演技者としてのEXILE一族【3】『ホットロード』は能年の魅力しか描かれてない!? EXILE一族スクリーン進出の評価

――ここまではドラマ中心に見てきたが、むろん映画にも出演している彼らを、ライター・リサーチャーの松谷氏が採点!

松谷創一郎(まつたに・そういちろう)
1974年生まれ。ライター/リサーチャー。著書に『ギャルと不思議ちゃん論』(原書房)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(共著/恒星社厚生閣)など。

■良いところがひとつもない
『恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~』
監督/村谷嘉則
出演/塚本高史、相武紗季、MAKIDAIほか 公開/10年9月
幼馴染の瑠璃(相武)に愛の告白をしようとした道中でピアニスト(MAKIDAI)の落下事故に巻き込まれ、亡くなったシェフ(塚本)。目覚めたとき、ピアニストの身体にはなぜかシェフの記憶が宿っていた。

[松谷評]……0点
登場人物が観客に向かって次々と愛を告白する珍妙な予告と比べると、本編はずいぶんおとなしい。が、ゆえに、見どころはまったくなく、転落事故の被害者が加害者に乗り移る難しい設定を、工夫なく進めるだけ。死んだはずの若者を演じるMAKIDAI(ニックネームは「ナポリ」!)は常にセリフを棒読み。市川亀治郎(現・猿之助)は、あのルックスでなぜかモテキャラ。この両者に振り回されて、相武紗季が右往左往。「怪作」と呼べるほどのパンチもなく、ひたすら退屈な映画だ。

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