マガジンのカバー画像

日本人が知るべき天皇問題【2015年6月号第1特集】

12
¥500
運営しているクリエイター

記事一覧

左右の思想家たちは、なぜ天皇制に反対したのか? 近代日本「天皇制廃止論」の歴史――「反天皇制」という思想

――明治以降、天賦人権論、共和制思想、アナーキズム、共産主義……と、さまざまな知識人らが「天皇制廃止論」を表明し、そのための運動も展開してきた。さまざまな思想のもとに展開されてきたそれら「反天皇制主義」の歴史とはいかなるものなのか? その実像に迫る!

 今年、全国の有権者3000人を対象に朝日新聞が行った調査によると、「いまの憲法を変える必要があると思いますか?」という質問に対し、「変える必要が

もっとみる

天皇陛下の祭祀は年30回以上――『昭和天皇実録』で知る宮中祭祀の“伝統と今”――皇室メディアと宮内庁の対立【2】

――今年3月から刊行がスタートした『昭和天皇実録』(東京書籍)。周知の通り、昭和天皇の生誕からの事蹟を膨大な資料でまとめたものである。ここに描かれているさまざまな祭祀を見ていこう。

 全18巻と索引を合わせ、平成31年までをかけて刊行されることが決定している『昭和天皇実録』。幼少期をまとめた第一巻には、当時の陛下がどのような遊びをしたかまで詳しく書かれている。ただ、全巻を通して頻繁に現れるであろ

もっとみる

メディアは、いつ、皇室報道で暴走したのか? 大喪の礼と雅子妃で変わった皇室報道の戦後70年史――皇室メディアと宮内庁の対立【1】

――女性週刊誌には、ほぼ毎号、必ずと言っていいほど皇室の記事が掲載される。事実、各編集部には皇室担当記者が配属され、日々、皇族の素顔をリポートしている。だが時に、行き過ぎた取材が問題視されることも少なくはない。本稿では週刊誌を中心とした皇室報道の歴史と宮内庁との対立を見ていきたい。

■ミッチーブームを作ったプリンセス
皇后美智子

1934年、日清製粉勤務の正田英三郎・富美子夫妻の長女として誕生

もっとみる

精神病と日本人の“無意識” 「天皇の近親者である」という“妄想”はなぜ生まれるか?――精神病と日本人の"無意識"

――かつて新右翼の活動家・見沢知廉は小説『天皇ごっこ』で、精神病院に入院している患者たちがこぞって「我こそは天皇」と言い募るさまを描いた。医学的には、こうした症状を「血統妄想」という。健康な精神状態であれば日常生活の中で「天皇」を意識する機会は少ない。ではなぜ、精神病患者たちの妄想の中には、「天皇」が入り込んでくるのだろうか?

 平成のこのご時世、“天皇”という存在と自分自身の関係を強く意識する

もっとみる

雅子さま回復で関係性も修復!? 家族のつながりが薄れゆく日本人の理想としての皇室家族像――日本一有名な家族のご関係

――核家族化や孤独死など、家族のつながりが薄れゆく日本社会。実社会で失われつつある家族への憧れからか、昔ながらの家族を扱った物語が人気だ。そんな中で今、注目を集めているのは、やはり日本のロイヤルファミリー・天皇家だ。皇室の関係を見ることで、我々日本人が抱える問題も見えてくる……!?

 天皇は日本国の象徴であるが、特段興味が無い国民の視野にもその一族の動向が入り込んでしまうという点で、紛れもなく、

もっとみる

【辛酸なめ子】佳子様流メイクを体験!インペリア女子力から溢れ出る国民を癒やす口角の力とは?――佳子様の異次元メイクと美の秘密に迫る

――去る4月2日、秋篠宮佳子内親王が国際基督教大学(ICU)の入学式を迎えられました。その報道の効果もあり、ますます注目を集めているのが、佳子様の容姿の美しさです。今回は、そんな佳子様の日々を追いかける新連載、辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」スタートに先駆けての特別企画。一般参賀などでの佳子様のヘア&メイクを体験し、そのご苦労を考えました。

(写真/篠田 工・go relax E more)

もっとみる

佳子さまより美智子さまが格上!? 女性皇族のファッション・センス――女性皇族ファッションチェック

――過去にも女性週刊誌やワイドショーなどが女性皇族のファッションを取り上げることはあったが、読者や視聴者の下世話な関心をあおる報道が大半だった。では実のところ、女性皇族たちはいかなる“センス”を秘め、時代時代の“モード”とどう接してきたのか? 各人のファッションを評してみたい。

『皇室 Our Imperial Family 第66号 平成27年春』(扶桑社ムック)

 近年、「美しすぎる内親王

もっとみる

国歌斉唱は直立不動が基本姿勢! 細田議長に聞く「君が代」独唱・斉唱チェック――「君が代」問題と歴史的背景【2】

――品位高き「君が代」を歌う秘訣は、心と姿勢。議長が考える礼儀作法に則った国歌を歌い上げたアーティストは誰だ!?

■式典に対する構えもイケメン

TAKAHIRO(EXILE)

2010年4月7日/キリン杯 日本 vs セルビア
メガネ姿で国歌に挑む。当時、LDHの脱税報道があり状況悪し。
「歌が上手ですね。天皇陛下御即位20年記念式典で披露した『組曲 太陽の国』も素晴らしく、ATSUSHIさ

もっとみる

その歌い方は不敬に当たる!? 根深き「君が代」問題考察――「君が代」問題と歴史的背景【1】

――入学式や卒業式の学校式典に限らず、あらゆるスポーツの開幕式や閉幕式、試合直前などで耳にすることが増えた国歌「君が代」。ここでは1999年の法改正以前から続く「君が代」問題を振り返りながら、アーティストによる国歌独唱・斉唱に注目してみたい。

(絵/HELLHAMMER)

 日本には“国歌”と“国旗”が存在し、1999年の「国旗及び国歌に関する法律」可決後、国歌が「君が代」、国旗は「日の丸」(

もっとみる

生ける歴史遺産となった昭和天皇、GHQに十字架を負わされた今上天皇――30年後の『ミカドの肖像』猪瀬直樹の自己解題

――日本における「天皇」とその“影”を深く長い射程距離をもって抉り出したノンフィクションといえば、猪瀬直樹の『ミカドの肖像』をおいてほかにない。猪瀬氏は『天皇の影法師』でデビューし、『ミカドの肖像』から始まる“ミカド3部作”、そして09年にも『ジミーの誕生日』を書いてきた。その当人に、『ミカドの肖像』連載から30年たった今あらためて、同書で描き出そうとしたものはなんだったのか、この期間に日本社会と

もっとみる

「万世一系・125代」から考える“天皇制”の歴史と皇室の現在――皇室にまつわる素朴なギモンを解決!

――天照大神から神武天皇、そしてその後の124代の天皇制の“物語”は、明治維新期に確立されたものも多いという。天皇とは何か、皇族とは何か、「男系の万世一系」の意味するところ、女系天皇論の本質、そして眞子さま佳子さまフィーバーまで、天皇制の歴史を踏まえて、明治以降に始まる「近代天皇制」のありようを解説する!

(写真/江森康之)

■明治天皇
1852年11月3日~1912年7月30日。第122代天

もっとみる

鈴木邦男氏に聞く菊タブーの現在 菊花紋章の取り扱いは何がタブーなのか?――新右翼・一水会顧問が語る右翼と菊紋

――皇室特集でさえタブーとされる現在の雑誌業界。まじめな議論であっても、その取り扱いには注意を要する。そうしたタブーを恐れて、自主規制ばかりで、果たしていいのだろうか? ここでは、新右翼・鈴木邦男氏に、現在もタブーと思われている菊紋などについて、基本的な取り扱い方を聞いてみた。

鈴木邦男氏。

 天皇が「現人神」と呼ばれた戦前から、左翼による過激な皇室撤廃論が飛び出し、菊タブーを掲げた右翼と盛ん

もっとみる