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ルパン三世 カリオストロの城

ジブリ前についても触れておきたい。

「ルパン三世」は、TVシリーズアニメである。
1971年の第1シリーズは当初不評で、途中から急遽、
宮崎駿と高畑勲が制作することになる。

再放送で次第にクオリティが評価され、
77年に第2シリーズが、また新しい制作陣で始まった。
この第2シリーズ放映中の映画化第2弾が、
記念すべき宮崎駿の映画初監督作品になるのである。

第1シリーズのキャラクターデザイン、大塚康生が、
78年NHK「未来少年コナン」で第2シリーズ合流に遅れた。
このコナンで宮崎駿初演出を作画監督で支えた彼が、
ルパンの映画監督に宮崎駿を推したという。

宮崎駿は作画スタッフとして参加していた、
高畑勲監督の「赤毛のアン」を途中降板する。

1979年「ルパン三世 カリオストロの城」公開。

興行的には散々だったが、これもまた80年以降再放送で、
その高いクオリティが世間に知れ渡ることになる。
僕が初めて観たのはいったい、いつだったのかわからない。

音楽の大野雄二は、宮崎駿と同い年。
第2シリーズ以降数々のアレンジを重ね、
ルパンの世界観を見事に構築した。
映画のワンシーンで使われた「サンバ・テンペラード」も、後に屈指の人気を誇る作品になった。

何度観ても、笑える。そんな映画はなかなかない。
シーンと音楽、台詞が頭から離れなくなる。

「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。
 あなたの心です」

今月、大塚康生が89歳で亡くなられた。
無頼の車好きで、冒頭のカーチェイスシーン、
フィアット500の軽妙な動きは、
映画の掴みとして最高だった。

高畑勲や宮崎駿の才能を早くから見い出し、
引き出したと言われている。

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