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トマトクリームかオイル仕立てかそれが問題だ!?(笑)、の、ズワイガニのパスタ

気がついたら年の瀬も押し詰まって。月日は百代の過客にて、行きかふ年もまた旅人なり、でしょうか。ほんに気がついたら一年たってしまってて。
 年末に入って小振りの紅ズワイガニが随分お安くなっていて、まだ飲食店の方々苦しまれているのかな、などと思いを馳せつつ、もう常連の方は耳タコかもですが、お手頃の蟹さまに出会ってしまうと、もうこれ使わざるを得ない宿命(?)を背負っているのでございます。ま、食べたいものを供するのが調理人の務めですし。で、頻度高く作ってるので、だいぶ慣れてきたのですが、なんとなく惰性になっているような気がして。

いちど初心に戻ってきちんと向き合ってみよう、というのが今日のお話。いつものようにほとんどの方にとってはどーでも良い(?)ことかも、ですので適宜読み飛ばしてくださいませ。

まず基本のおさらいから。プロが作られるの見てると、蟹さま、だいたいオイル系とトマト系があって、どちらも生クリーム加える場合もあって。イタリアの伝統的な作り方では海のものと山のものは合わせない、ってことらしいので、チーズは加えないのが基本だそうで。確かに魚介系の優しい風味、チーズ入れると消されてしまいますね。あれ?サーモンクリームはチーズ入れてね?とお思いのあなた。鮭は川で獲れるので山のものだそうです。ま、美味しくいただければそれでいいので、そこまでこだわらなくても良いかもです。
で、数ある作り方から、うちの定番で作り慣れてるほとんど野菜のポタージュに蟹さまのお出汁加えたトマトクリームソースと、オイル系でシンプルに蟹の風味だけで仕上げるのとを比べてみたのでございます。(ちなみに違う日に作ってます。念の為。)

パスタの生地

どちらもうち定番の卵+デュラムセモリナで。しっかりとした食感があってコシが強く、次の日でもてろ〜んってならないので味が染みて美味しくなったりするのももいいところ。

空気が乾燥してきたので、4%ほど水分量上げてます。この季節が一番作りやすい気がします。

オイル系のソース

作り方はシンプルですが、蟹の風味がダイレクトに出るので一歩間違うとバランスが崩れやすい難しいソース。一度お店で食べた記憶を頼りに。大蒜と鷹の爪の風味を移したオリーブオイルに蟹味噌を入れて、水分飛ばした後に白ワイン加えてさらにちょっと煮詰めたものをベースに。

アーリオオーリオをベースにしたソース

小降りのベニズワイ様なので、2杯使って。ワイン蒸しにして匂いを消しながら風味づけしながら火を通す感じでやってます。
殻を外して身だけ取り出して。殻はしっかり煮出して蟹出汁に。蟹味噌の味を引き出したオイルに加えて軽く煮詰めておく。

蟹味噌だけだとコクはでるんですが、まだちょっとお寂し山のたぬきさん、な感じで、すかっと何か抜けてる感じがしたので、ワイン蒸しにした時のワイン入りの水、それに殻を煮出したものを加えて旨味を足してみました。。。。煮詰めるのにちょっと時間がかかるのが難点。

合わせるパスタ

繊細な味(?)のソースに合わせるので、少し細めのフェットチーネで。

パスタは海水くらいに海塩入れた湯で茹でて、湯切り、温めたソースに茹で汁少々と一緒に入れて、フェンネルちぎったものと和えて。仕上げに蟹の身とフェンネルトッピングして。

トマトクリーム

トマトクリームソース

これはもう定番でなんどもご紹介してますが、一応作り方まで。

合わせるパスタは、ソースが強いので、幅広のタリアテッレで。

さて、お味は?

オイル系のソース

トマトクリームソース

オイル系のソース(なんて名前になるのか調べてません(笑))、蟹の風味が全面に出て、なかなかいい感じ。ただ、フェンネルとか入らないとちょっと蟹の癖のある匂いが鼻につくかも。今回奇跡的に手に入った生の蟹だったので美味しくできたのですが、茹で蟹とか冷凍モノだと厳しいかもしれないです。
トマトクリームは安定の味で。野菜とトマトの味をしっかり引き出してから生クリーム入れてるんで、蟹無しでも美味しいところに蟹の風味が加わるので。その分蟹そのもののお味はダイレクトには感じ難くなるのですが、蟹の質に左右されにくいのはいいところ。
と、こんな感じで一長一短というか、手に入った蟹によって使い分けるのが良さそう。まだまだいろいろと試してみる必要はありそうです。。。ってもう誰も見たくないかも(泣)。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
来る年が皆様にとって素敵になりますように。

今日の日の出。


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