日本で“100万PVを稼ぐ動画”の正当性――現実を映すことは正義か非道か、マフィアと過激動画の真実

——本誌2016年10月号でリポートした『なぜ、人はグロ動画に惹きつけられるのか? 死刑から事故、死体動画まで網羅“世界一過激な動画”サイトの世界』では、一部の好事家から支持されるグロ動画をメディア論の文脈から趨勢をひもといてきた。今回は“マフィアがアップロードするグロ動画”のそれを見ていきたい。

過激動画がアップされることで有名な「Best Gore」。

 上半身裸の状態で拘束されている2人の男性。目隠しを外されたのは父親、さるぐつわをかまされているのは息子で、2人は共に警察官だという。取り囲む男たちはまず父親を棒で殴打し、ナイフで喉を切り裂く。さらには息子の横で、その首を胴体から切り離す。

 残酷な所業はこれだけでは終わらない。父親の首なし死体の横に転がされた息子は、全身をナイフで抉られ、内臓を引き出されていく。その心臓とほかの臓器をつなぐ血管が切れたところでようやく息子は事切れ、取り囲んでいた男はその心臓にナイフを突き立てる──。 

 これは、決して映画の残虐シーンではない。海外の過激動画サイト「Best Gore」に掲載された、実際に起こったとされる残酷動画である。撮影されたと見られているのは、メキシコのゲレーロ州。メキシコでは、「麻薬カルテル」と呼ばれる犯罪組織が、巨大な勢力を持っている。警察がカルテルと癒着し、腐敗している一方で、カルテルに逆らう警察官を標的にした、動画のような残酷な処刑をする事件が後を絶たない。さらに、最近ではその動画をネットにアップし、世界中の人々の目に触れさせるやり方が、当たり前のようになっている──。

 このような動画を数多く、発掘、紹介しているのは、ハイグレードなエキサイティングメディア「トカナ」の編集者である大澤優貴氏。過激動画の背景について次のように語る。

「こういった動画は、YouTubeでは規制にひっかかるため掲載することができません。過激な動画をそのまま配信することで知られる『LiveLeak』などのサイトにアップされ、そこから広まっていくことが多い」

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