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私の語学遍歴④古典ラテン語

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古典ラテン語との出会い〜学び

ラテン語との出会いも子供時代の合唱からでした(私の語学遍歴はほぼ合唱から始まっている)。合唱に馴染みのない方のために説明しておくと、合唱界では宗教曲(キリスト教のミサなどで歌われる曲)に取り組む機会が多いです。コンクールの課題曲になっていることもよくあります。

私も小学生の頃からラテン語の曲を歌っていました。通っていた幼稚園がカトリック系だったので、キリスト教の概念はなんとなく分かるかなーという感じでしたが、初めのうちは言葉の意味は分からないまま歌っていました。でも、メロディや和音の美しさには感じ入っていて、歌いながら鳥肌が立つような体験もありました。そして色々なミサ曲に取り組むうちに、歌詞の意味も多少はわかるようになっていきました。

その後、大学で言語学を専攻することになり、ラテン語はやっておいて損はないだろうということで授業を取りました。ラテン語は難しいと聞いていたのですが、実際やってみると「難しい」というよりは「面倒くさい」という感じでした。動詞も名詞も形容詞もとにかく活用が多く、単語の原形をとどめていないことも多いので、「いったいこの単語の原形は何で、どういう変化形なのか?」ということを、一つ一つ見ていく必要があります。
それが煩わしくて「もうヤダ」となる人には続けるのは難しいでしょうが、私はそういう作業をパズル感覚で楽しめる人間なので、毎回予習をして出席し続けることができたのだと思います。学びながら「あ、あのミサ曲の歌詞はこういう意味だったのか!」とわかる瞬間もやりがいになっていました。

古典ラテン語を学んだ感想など

  • 文法は初級からハードル高め。研究に必要だとか、文法オタクであるとか、それなりのモチベーションがないと挫折しやすいかも。現在は話されていない言語なので、旅行のために学ぶというモチベーションの持ち方も難しい。

  • 一つ一つの単語を読み解くために文法書をあちこち行ったり来たりしながら、最終的に1つの文の単語がつながりあって意味がハマった瞬間に達成感を感じる。

  • 合唱をやっている人なら、ラテン語のミサ曲の歌詞の意味がわかってくると楽しいと思う。

  • (これは私の場合たまたまそうだったのだけど)先生が個性的。いつも淡々と解説している先生が、ある日プリントを配って「これは私が学生の頃にラテン語で書いた詩なんです。読んでみましょう。…つまり、これはエッチな詩なんです」と解説し始めたときは面白かった。詩の内容は覚えてないけど。

ちなみに、ポーランド語には古典ラテン語の文法要素が多く残っているらしく、ヨーロッパ人の中でもポーランド人は比較的容易にラテン語を習得できると何かで読んだことがあります。確かに私も、後にポーランド語を学んでからラテン語の教科書をパラパラ見返していたら、「あれ、代名詞が似てる!」などと感じました。

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