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歴史小説

僕は大学の文学部に進学した。

政治や経済が苦手だった。
僕はすでに本と音楽で育っていた。

いろんな本を読んでいた。
ぜんぶ家の書棚にあったものだ。

特に高校時代は、
夏目漱石、芥川龍之介、
太宰治、三島由紀夫を読んだ。

どれも有名だから読んでみたものの、
その面白さが理解できたか自信はない。

面白いと思ったのは、歴史小説だった。

「三国志」「宮本武蔵」を読んで、
さらに家にある吉川英治文庫を、
少しずつ読んでいた。

なぜか長編ばかり読んでいた。
「新書太閤記」全11巻、
「私本太平記」全13巻、
「新・平家物語」全24巻である。

この描く時代がバラバラだったのが、
よかったのかもしれない。
とはいえさすがに24巻は長かった。

「三国志」と「宮本武蔵」の
全8巻ぐらいがちょうどいいと思った。

横にある山岡荘八の「徳川家康」は、
全26巻だ。
しばらく長編は休もうと思った。

その頃には、長編の間に、
司馬遼太郎の全3巻ぐらいの作品を読み始めていた。
これがとにかく面白かったので、
もっと読みたかったのだ。
分量もちょうどよかったし、書棚にたくさんあった。

池波正太郎も家にはたくさんあったが、
時代小説に興味なかった。
歴史小説「真田太平記」は気になっていた。
1987年から88年にかけて、
新潮文庫から発刊され12巻で完結していた。

1989年から90年にかけて、
吉川英治文庫がリニューアルされた。
講談社である。

当時家の書棚にある本は、
文春文庫と新潮文庫ばかりだった。

大学生になって、少しずつ、
自分で本を買うようになった。

宮沢賢治や寺山修司など、
詩を読んだりもした。

それでも、必ず歴史小説に戻った。
それも徐々に、司馬遼太郎の作品が多くなっていく。

文学部では、史学科を専攻した。


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