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ミハイル・バリシニコフ

世界的なバレエ・ダンサーで、
ロシアからアメリカに亡命した。

アメリカン・バレエ・シアターで躍動する。
と同時に、映画に出演する。

1977年アカデミー賞10部門にノミネートされた、
ハーバート・ロス監督「愛と喝采の日々」。

彼をリアルタイムで知ったのは、
1985年公開の映画「ホワイト・ナイツ」である。

僕は踊り始めた頃、時間があればずっと、
いろんなダンス映画やミュージカル映画を、
ビデオで観ていた。

ハーバート・ロス監督の84年「フットルース」、
そしてミーシャも出演する87年「ダンサー」。

「ホワイト・ナイツ」の冒頭、
「若者と死」をミーシャが踊る。

これがもう永久保存版なのである。

ローラン・プティが、ジャン・コクトーの台本に、
バッハの曲で振付したモダン・バレエ作品。
アメリカン・バレエ・シアターで、
ミーシャは踊っていたが映像化されていない。

そして1983年に収録された、
自身の演出によるバレエ作品「ドン・キホーテ」で、
その卓越したテクニックを披露する。

10年後の1993年、英国ロイヤル・バレエで、
21歳の熊川哲也が、このバジルを踊って絶賛され、
翌日にプリンシパル昇格を告げられたという。

熊川の21歳も凄いが、
ミーシャの35歳はもっと凄い。

映画と違って、舞台は録り直せないのだ。
それこそ舞台芸術の醍醐味だった。

映画「ダンサー」には、
アメリカン・バレエ・シアターの、
トップ・ダンサーが出演している。

彼も相当なテクニックを持つが、
収録された「ドン・キホーテ」には、
ミーシャのバジルを畏敬の眼差しで、
見ている舞台上の姿が映っている。

あの表情が、全てを物語っている。

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