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サブカル化するテレビと芸人の命運【2016年8月号第2特集】

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記事一覧

相方愛、若手への喝、テレビ制作者への憤り…「今お笑いの仕事は趣味みたいなもん」【ビートきよし】が語る、昭和の芸人の矜持

 これまでの記事から語られてきた通り、同時代の流れの中に身を置くことこそ肝要であるがゆえに、芸人という職業は引退や休業が難しい。昭和の寄席で鍛えられ、80年代漫才ブームで世に出たツービートの片割れ・ビートきよし氏に、最近のテレビとお笑い業界事情、自分の“最後の仕事”について聞いた。

ビートきよし氏。(写真/北川泉)

 俺らの頃は、テレビに出るなんて、とんでもないことだったんだよ。雲の上よりさら

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芸人高速消費の戦犯は萩本欽一!? 話題の書『昭和芸人 七人の最期』著者に聞く「なぜ芸人は綺麗な去り方が許されないか?」

――5月に刊行された『昭和芸人 七人の最期』(文春文庫)というノンフィクションがある。昭和の一時代を築いた芸人たちの晩年をまとめた力作を記したのは、1979年生まれの若き演劇研究者だ。芸人はいつ、どうやって死ぬのか? この不安は、お笑いファン・バラエティ好きなら共感できるものだろう。昭和芸人の例を踏まえながら、芸人が年を取る難しさの理由を氏に紐解いてもらった。

笹山敬輔氏。(写真/北川泉)

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ダウンタウンが“死ぬ”日を我々はどう迎えるべきなのか? “サブカル”化するテレビと芸人たちの“晩年”事情

――“笑い”の現場は演芸場や寄席からラジオに移り、そして戦後以降は圧倒的にテレビがその主戦場となった。だが今やそのテレビも、メディアの覇者としての活力を失いつつある。世相やメディアの持つ“空気”を最も読み取って昇華する演者であるお笑い芸人という存在も、変化を余儀なくされていくだろう。かつてカルチャーヒーローであったダウンタウンのような圧倒的存在は、果たしてどのようにして表舞台から去っていくことにな

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