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サロメ

知ってる人は、どれだけいるだろうか。

2003年に映画がル・シネマで日本公開、
2004年に舞台がオーチャードホールで上演された。

スペイン国立バレエ団のダンサーから、
最年少芸術監督まで務めたアイーダ・ゴメスが、
自身の舞踊団を率いて来日する。

フラメンコ映画の巨匠、カルロス・サウラに、
監督と演出を依頼し、強烈なタッグが実現した。

「サロメ」は、オスカー・ワイルドが、
19世紀末に書いた悲劇の戯曲。

初めて日本語訳したのは森鴎外だ。
三島由紀夫が演出した舞台もある。

先に書いたが、僕のフラメンコ、
正確に言えばクラシコ・エスパニョールの師匠、
アントニオ・アロンソは、
スペイン国立バレエ団で、
アイーダ・ゴメスと友人だった。

映画のプロモーションを手伝い、
舞台ではゲストとして踊った。

当時は正直、それがどれだけ凄いことか、
僕にはわかっていなかった。
日本にいる誰もがわかっていなかったと思う。
またそれがどれだけ残念なことかもだ。

カルロス・サウラ監督の95年作品「フラメンコ」。
僕は辛うじてVHSで手に入れていた。

ホアキン・コルテスの凄さも、
ほとんどの日本人は興味がない。

アイーダ・ゴメスも、その二の舞いだった。
当時は情けなくて、悔しかったものだ。

誰も見向きもしないフラメンコ、
それがフラメンコの魅力でもある。

ましてや、クラシコ・エスパニョールだ。
僕はBunkamuraに感謝していた。

楽屋にアントニオを訪ねた。

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