Aho Ssan / Simulacrum
http://ahossan.bandcamp.com/album/simulacrum
パリを拠点に活動するAho Ssan (本名Désiré Niamké)のデビューアルバム。ベルリンのSubtext Recordingsから今年の2月にリリース。
Subtext Recordingsは今年5月にRoly Porterの作品(http://rolyporter-subtext.bandcamp.com/album/kistvaen)をリリースしてたり、去年はポルトガルのGonçalo Penasの怪作(http://goncalopenas.bandcamp.com/album/ego-de-espinhos)をリリースしてたり凄いですね。個人的にこのレーベルからのリリースはチェックするようにしてます。
今作はフランスの社会学者ジャン・ボードリヤールの著書「シミュラークルとシミュレーション」からインスピレーションを受けているそうで、音楽的には細かくカットアップされたシンセ、ノイズが不規則なテンポで繰り出され、漏電して火花を飛ばしながら光る青やピンクのネオンで覆われた道を歩いている、みたいなディストピアSFを連想させる世界観な仕上がり。
こういう叙情と激情が入り乱れた電子音楽は毎年1、2枚は見つけるのですが今年はこれです。これからが楽しみな才人。
ちなみにM6、M7で客演としてクレジットされているThe Mensah Imaginary Bandは彼がプログラムして作り上げた架空のバンドで、トランペット奏者だった彼の祖父からもじられたそうです。