見出し画像

公教育以外の選択肢。"デモクラティックスクール ASOVIVA!"を見学してきました

こんにちは。Chieです。「主体性」「探究学習」などをキーワードに、これからの教育について考えています。

さて、2023年6月中旬に、大阪にあるデモクラティックスクールASOVIVA!さんを訪問し、スタッフのお一人、古元かおりさんにお話をうかがってきました。
子どもが学校に行きたがらないとき、公教育以外にどのような選択肢があるのか。ずっと公立学校に通って育った私にとって、今回うかがったスクールの様子は想像もしなかったことばかりでした。この記事を読んで、こんな場所もあるということを知っていただければ嬉しいです。

デモクラティックスクールASOVIVA!の公式ページへは以下からどうぞ。

デモクラティックスクールとは?

子どもが普通学校に行かない・行きたがらない場合の選択肢の一つとして、フリースクールやオルタナティブスクールというものがあります。そうしたスクールには、次のような、欧米の思想や教育法にもとづいて運営されているところも多くあります。

  • シュタイナー教育

  • モンテッソーリ教育

  • イエナプラン教育 など…

これらは、子どもの主体性や個性の尊重に重きをおいていることが特徴です。そのようなスクールの一つがデモクラティックスクール(サドベリースクール)です。

ただし、「デモクラティックスクール」と一言でいってもその取り組みはさまざまだそう。以下では、今回訪問したASOVIVA!について紹介します。

ASOVIVA!ってどんなところ?

大阪府南東部、近鉄富田林駅からバスで20分ほどのところに、ASOVIVA!はあります。
2019年に設立され、改修した古民家で運営されています。
広い古民家にはそれぞれの機能を持った部屋があり、ゲームをしたり、絵を描いたり、手芸をしたり、料理をしたり、本を読んだりと、一人一人の意思で自由に過ごすことができます。
カリキュラムやクラス分け、テスト・成績評価はありません。

庭には鴨やニワトリもいました
離れの蔵の中は立派な音楽室でした

どうやって運営しているの?

毎日、午前中にミーティングがあり、スクールのルールや運営について皆で話し合います。ミーティングに参加したくなければ、参加しなくてもOK。(ミーティングであれ遊びであれ、何かを子どもに強制することはしないそうです。)
車での外出など、お金や大人の助けが必要なことをしたいときも、ミーティングで申請して許可を得ます。許可を得て行動をしたあとは、領収書の整理や精算もその子が行います。

子どもの学びに必要な物品や設備の多くは、寄付やボランティアによって助けられているとのこと。公式サイトでは活動を支えるサポーターや寄付を随時募集されているので、興味を持たれた方はぜひ調べてみてください!

スタッフの役割や、子どもとの関係は?

普通学校では、先生は子どもに知識を教えたり、生活全般について指導したりしますが、ASOVIVA!スタッフの方々の主な役割は、子どものやりたいことを実現するための環境を整えてあげること。運営ミーティングのときも、子どもとスタッフとの関係は対等だそう。(今回、ミーティングの様子は見られなかったのですが、機会があれば見てみたいと思いました。)

見学の感想―子どもの意思を尊重すること

「学校に行きたがらない子を無理に学校に通わせようとするのは、虐待になります」というスタッフさんの言葉が、心に残っています。"虐待"という言葉が重く心に響きました。

私の周囲では、親子関係や、先生と子どもの関係で、「させる」という言葉が当たり前のように使われています(宿題をさせる、片付けをさせるなど)。子どもに何かを"させる"という言い方に、私はずっと違和感がありました。大人が子どもの存在を軽視しているように思えたからです。
だから、「ここでは、子どもに何かを強制することはありません」と聞いたとき、スッと安心する感覚がありました。

どんな意見や意思表示でも否定せずに受け止めることを、スタッフさんたちは心がけているように見えました。そのなかで子どもたちは、自分の意思で行動し、その行動に責任を持つことを学びます。話し合いで意見が割れたときは、多数決では決めずにとことん話し合うそうです。ASOVIVA!が大切にしていることは、いま大人である私自身も学びたいことだと感じました。

さいごに
さまざまな教育法のなかで、絶対的な正解はありません。ただ、子ども一人一人が自分に合った環境を選べることや、その選択肢が用意されていて、適切に提案してもらえることが大事なのではないかと思いました。
オルタナティブスクールを訪問したのは初めてでしたが、子どもたちの居場所としてほかにどんな場所がつくられているのか、もっと知っていきたいと思います。

このたびご対応くださったASOVIVA!スタッフの皆さま、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?