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サウンド・オブ・ミュージック

僕の大好きな「ウエスト・サイド物語」の4年後に、
同じロバート・ワイズ監督によって映画化された。

ジュリー・アンドリュース主演。
前年64年「メリー・ポピンズ」で、
アカデミー主演女優賞を受賞している。

こうしてミュージカル映画の金字塔は、
金字塔として生まれるべくして生まれた。

興行的にも大成功だったうえに、
アカデミー賞10部門ノミネート、
作品賞、監督賞含む5部門受賞。

個人的には、ジュリー・アンドリュースは、
2年連続受賞に値する素晴らしい演技だったが、
ノミネート止まりだったのが心残り。

日本で、有名になるのは、
JR東海の1993年から今も続く、
「そうだ京都、行こう」の
CMソングとして使われ続けた、
「私のお気に入り」が大きいようだ。

嬉しいような残念なような、複雑だ。

「サウンド・オブ・ミュージック」は、
名曲が次々と展開してマリアが躍動する第1部、
結婚してスイスに逃亡する第2部で構成される。

実在のトラップ一家の物語だが、
ミュージカル化によって、若干史実とは異なり、
アメリカ的視点に脚色されている。

ドイツやイタリアでは非常に不評な映画であり、
アメリカでは非常に好評な映画だったという。

1960年代の世界をほとんど知らなかった僕は、
ここに描かれている社会背景が、
無意識のうちに刷り込まれていたとも言える。

しかしそんなことはどうでもよかった。
以下、列挙する。

「The Sound of Music」
「Maria」
「My Favorite Things」
「Do-Re-Mi」
「Sixteen Going on Seventeen」
「The Lonely Goatherd」
「So Long, Farewell」
「Climb Ev'ry Mountain」
「Edelweiss」

これ以外にも、
「I Have Confidence in Me」
「Something Good」
「Ländler」
など、枚挙に暇がない。

すべて名曲、名シーンなのだ。

ジュリー・アンドリュースの歌声が、
また最高なのである。

特に「ドレミの歌」の最後の高音は、
何度聴いても涙が溢れてくる。

今でも車で、子どもたちと聴く。
と言うか、歌う。
そう、子どもたちが歌う曲も多いのだ。

まさにミュージカル。
これぞミュージカル。

ただあくまでも、1960年代のアメリカが描く、
1930年代のオーストリアを背景にした創作。

トラップ一家が実在したとはいえ、
僕は1960年代のアメリカ人ではない。

子どもたちも、第1部しか恐くて観れない。
それでもいい、と思う。

たぶん創作とは、そういうものなのだ。

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