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『ブラック・クランズマン』(2018)   批評家ウケするタイプの映画だが

結論から言うと小ネタ盛りだくさんのコメディとしては面白い。だが、字幕を追っているだけだとジョークの半分は理解できないだろう。

トランプ大統領批判は2018年公開映画(2019年の第91回アカデミー賞の対象)としてはネタが古かった。もう2年早ければアカデミー作品賞や監督賞を獲ってたかもしれないが。アカデミー会員のほとんどが民主党支持者といわれ、トランプ氏を批判しまくった2017年のアカデミー賞授賞式に一般のアメリカ人はシラケてしまい、2018年のアカデミー賞授賞式の視聴率は過去最低だった。とくにハリウッドのトランプ批判の急先鋒に立っていたメリル・ストリープは、かつて彼女が「神」と称えたハーベイ・ワインスタインにセクハラ疑惑が持ち上がると「まったく知らなかった」と、手のひらを返すようにワインスタイン批判に加わり、偽善的だと余計に株を下げた。

ちなみにトランプ大統領は明確にイスラエル支持だしの娘婿はユダヤ人であるので、少なくてもユダヤ人差別では無い。前回2016年の米大統領選でトランプ氏が獲得したアフリカ系の票は非常に少なかったといわれるが、トランプ政権になって黒人の失業率は過去最低を更新。メキシコからの不法就労者は多くの黒人の仕事を奪っていたわけで、最近の黒人の労働環境は かつてないほど良好と言われているのだ。当然、黒人のトランプ支持率は上がる一方である。また女性有権者に嫌われている印象が強いトランプ大統領。せいぜい田舎の低所得層の白人女性に支持されている程度、といった印象操作がメディアによって行われているが、実際には高学歴ミドル・クラス女性達も、トランプ政権になって生活が良くなったと、トランプ大統領を支持しているのだ。

序盤で『風と共に去りぬ』の有名な鉄道操車場シーンを使うあたりのセンスはさすがだ。このシーン、オリジナルでは音楽がDixie's Landから南部連合旗が写るタイミングで葬送曲Tapsになるのだが、音楽が別の物に差し替えられており、旗が写るところでDixie's Landになる。また『風と共に去りぬ』に"Have you seen Dr. Meade?"というセリフは別のシーンで確かにあるのだが、"God, save the Confederacy!"というセリフはどこにも無かったと記憶している。声はヴィヴィアン・リーではなく別人だろう。

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