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ザ・ビーチ

2000年に公開されたダニー・ボイル監督、
レオナルド・ディカプリオ主演の映画。

一世を風靡した「タイタニック」以来の、
レオの出演だったようだ。

レオは随分戸惑ったと思う。
役者として、どう生きるべきか。

「ギルバート・グレイプ」で、
まだ無名だった19歳の彼に僕が出遭ってから、
たった5〜6年なのだ。

出演を決めた作品として、
これ以上はない選択だったと思う。

楽園を夢見る人間の本性が、
ピピ島の美しい自然との対比で描かれる。

いいテーマだった。
「タイタニック」以前に戻ったかのように、
彼の演技もよかったと思う。

でも、それだけだった。
世の中が彼に期待していることは違うようだった。

映画館を出る前に、パンフレットだけでなく、
サウンド・トラックを買った。

モービー、オール・セインツ、
ニュー・オーダー、アンダーワールドなど、
僕にとってはそれまで馴染みが薄く、
衝撃的だった。

特にモービーの「ポルセリン」。
これが地味に素晴らしい。
煌めく水面に目が眩むような曲だ。

この頃から、映画音楽とフラメンコ以外で、
洋楽をあまり聴かなくなったせいかもしれない。

いかにもイギリス人の、ダニー・ボイルらしい。

97年の「トレインスポッティング」は、
センセーショナルな若者映画だった。

2008年の「スラムドッグ・ミリオネア」で、
アカデミー主要部門含む8部門受賞。

「ザ・ビーチ」は地味で眩しい、僕の宝物だった。

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