三日月、盗む、手紙

三題噺スイッチhttps://mayoi.tokyo/switch/switch2.html から頂きました。

猫の爪の様な月に腰掛けて
満月のように真っ白い便箋に
夜空の紺碧を込めたインクで
彼の人への思いを書き綴る
夜空に輝く星達が覗いて
幽かに笑う、くすくすと
虫達の楽団の奏でる音が加わり
静かで賑やかな秋の夜
書き終わった私は星の色の封筒に
便箋をしまい、封蝋する
封筒はするりとお月様の中へ
吸い込まれ溶けていく

思いを込めて書いたの
彼の人の夢にきっと届けてね

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