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天使の巻き髪のラビオリ 青葉の章

天使の巻き髪、もう響きがいいですよね。
以前ラプンツェルの長い髪をイメージしてラビオリのフチ巻き巻きしたり、パスタ編んだり、もうもうもう、なことの事初めはこちらから。
何しようぞ くすんで 一期は夢ぞ、ただ狂え(閑吟集)なんて。

食べ物でなんちゅうことするねん、とお思いのあなた。すべて食感とかソースのからみにからんでいるのでございます、って言ってみたかっただけ(笑)。
ほとんど作ってみた〜〜い、だけのこどもでございます。味と食感に影響するのはほんとですが(きりっ)。

見た目も美味しさに影響するって本当らしく。こんな本もあったり。錯覚って言われるとちょっと微妙ですよね。君が見ているものは真実だ。本当が見えているとは限らないが、なんて。錯覚だってなんだって美味しければいいですよね。
「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった美味の真実 チャールズ・スペンス著 角川書店 2018 

ん?盛り付けも出来上がりも美しくないと不味くなる?あれ〜、もちょっと修行しないといけない辛子ん、じゃなくてかしらん?

もうここまできたらいっそセーターでも、ってなに考えてるんだか。
三つ編みだとちょっと寂しいというか縄みたいで髪の毛っぽくなく。蛇みたいっていう噂も(泣)。もそっと髪の毛っぽくないといけないかなぁ、なんて思ってて。

その時三つ編みにしたパスタがこちら。スパゲティーニで。

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で、ずっとあーでもないこーでもない、どないしょ、って考えてて、組紐編みとか平編みとかちょろちょろやってみてはいたんですが、ってやってるんかい。
折れる切れるとか、そこまで曲がらないとかパスタならではの難しさがあって。そんなころ。

狭小キッチンで作られてるなんて想像もつかないクリエイティブなお料理作られてるユイじょりさん、見た目も麗しいローズパイの縁四つ編みにされてて。

日本のパリで、グローバルなお料理展開されてて、背中のチャック開けたら何人はいってるんだろう、くらい変化自在のケイチェルおじさんもキッシュの縁編み編みされてて。

お二人ともきれいな仕上がり。で、忘れてかけてた創作意欲がむくむくと真夏の入道雲のように湧き上がってきて。
でも、気持ちは溢れても、まだどうするか決めかねてて。

と、やわらかな感性で鋭く日常の一齣を切り取られて詩情豊かに表現されているえりきゃっとさんからひとこと。

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まさに天の声。細くすればいけるんじゃね?と気がついて。
で、まだ若々しい感じの青葉なお姿を、な、今日のお話。

目指すはダ・ヴィンチの天使の巻き髪、ってだいぶ遠い道のりになりそうな(笑)。


生地を作る

なんとなく少し金色の混じったプラチナブロンドのしなやかな髪のイメージなので、00粉100%、全卵1:卵黄2 加水率55%、岩塩1%で。デュラムセモリナ粉よりしなやかな生地を目指して。

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水回しは丁寧に。水分量たった2%多いだけでだいぶぺたぺたした感じ。

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コシはしっかり出したいので、15分くらいこねて、30分くらい休ませて、を3回繰り返し。わけはあとで。

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つるつるもちもちのお肌に。肌荒れした天使ではね。もう、最近乾燥してるでしょ。お肌あれちゃって、化粧のりがわるいの、なんてことになってはいけませんから(笑)。

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リピエノ

少し大人な感じにしたかったので、白いフォンデュソースを詰めることに。
♪儚いね。あなたの、白い肌♪なんて。わかる人いるかな。オフ・コースっていう方はお知らせくださいませ。
バターに薄力粉入れてトロ火ですりすりダマがなくなるまで。焦げないくらいに火を入れて、ミルク少しづつ加えながらのばして、滑らかな感じになるまで。

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火を止めてからペコリーノ少し多めにすりすりして、よくねりねり。パルミジャーノだと旨みが強いので、なんとなく豊満な体をイメージさせるのと、ペコリーノの少し尖った塩味の方が生地との相性良さそうな気がしたので。

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粗熱取れたら、胡椒とナツメグすりすり。よく混ぜてスタンバイ。

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巻き髪のかたち

生地はフェットチーネとかの時より一段薄く。透き通るような白い肌、ですからね。

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リピエノをちょん、と置いて。

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もう一枚生地のせて、今回は膨らませたくないので、フォークでピケして。

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縁はいつものように巻き髪風に。。。ピケしてあると、モンゴルの帽子っていうかジンギスカン鍋みたい(泣)。なぜか聞こえてくるジンギスカンの歌、ってあいかわらずどんな頭しとん、ですね。
どんどん天使から離れていきそうな。

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気を取り直して、、生地を薄くうす〜く伸ばしてカッペリーニカッターで切って。なぜか持っていたんです。このカッター。5本ずつ束ねて。

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これ3本併せて三つ編みに。これ、編みやすいようにマシーンで固定してるだけでマシーンが編んでくれるわけではありません、って前回も書いたような(笑)。

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編み上がりの図。きちんとコシを出してたので、延びもよくてしなやかでいい感じに。。。。ひさしぶりの編み編みで目が揃ってないのはご愛嬌ということで。
ちばっとは髪らしくなったかしらん。すくなくても蛇には見えなくなったので一安心。これ以上細くするとさすがに編むのは厳しそう。

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で、さっきのジンギスカン・ハットに卵白ぬりぬりしてからくるっと回してはずれないように卵白でつけて、こんな感じに。
う〜ん、こんどは麦わら帽子のような。♪麦わらの帽子の君が 揺れたマリーゴールドに似てる♪なんて。
これ、茹でたら絶対崩壊する気がしたので、この形のまんまでいけるように焼くことに。

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オリーブオイルぺたぺた塗って180℃のオーブンで15分くらい焼いて。あまりこがすと日焼けした天使になってしまいますからね。ピケが足りなくてちょっとふくらんでしまった子もいますが、なんとか形に。
そういえば、なんでピケっていうねん、と思ったらフランス語で突き刺すとかいう意味らしく、ってドイツ語のピッケルとか語源一緒?はおいておいて。

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お察しのとおり、これだけでご飯にはならないので、メインと付け合わせは別に空き時間に着々とつくっとりますです。

新じゃがのフリット

いつものようにニンニクスライスとマリーゴールド、じゃなくてローズマリー、オリーブオイルでくちゅくちゅ。香りが移ったら、いったんご退場いただいて。

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櫛切りにした新じゃが投入。皮付きのままで。中火でじっくり揚げ焼き。傾けたり返したりしてると、オイル少なめでもあげたのとおんなじ感じに。オリーブオイル、安いのでも結構良いお値段するし、一度加熱してしまうと風味落ちてしまいますからね、で、けちりまくりで。あいかわらずの貧ちゃん料理で。

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表面がかりっとしてきたら、余分なオイル拭き取って、ニンニクとローズマリー戻して、煽りながらもう一度風味付け。岩塩ぱらっと入れて、胡椒がりがりして、煽って煽って。煽り運転はいけませんです。煽るならフライパンだけにしましょう、なんて(笑)。

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新じゃが、皮付きのまんまが美味しいですね。皮のすぐ下が旨味が一番強いですしね。表面かりっで、中ほっくほくでいい感じに。

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ボンゴレ・ロッソ

メインは定番で。この前味変してみて目覚めたので、少しテイストを変えてよりバランスが良い感じにしてますが、このお話はいずれまた、ってか微妙な違いだからまたですか〜になるかも。いえ、神は細部に宿るのです、なんて(笑)。

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天使の巻き髪のラビオリ 仕上げ

焼いたままの素っぴんでもかわゆいけど、ちょっと味的にも寂しいので、ひと工夫。まずは緑。パナダ・ピッコラ作った時の春菊ジェノベーゼ、というかハルメーゼ?

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これだけだと華がないので、ボンゴレのソースもちろっと。で、こんな感じに。

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、、、焼き色が入ると小麦色、ってなんか健康的な感じ。夏の日の麦わら帽子の少女の雰囲気。天上の感じでないですね。ううう、形と見た目の両立はもちっと工夫が、って何目指しているんだか。次回までにはもそっと考えときま〜す、ってまだやる気でいたりして(笑)。

編んでいるところがサクサク感強めてて、味も食感もいい感じのハーモニー。アミコミノウズメノミコトに走ったのも間違いではないかも。。。

つくりた〜い、はいいけど、これってどんな時に作るん、と思し召しのあなた。リストランテとかでAntipastoの前にInizioが出てきて、これから始まるコースへの期待を高めるのいいなあと思ってて。
いつになるかわからないですが、パーティのコースの最初にこんな感じので始められたら、ちょっと素敵かな、なんて。これなら事前に作っておけますし、、、と言いながら20人分とか作るの大変そうな(笑)。

ペコリーノのちょっと尖った塩気と羊さんのくせのある感じを残しつつ火入れしてあるので全体がまろやかになって、ビールとかスプマンテとか合いそうな気がします。

いつも素敵なインスピレーションを下さるnote友のみなさまに感謝しつつ。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
明日からも素敵になりますように。

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公園の植え込みから顔を出した篠竹の筍。吸い上げた余分な水を葉先からぽたぽたと出して雫になってて。命を感じますね。




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