見出し画像

是恒さくら+Dylan Thomas
ふたつの水が出会うとき/When two waters meet 開催中

是恒さくらとDylan Thomas、2人の作家の鮭にまつわる展覧会を開催中です。

東北とカナダを始め、北太平洋を取り巻く多くの土地では、古くから重要な食料の一つとして鮭が人々の生活を支えてきました。人々は鮭を敬い、川を行き来するその不思議な生態に想像をめぐらせ物語や図案にしてきました。



東北各地に伝わる鮭の伝承や取材をもとに制作した是恒さくらの作品は、是恒が1人の語り部として、鮭の物語を語り伝えているようでもあります。
会場中央に配されたインスタレーション作品「変容のための仕立て台」は、是恒が採話した物語をほどき、作品の形に仕立て直す場所にも見えます。

画像1

そこから、鮭の変身譚を思わせる衣へと連なるように作品が展示され、さらにそれらを囲むように是恒のドローイング作品ともう1人の作家Dylan Thomasの展示作品が並びます。



カナダの先住民コーストサリッシュのアーティストDylan Thomasは伝統的なモチーフや技法を受け継ぎながら、オリジナルの新しい作品を発表しています。きっと彼の作品も次の世代へ伝統を繋ぐ存在となるのではないでしょうか。


画像2


当初は、2つの土地の共通点である鮭をテーマとして、Dylanが来日し、作家2人で展示を完成させる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながらそれは実現しませんでした。
再びプランを練りなおす中で、ヒントになったのが今回の展覧会のテーマでもある鮭です。

長い時間をかけて2つの土地の間を旅する鮭の姿に、両者をつなぐ使者のようなイメージを重ねました。
もちろん、オンラインで世界とつながることも簡単な時代なのですが、
海外との行き来が頻繁ではなかった頃に人々が鮭の姿を通して遠い場所に思いを巡らせたように、展示作品を通して、はるか海の向こうの国に想像を巡らせてみてください。



スタッフF


--

展覧会は11月15日(日)まで開催中です。そろそろシーズン終盤ですが、Cyg近くを流れる中津川でも鮭の遡上を見ることができます。

是恒さくら+Dylan Thomas
ふたつの水が出会うとき / When two waters meet
2020年10月31日(土)-11月15日(日)
○ 11:00ー19:00/火曜・水曜定休
○感染症への対策については、Cygウェブサイトからご確認いただけます。
--

作家の是恒さくらとCygスタッフのトーク動画を配信中です。
鮭にまつわる制作を始めたきっかけや、制作の背景などのお話を伺いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?