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サイブリッジ合同会社はシンワワイズホールディングス株式会社に対し、第三者算定機関の算定レンジを大幅に超えた、アイアート株式会社を完全子会社とする株式交換について事前質問状を送付しました

 サイブリッジ合同会社(以下「当社」)は、Shinwa Wise Holdings株式会社(代表取締役:倉田陽一郎、 証券コード:2437 東証JASDAQ スタンダード)の発行済株式359,100株(持株比率:4.82%)を保有する大株主です。当社はShinwa Wise Holdings株式会社(以下「SWH社」)に対して、2021年7月29日に開示されたSWH社によるアイアート株式会社(以下「アイアート社」)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」)に関して添付の事前質問状を送付して、事前質問に対する回答を要請しました。

 当社は、事前質問状を提出する前提として、厳しい経営環境下で、2021年7月14日付の決算短信で開示があったとおり、通期連結決算でも最終損益を黒字に導かれた経営努力に敬意を表します。

 一方で、当社としては、本株式交換がSWH社の既存株主に不利益をもたらす可能性があるにもかかわらず十分な説明がなされていないと考えておりますので、添付の事前質問状をSWH社に送付をして、事前質問への回答を要請いたしました。

 なお、公平な情報開示の観点から定時株主総会にご出席されない株主の皆様も平等に確認できるよう、2021年8月16日午後5時までにSWH社のウェブサイト上にて回答を公開することを求めております。

 当社は、SWH社に事前質問について誠実にご回答をいただくことで、これまで長きにわたりSWH社を支えてきた株主の皆様が納得をしてご判断ができる状態となる事を期待しております。

以下事前質問状の内容はバリュープレスにおいても公開しております。
https://www.value-press.com/pressrelease/271901

事前質問状

 まず、本事前質問状を提出する前提として、厳しい経営環境下で、2021年7月14日付の決算短信で開示があったとおり、通期連結決算でも最終損益を黒字に導かれた経営努力に敬意を表します。

 今般、2021年7月29日付「Shinwa Wise Holdings株式会社によるアイアート株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」(以下「本プレスリリース」といいます。)により公表されたShinwa Wise Holdings株式会社(以下「SWH」といいます。)によるアイアート株式会社(以下「アイアート」といいます。)を完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)に関して、2021年8月26日に開催される予定のSWH定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)に先立ち、SWHの発行済株式359,100株(持株比率:4.82%)を保有する筆頭株主であるサイブリッジ合同会社(以下「サイブリッジ」といいます。)は、SWHに対して本事前質問状を提出し、下記の質問に対して具体的な内容を伴う回答を求めます。
 また、公平な情報開示の観点から本定時株主総会にご出席されない株主の皆様も平等に確認できるよう、2021年8月16日午後5時までにSWHウェブサイト上にて回答を公開することを求めます。
 万が一、本事前質問状記載の質問に対して、了解可能なご回答をいただけなかった場合には、サイブリッジは、やむを得ず本株式交換に反対する立場を鮮明にせざるを得なくなることを付言いたします。

1.本株式交換契約においてSWH及びアイアートの間で合意された株式交換比率について

(1)第三者算定機関の算定した算定レンジを大幅に超える株式交換比率であること

 本プレスリリースによれば、本株式交換においては、アイアートの普通株式1株に対してSWHの普通株式2544.5株が割当交付されるという株式交換比率(以下「本株式交換比率」といいます。)となっております。
 SWHは、本株式交換比率の算定にあたって、公平性・妥当性を担保するために、SWH及びアイアートから独立した第三者算定機関である株式会社キャピタル・ストラテジー・コンサルティング(以下「キャピタル・ストラテジー」といいます。)に算定を依頼をしており、キャピタル・ストラテジーが算定をした株式交換比率(アイアートの普通株式1株に対して交付するSWHの普通株式の割当数)の算定レンジ(以下「第三者機関算定レンジ」といいます。)では、アイアートの普通株式1株に対して割当交付されるSWHの普通株式は1723.9株〜2254.4株となっております。
 本株式交換比率を前提とした場合及び第三者機関算定レンジを前提とした場合における、株式交換によりアイアート株主に対して交付されるSWHの株式数及びSWH株式交換承認取締役会決議日の2021年7月29日の終値(1株416円)を基に算定した当該株式の時価の比較は以下のとおりです。

本株式交換比率の場合

株式交換により交付する株式数 2,544,500株
交付される株式の時価     10億5851万2000円

 第三者機関算定レンジを前提にした場合

株式交換により交付する株式数 1,723,900株〜2,254,400株
交付される株式の時価     7億1714万2400円〜9億3783万400円

 また、本株式交換によりアイアートの各株主が交付を受ける株式数及びSWH株式交換承認取締役会決議日の2021年7月29日の終値(1株416円)を基に算定した当該株式の時価の比較は以下のとおりです。

本株式交換比率の場合

伊勢彦信氏          1,399,475株(5億8218万1600円)
リーテイルブランディング株式会社   633,581株(2億6356万9488円)
秋元之浩氏          470,733株(1億9582万4720円)
倉田陽一郎氏         40,712株(1693万6192円)

第三者機関算定レンジを前提にした場合

伊勢彦信氏          948,145株〜1,239,920株(3億9442万8320円〜5億1580万6720円)
リーテイルブランディング株式会社  429,251株〜561,346株(1億7856万8457円〜2億3351万9769円)
秋元之浩氏          318,922株〜417,064株(1億3267万1344円〜1億7349万8624円)
倉田陽一郎氏         27,582株〜36,070株(1147万4278円〜1500万5286円)

 以上のとおり、本株式交換比率は、独立した第三者算定機関であるキャピタル・ストラテジーが算定をした算定レンジを大きく超える株式交換比率となっております。また、SWHは、キャピタル・ストラテジーより、本株式交換比率がそれぞれの株主にとって財務的見地より妥当である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していません。
 それにもかかわらず、本プレスリリース及びその他の開示資料には、第三者算定機関が算定した算定レンジを大きく超える本株式交換比率が妥当であると判断するに足りる説明が一切ありません。

(2)直近のアイアートの業績からは本株式交換比率の妥当性を直ちに見出せないこと

 本プレスリリースによれば、本株式交換によりSWHの完全子会社となるアイアートの直近の業績は以下のとおりです。

2018 年 10 月期 売上:271,961 千円/営業利益:34,166 千円/当期利益:26,339 千円
2019 年 10 月期 売上:326,981 千円/営業利益:53,899 千円/当期利益:35,383 千円
2020 年 10 月期 売上:305,945 千円/営業利益:34,392 千円/当期利益:26,366 千円

 一方で、本株式交換により交付されるSWHの株式の時価は、前述のとおり、10億5851万2000円であることから、直近のアイアートの業績からは本株式交換比率の妥当性を見出すことができないだけでなく、過大な評価をした株式交換比率となっていると考える余地があります。
 それにもかかわらず、本プレスリリース及びその他の開示資料には、本株式交換比率が妥当であると判断するに足りる説明が一切ありません。

(3)株式の希薄化の規模が大きい取引であること
 本株式交換により、SWHからアイアートに割り当てられる株式は2,544,500株が予定されており、これはSWHの発行済株式総数7,439,900株に対して、34.20%の割合に相当するもので、大幅な株式の希薄化をもたらすことになります。
 このように本株式交換は、大幅な株式の希薄化をもたらす取引であるにもかかわらず、本プレスリリース及びその他の開示資料には、本株式交換比率が妥当であると判断するに足りる説明が一切ありません。

(4)SWH取締役に対するご質問事項
 上述のとおり、①本株式交換比率が第三者算定機関の算定レンジを大きく上回る株式交換比率となっていること、②直近のアイアートの業績からは本株式交換比率の妥当性を直ちに見出せないこと、③大幅な株式の希薄化をもたらす取引であることから、既存株主に大きな不利益を与える可能性がある取引であるにもかかわらず、本プレスリリース及びその他の開示資料には、本株式交換比率が妥当であると判断するに足りる説明が一切ないため、SWH取締役会において、本株式交換比率が妥当であると評価するに至った理由及びその検討プロセスを具体的にご説明を願います。ご説明の際には、本株式交換完了後の計画について、今後の減損リスクについて考慮してもなお本株式交換を実行するメリットがあることについて具体的にご説明を願います。

(5)SWH監査役に対するご質問事項
 上述の状況において、SWH監査役会が本株式交換比率が妥当であると評価をして、本株式交換について異議を述べないという結論に至った理由及びその検討プロセスを具体的にご説明を願います。

2.中立的な社外取締役の選任を予定していないことについて

(1)SWH監査役会が中立的な社外取締役の選任をすべきとの意見陳述をしていること
 本プレスリリースによれば、アイアートの株主構成は以下のとおりであり、SWH監査役会は、本株式交換にあたり、利益相反関係を伴う特別利害関係者がいることに鑑み、今後の社外取締役によるガバナンスを高めるために、中立的な社外取締役を選任するべきである旨の意見を述べております。

伊勢彦信氏(持株比率55.0%、SWH取締役会長)
リーテイルブランディング株式会社(持株比率24.9%、代表取締役を秋元之浩氏が務める会社)
秋元之浩氏(持株比率18.5%、SWH取締役)
倉田陽一郎氏(持株比率1.6%、SWH代表取締役)

 本株式交換は、アイアートの株主となっている者がSWHの取締役となっているという形式的に利益相反関係となっているだけでなく、前述のように、本株式交換比率は第三者機関算定レンジを大幅に超える比率となっていることから、外形的にはSWHの取締役でありかつアイアートの株主となっている伊勢氏、秋元氏及び倉田氏の利益がまさに優先されている状況となっております。
 一方で、現時点ではSWHでは、本株式交換にあたり、本定時株主総会で中立的な社外取締役を選任することを内容とする議案が提案される予定はないものと認識をしております。

(2)従前の経緯からガバナンス不全に陥っている可能性があること
 昨年のSWHの定時株主総会において、サイブリッジの代表社員であるサイブリッジホールディングス株式会社の職務執行者である水口翼が役員候補となっており招集通知にも記載されておりましたが、当該株主総会直前に役員候補自体から外されるという事態が発生しております。
 さらに、サイブリッジからSWHに対して、コーポレートガバナンス・コードへの対応を要請しておりますが現在に至るまで適切な対応がなされていない状況や、「FACTA」2021年2月号24頁に掲載されたSWHと伊勢彦信氏(SWH取締役会長兼アイアート支配株主)(または伊勢氏が関与している会社)との間の不適切な取引や疑惑についてのご説明を求めているにもかかわらず現在まで適切な回答がないという状況に鑑みますと、ガバナンス不全に陥っている可能性があると思料しております。
 これらの事情も踏まえて、サイブリッジとしては、本株式交換にあたり、中立的な社外取締役を選任する必要性が高いと考えております。

(3)SWH取締役に対するご質問事項
 前述の(1)及び(2)の事情も踏まえて、SWH監査役会が、本株式交換にあたり、中立的な社外取締役を選任するべきである旨の意見を述べているにも関わらず、本定時株主総会では中立的な社外取締役を選任しないと結論を出すに至った理由及びその検討プロセスを具体的にご説明を願います。

(4)SWH監査役に対するご質問事項
 SWH監査役会が、本株式交換にあたり、利益相反関係を伴う特別利害関係者がいることに鑑み、今後の社外取締役によるガバナンスを高めるために、中立的な社外取締役を選任するべきである旨の意見を述べるに至った理由及びその検討プロセスを具体的にご説明を願います。ご説明の際には、本株式交換についての利益相反関係だけでなく、従前のSWHのガバナンスに関する状況なども含めて具体的にご説明を願います。

以上

本件に関するお問い合わせ先

サイブリッジ合同会社
コーポレートソリューショングループ
本件担当 鎌形 尚
contact@cybridge.jp




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