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オッカムのカミソリとサットンの法則


オッカムのカミソリとは?

後期スコラ学を代表する神学者William of Ockhamは、ある事象を説明する際に、その説明に不要な他の証拠を切り落とし、最もsimpleに説明される事を良しとした。

例えば?

日常で、具体的に起きたことを元に説明してみよう。昨日私は、ベットに2歳の子供寝ていた。夜中に「ゴトン」という音がして、転落したことを知る。翌朝、上瞼とおでこがひどく腫れていた。

私は、「オッカムのカミソリ」を用いて無意識に推論した…

転落により、血腫を作ったのだと。
そして、ひどく狼狽して、保育園の先生にも報告した。

これが、オッカムのカミソリによる推論である。しかし、後日談があり、保育園のお迎えに行くと、少しその腫れがひいて、アザもなく、なんと蚊に刺されていたことが判明する。

サットンの法則とは?

サットンの法則は、その名前をアメリカの銀行強盗、ウィリー・サットンから由来する。彼が「なぜ銀行を狙うのか」という質問に「そこに金があるから」と答えたことから、この法則はその名を得た。

最も可能性が高いところから対応するということを示したものであり、医学の分野では、病気があるところから直接組織を切り取って顕微鏡で見るという行為を指す。
サットンは、銀行強盗で野蛮そうであるが、医学診断では、サットンの方法で診断した診断の方が信頼性は上である。

経営では、どのように応用される?

非常に極端な例で示してみます。

例えば、「ある店舗のスタッフの対応が悪い」というクレームが繰り返しあったとしますが、そのスタッフが誰かがわからないとします。

・オッカムのカミソリで考えるとすると、その店舗のchiefを呼び、それぞれのスタッフの客対応に関して情報収集。その情報から、店長が問題を感じた店員がいたとしたら、それを疑う。

・サットンの法則で考えるとすると、その店舗に、店員の身なりになり潜入。その中で、実際に犯人探しをすること。

傾向

おそらく実際の経営でも、直接的・間接的に、両方の側面で問題の原因究明に挑むことになると思います。しかし、組織が大きくなればなるほど、立場が上になればなるほど、サットンの法則が使いにくくなると考えます。

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