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ライフ・イズ・ビューティフル

当時の僕はコピーライターとして、
映画のポスター制作も担当していた。

よく観た時期だったからかもしれない。
1998年の映画は凄まじかった。

グウィネス・パルトロウ、
ジョセフ・ファインズ主演の、
「恋におちたシェイクスピア」。
アカデミー賞13部門ノミネート。
作品賞、主演女優賞など7部門受賞。

スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の、
「プライベート・ライアン」。
アカデミー賞11部門ノミネート。
監督賞、編集賞など5部門受賞。

ちなみに今でもノミネート最多は14部門。
先に書いた前年の「タイタニック」だ。

ところが僕にとって、この年のベストは、
ロベルト・ベニーニ監督、脚本、主演の、
「ライフ・イズ・ビューティフル」だった。
アカデミー賞7部門ノミネート。
主演男優賞など3部門受賞。

ホロコースト。
「シンドラーのリスト」とは、
また全く違ったアプローチ。

ロベルト・ベニーニの、
あの表情や仕草は、天性としか思えない。
現代のチャップリンとまで言われた。

リアルタイムで衝撃を受けた、
イタリア映画、恐るべしだ。

イタリア映画と言えば、往年の名匠、
フェデリコ・フェリーニ監督。
「道」「甘い生活」「8 1/2」を
思い浮かべる人もいるだろう。

マルチェロ・マストロヤンニや、
ソフィア・ローレンに、
恋をした人もいるかもしれない。

翌1999年、ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
「海の上のピアニスト」を、さらに2000年、
モニカ・ベルッチ主演「マレーナ」を制作し、
イタリア映画復活を印象づけた。

ロベルト・ベニーニの次作は、2002年。
「ピノッキオ」は、ファンタジーだった。
イタリアでは、歴代興収記録を更新したとか。

イタリアらしいところだと思う。
すべての道は、ローマに通じているのだ。
僕は新婚旅行先を、イタリアにした。

ポリーニが、アバドが、生まれた国。
驕らない陽気な、芸術の国だった。

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