走り出し、液状化し、そして恋する――映画のゾンビはこうして進化した!

ゾンビ映画史上、ターニング・ポイントとなった作品を挙げながら、その進化の過程を見ていこう。

【第1形態】人肉を求めて徘徊する

なんらかの原因によって蘇った死体であり、理性も知性もなく人を食べるために徘徊する。動きは緩慢で、押せば倒れるので素手でぶん殴ることも可能。ただし、捕まって噛まれたら最後、必ずゾンビ化する。頭部を破壊されると、機能が停止する。ショッピングモールに集うゾンビたちは、消費社会に毒された大衆のメタファーでもあった。

『ゾンビ』
(ジョージ・A・ロメロ監督/78年)

BD発売中/4700円(税別)
発売:『ゾンビ』BD発売委員会/販売:ハピネット
(C)1978 THE MKR GROUP INC. All Rights Reserved

【第2形態】全力で疾走する

走るゾンビの先駆けとしてよく参照されるが、全力疾走しているのは実はゾンビではなく、凶暴性を爆上げさせるウイルスに感染した生きた人間。ゾンビと同じように噛まれるか、感染者の血液が口や目から体内に侵入すると感染する。すでに死んでいるゾンビとは違い、感染者は銃やナイフで殺すことができ、放っておけば勝手に餓死する。

『28日後…』
(ダニー・ボイル監督/02年)

BD発売中/1905円(税別)
発売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(C)Album/アフロ

ここから先は

571字 / 4画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?