2017年~2019年に制作されたパンフレット及びポスターが長門市公式HPの「職員人事・採用」のページにおいてリンクの掲載があります。

まず、公務員就職志望者の動向についてNHK就職応援ニュースゼミ2021年3月23日掲載号によると、「売り手市場」と言われていた世相を背景にここ数年減少傾向にあった新卒の公務員志望者の人数は2022年度卒業生においてこれまでの減少傾向から増加に転じています。景気が悪くなると公務員人気が高まると言われていますが、新型コロナの感染拡大が幅広い業種に悪影響を及ぼす中、安定した職に就こうという意識の高まりを反映しているとみられています。記事では「地元に戻って故郷のために働く。こうした思いを掲げたUターン就職を選択肢として見直す動きが、公務員の志望者が増えている背景の1つにあるよう」だ、と結んでいます。

就職先としての公務員の人気については、ソニー生命が2023年7月25日発表した「中高生が思い描く将来についての意識調査2023」において、高校生のなりたい職業の男子部門1位、女子部門2位が公務員という結果。
また、「硬い・地味」という、いわゆる公務員の定番のイメージについて、7月10日yahooニュースに掲載の、法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスターの調査「この企業に勤める人と結婚したいランキング」では、自治体職員を含む地方公務員のランキングは5位Google、4位アップル、3位トヨタを押さえて第2位となっており、その理由は、雇用の安定、福利厚生など待遇が良い、仕事を通じて社会貢献ができる、社会的な信用が高い職業であることとされています。「硬い・地味」といったイメージが寧ろ好印象に転じている証拠であり、要はそれを求職者に伝えることができているかどうかの問題とえいます。

 また、本市のHP「職員人事・採用」ページを見ると、2023年度の情報が「会計年度任用職員の募集案内」と「給与状況等資料」の2つでそれ以外の記事は全て2021年以前となっています。近隣自治体の同様のページを見ると、萩市では本年4月1日に「令和5年度萩市職員採用試験実施計画」が公開され、来年度新卒者の募集から採用までのスケジュールが示してあります。美祢市は「職員募集・採用試験」のページで「令和5年度美祢市職員採用試験(上級職、中級職)について」および「令和5年度美祢市職員採用試験(初級職、資格職)の受験案内」を掲載しています。下関市においては「下関市職員採用」において、実施区分や受付状況が公開されており、欠格条項、試験会場、採用試験案内等の配布について細かく案内されています。このことから近隣自治体との比較においてHPにおける職員採用情報が相対的に少ないとは言えないでしょうか。

 また、その他の自治体では職員採用ページにおいて、過去に長門市が制作したパンフレットと同様の内容をHPに掲載することでデジタル化し、職員の魅力を発信するといった取組もあります。情報や人物の更新も簡単で、紙媒体と違い閲覧数に上限はないためページへのアクセスを増やすことができれば大きな拡散力を持つこととなります。紙媒体や単発の動画制作で実績を作るのではなく、日常的に求職者がアクセスするであろうHPの見直しの着手を求めます。

 紙媒体と動画制作は、短期的な話題作り、例えばパンフレットを作ったことが県内のニュースで一時的に取り上げられることはあっても、将来的に長門市職員の魅力をアピールする事には繋がらないのではないでしょうか。また、応募者数が増えて欲しいという思いは私も執行部と同様ですが、その前にせっかく予算をかけて採用した人材が、理想と現実のギャップに苦しみ、辞めたくならないような職場環境作りに取組むべきではないかと考えます。これらの点から、この度補正で提案された「職員採用プロモーション強化事業」については、紙媒体と動画制作、それを元にしたプロモーションは単発的に消費されて終了し、同様の事業を今後も繰り返し、他の自治体との職員採用における格差が広がるものと危惧し、事業の見直しを求める意味で事業費の全額削除を提案いたします。
以上で提案理由の説明を終わります。

*******提案説明以上*******

残念ながら議員の賛成少数で修正案は否決され、約180万円を使う「募集案内パンフレット、ポスター、プロモーション動画」を使用した「職員採用プロモーション強化事業」が行われる事となりました。

残念。
一つ更なる心配が執行部との質疑を通じて浮かんできました。
執行部との質疑応答の中で「業者に見積もりを取った」という言葉がでてきました。(業者選定は公募によるプロポーザル)
もしかして業者の決まった既定路線の事業?

この古めかしい感覚の事業(紙媒体+単発の動画)が業者(しかも紙媒体と動画制作の提案しかアイデアがないような)の提案による「業者ありき」の事業ではなく、職員提案制度によって主体的に事業化されたものであることを長門市のために願います。

収穫がひとつ。
今回の修正案の議会での質疑応答を通して、執行部が事前の答弁で約束した職場環境の改善による辞めたくならない職場づくりとHPでの採用情報発信の充実について取組むことを議会は、議決責任をもって注視する事となりました。

議論に負けたのは、質問する議員側がゼロか100かのような極端な論陣を張る事に対して1~99の答弁をしたからだろうと思います。もうリングもルールも違って試合にならない感じです。
中間の可能性を排除して1なら100と考えた方がそれは楽です。
ただ、経営判断をゼロと100だけで行うことはありません。
ましてや、令和5年度当初での職員採用に関する予算がゼロだったはずもなく、今回の補正予算は、その限られた予算を有効に活用して知恵を出して且つそれでも厳しいということであれば出してくるようなものです。

そもそも努力不足。
求職者が最もアクセスしてくるであろう市HPの内容が不十分であることを棚に上げて、出してこれるようなものじゃないと思いますが。

みなさんはこの約180万を「追加」して行う職員採用活動についてどう思われますか?

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