『スカイライン-奪還-』  前作は妊娠のメタファーで、今度は出産と育児のメタファー

量子力学や相対性理論、重力量子論といった理論物理学の要素を見事にスルーし、そこに親子の愛を盛り込んだ感動作です。

メタファーという考察に対して、「深読みする余地は微塵もない!」と過剰反応する人がいますが、想像したものを映像化する努力の積み重ねが映画であり、想像を楽しむ能力はホモサピエンス固有なそうですよ。「人間が想像できることは 人間が必ず実現できる 」って鹿島建設も言ってますしね。

と、ここまでは落語でいう枕です。

一見めちゃくちゃなストーリーに見えますが、地下鉄は『不思議の国のアリス』の「ウサギの穴」、宇宙船に吸い上げられるのは『オズの魔法使』の「竜巻」、墜ちた場所ラオスは「魔法の国オズ」、途中で出会うジャロッドの心を持ったエイリアン=「心を手に入れたブリキ男」なんかを仲間にして一緒に戦うという物語なのです。たぶん次回作では「カンザス」に相当するLAに戻ってくるんでしょう。王道のヒーローズ・ジャーニーですね。

ジョージ・ルーカスの作ったヒーローズ・ジャーニーがスター・ウォーズで、コッポラが作ったのが『地獄の黙示録』。ということで 後半は『地獄の黙示録』のオマージュであり、デニス・ホッパーそっくりの男が登場します。

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