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ミレー

オルセー美術館所蔵の3大名画、
「落穂拾い」「晩鐘」「羊飼いの少女」。
渋谷のザ・ミュージアムに、
一挙来日で話題になった2003年。

ボストン美術館所蔵の「種まく人」なども、
よく来日していて馴染み深い画家である。

このザ・ミュージアムが1989年に開館して、
最初のヒット展覧会が、
91年開催の「ミレー展」ではないかと、
僕は勝手に思っている。

まだ大学生だったせいか、カタログがないけれど、
僕は初めて一人で、美術展に行った。

記念に買っておけばよかったと後悔している。
もちろん2003年のカタログは、ちゃんと保管してある。

絵画についてはそこまで詳しくないが、
学校で習う名前と代表作ぐらいは覚えていた。

特に印象派は日本でも人気があったと思う。
ルノアール、モネ、マネ、
セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ。

当時の僕は、あまり興味がなかった。
ところが、ミレーは少し違ったのだ。

写実主義が、わかりやすかったからだろうか。
暗い作品が、好きだったからだろうか。

いやたぶん、ザ・ミュージアムの意気込みが、
若者の心に響いたのではないかと思う。

さらに翌92年にはレンブラント展を開催し、
僕の好きな画家がその後もどんどん増えていく。

まずバロック時代のフェルメールやルーベンスだ。
ロマン主義のドラクロワやターナーも好きになる。

もちろんバレエを題材にしたドガは大好きで、
印象派もいつの間にかマネやゴッホまで好きになった。
ドガのおかげで彫刻にまで、興味を持った。

心の宝物との出逢いは、運命だと本当に思う。

大学のキャンパスから近い渋谷に、
ザ・ミュージアム開館、そして91年のミレー展。

僕の心にも、美術の世界への扉が開いたのだ。

2003年のミレー展を、たぶん一緒に観に行ったのは、
美大出身の、今の伴侶である。

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