見出し画像

SenseとArt


ChatGPTの公開

OpenAIからChatGPTがリリースされて、まだ半年程度しか経っていないのですが、それはそれは物凄いスピードで、あらゆる分野でお祭り騒ぎとなっています。

私もこの界隈の外苑あたりで気がつけば10年以上も仕事してますので、この騒動が行きすぎたものなのか、そうでないのかは判断できます。

著名な方々がおっしゃる通り、この流れは止めることはできませんし、世の中の仕組みを大きく変化させることは間違いありません。自分自身にとってこの変化は全くもってネガティブなものではないのですが、子育て真っ只中の今、目の前の子どもたちは下手をすると非常に厳しい状況になってしまう恐れがあり、最近はモヤモヤしているのが現状です。

壁にぶち当たる

今までの人生経験の中で、壁にぶち当たるという経験をされたことがある人は多くいるかと思います。勉強でもスポーツでも仕事でも何かに没頭してトレーニングして上のレベルを目指して努力して。

周りからは一歩秀でているけど、どうしても越えられない次のレベルへの壁。そんな壁、ありませんでしたか?

壁越えの過程で生じる、いわゆる努力の積み上げで出来た相対的なアドバンテージは、この壁を越えることができなくても、それなりの価値を持って機能してくれました。そして、このアドバンテージはある程度はテクニックで獲得することができました。ある一意の解に対して、最適なプロセスで辿り着く訓練をひたすらすると言った具合に。

でも、真の高いレベルの壁はテクニックだけでは超えることができず、Sense(センス)が必要であると思っています。

センスってまた曖昧な言葉ですよね。その通りです。私もよく分かりません。例えば、お受験とかで言えば、何も勉強してないのに超難関大学に受かっちゃったり、めっちゃ頭いいけど医学部にはなかなかって子がいたり。何でって聞かれると、センスって言っちゃう。そんな感じです。

今後はセンスで勝負する世界

何でこんな話をしているかというと、今後はセンスで勝負する世界になると思っているからです。今まで努力して積み上げてきた知識やテクニックのアドバンテージは、ChatGPTなどのAIが担当することになり、その部分で得ていた優位性はゴッソリなくなります。

ふと気がつけば、横一列によーいドン状態になってしまったような感覚。こういう状況になった時に、人間ってどういう行動に出るんでしょうね。そこから更に上に突き抜けようとするのか、はたまた、そもそも競争をしなくなるのか、横一列になったことすら気が付かずにボーッとするのか。何となくですが、相対的な競争ってのは今よりかは少なくなっていそうな気がしています。

こうした状況のもと、上に突き抜けようと思うのであれば、それは壁を越えるセンスが必要になる環境に身を置くということになります。

テクニックなどの表面的な能力では太刀打ちできないメチャメチャ厳しい環境です。このような厳しい環境でも、上を目指して探究したり、我慢強く基礎に立ち返ったり、ほんとMっ気の強い状況でも、ワクワクするような心理状態であることが健全です。

ChatGPT!ウェ〜イといった状況ではないですね。現在の世の中で、すべての人がプロフェッショナルであるわけではありません。将来的にもその状況は変わらないでしょう。でも、子どもたちにはプロフェッショナルを目指せるという選択肢を持っておいて欲しいわけです。

どないすればエエねん。まぁ最近、こんなことでモヤモヤしているわけです。

SenseをArtで鍛える

Art(アート)というと芸術とか美術とかいう意味に使われることが多いですが、歴史、文化、哲学、思想などを含めた教養という文脈で使われることもあります。

アートからの学びを通じて、歴史や文化、社会や思想、人間の本質を理解し教養を深めるだけでなく、鑑賞や創作を通じて、想像力や創造力、自己表現力や批判的思考能力を育むことができるとも言われています。

アートを鍛えることで得られる力は、価値観や領域を繋ぐ接着剤のようなものと思っていて、そうした視座で物事を捉えることができることがセンスだと私は考えています。

そして、そのセンスを用いて壁を越えた時、「the art」になる。

蛇足ですが、外国の人と話をすると、いやでも文化や哲学、宗教観の話になるので、鍛えておいても絶対に損はありません。

これからの子どもたちに

では、どうすれば子どもたちがアートから学び、センスの基礎を習得してもらえるようになるのか?少なくとも今の学校教育の中では追いつかない感覚しかありません。

もう、これ、学校以外でやるしかないかなと思っています。周りの進歩のスピードが半端ないから、待っていたら手遅れになりそうです。

具体的にどうするのか?今、そんなことをモヤモヤしながら考え、いろいろと調べています。

自分自身も学ばなければ…。自分も含め多くの人が頼っていたアドバンテージが無くなる世界がやってきます。


ヘッダー画像
著作者 / Freepik


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?