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文字起こし | Cybozu Design Podcast #15 CSUNレポート2021(前編)

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オープニング(00:00)

篠原/皆さんこんにちは。デザイナーの篠原と…

Nia/Niaです。

篠原/この番組は、サイボウズ デザイン&リサーチグループのメンバーが、日々の活動や取り組みを雑談形式で紹介するコンテンツです。
デザイン・リサーチ・アクセシビリティを軸に、サイボウズ デザイン&リサーチグループの今をお届けしつつ、メンバーの人柄やチームの雰囲気をお伝えします。

篠原/ということで、今回も始まりました。

篠原・Nia/いえーい!(笑)

篠原/ちょっと久しぶりに今日は、私篠原と、Niaちゃんのダブルナビゲーターでね、お届けしていきたいと思います。

篠原/さて、今日はCSUNレポート2021ということで、小林さんとSUGIくんをお招きして、今年のCSUNで印象に残ったセッションについて話を聞いてみたいと思います。
よろしくお願いします。

小林・SUGI/よろしくお願いします。

Nia/よろしくお願いします。

自己紹介(05:57)

篠原/はい。じゃあ恒例の自己紹介から、まず小林さんからお願いします。

小林/はい、皆さんこんにちは。小林大輔と申します。
自分はサイボウズのデザイン&リサーチグループでアクセシビリティチームのリーダーをしています。
普段はアクセシビリティの啓発活動とか、あとは製品の改善活動とかをしています。本日はよろしくお願いします。

篠原/よろしくお願いします。それでは、続いてSUGIくんお願いします。

SUGI/はい、杉崎です。私もデザインリサーチのアクセシビリティチームで製品の改善とか、アクセシビリティの啓発とかを行っています。よろしくお願いします。

CSUNとは?(01:48)

篠原/よろしくお願いします。はい、それではもう早速、いろいろお話を聞いていきたいと思うんですけれど、印象に残ったセッションに入る前に、そもそもCSUNってなんぞや?っていう方もいらっしゃると思うので、小林さんからちょっと簡単に説明をお願いします。

小林/CSUNというのはですね。アクセシビリティに関する、おそらく世界最大級のカンファレンスでして、かなり歴史あるカンファレスです。2021年の段階で36回目を数えるカンファレンスになっていますと。
去年まではアメリカのアナハイムっていうところで開催されていました。なんですけれども、今年は今回のコロナウイルスの影響もありまして、全面オンラインで開催されることになりました。
リアルタイムで開催される講演と録画講演の2種類があったんですけれど、ちょっとリアルタイムで開催される講演はアメリカの現地時間っていうこともあって、かなり時差が激しいっていうことで、私と杉崎くんは、録画講演のみを聞いた形になっています。

篠原/ありがとうございます。講演講演とリアルタイムの講演で、内容は全く同じなんですか?リアルタイムでやったものを、録画してアップしてるみたいなそういう感じ?

小林/あ、いや別ですね。

篠原/そうなんだ。

小林/なので、リアルタイム講演はリアルタイム講演で頑張って聞いたっていう方も、日本でもいらっしゃるみたいだったんですけど。

篠原/あ、そうなんですね。じゃあ今日ご紹介するその印象に残ったセッションっていうのは、録画講演の方の内容ということですね。

小林/そうですね。ただ録画講演の方が、数はすごい多い感じだと思いますね。

篠原/何個ぐらいあるんですか。

小林/何個くらいだろう…SUGIさん、ざっくり覚えてます?

SUGI /や、100個以上ありますよね。

小林/そうっすね。絶対100個以上はあったはずですね。

SUGI/200個あるかないか、それくらいですかね。

篠原/すごい!

小林/そうですね。全部アクセシビリティ。

Nia/各団体ごとに、みたいな感じなんですか。

小林/いや、各団体ごとでもないですね。例えばGoogleとかだともう20個以上セッションを持ってたりとか、スポンサーによってはそういうふうに複数持ってる場合もありましたね。

篠原/CSUNで登壇するような企業だったり会社だったりってのは、具体的にどういったようなものが多いんですか?

小林/毎年登壇しているのはGoogle、あとMicrosoft、あとAmazonとかもいますね。

篠原/おー!

小林/そういう割とITで有名な企業がありますし、それ以外だと、アクセシビリティのコンサルとかチェックを行っている会社で、あまり日本だと馴染みないかもしれないですけれど、
そうですね、Level Accessっていう会社とかPchello Groupとか、いろいろそういうコンサルティング会社が登壇していたりしますね。

篠原/じゃあ各社の取り組みだったりっていうのを披露したり、みたいなセッションもあったりするんですかね。

小林/そうですね。結構各社いろいろ発表してますね。

篠原/いいですね。

Nia/いいですね。

篠原/ね、ちょっと。来年は、私も頑張ってリアルタイムで聞いてみようかな(笑)

Nia/リアルタイムで(笑)

小林/そうですね。いやあ、結構いいと思いますよ。毎年何か大変だったんですよ。結構行くのも大変だし。

篠原/現地だと。

小林/そう、現地だと。時差で結構もう体力的にやられちゃってるので、もう大変だったんですけど、今年はもう全然問題なかったし、時差あっても夕方くらいのセッションだったら、ギリギリ日本時間の朝でいけたかもしれないですね。
もしかしたら早朝になっちゃうかもしれないですけど。

篠原/万全の態勢で臨めるっていうのはいいですね。インプットがちゃんと染み渡るというか。

SUGI/現地開催よりも聞けるセッション数も、もしかしたら多かったんじゃないですかね。録画は聴き放題なんで。

篠原/そっか、そうだよね。

印象に残ったセッション(06:25)

篠原/いや、いいですね。早速そんなCSUNの印象に残ったセッションをですね。ちょっと教えてほしいなと思うんですけど。SUGIくんはどういったセッション、印象に残ってます?

SUGI/はい、そうですね。アレクサのセッションですね。スマートスピーカーのセッションなんですけど、
まず概要を言うと、言語とか運動に障害がある人・声を発することが苦手な人にもスマートスピーカーを操作できますよというセッションです。

Nia/面白い

篠原/じゃあ発話が、明瞭でなくても、ある程度認識してくれて、何かアクションを返してくれみたいな感じなのかな。

SUGI/はいそうです。

篠原/おー。

SUGI/仕組みとしては、そういう発音が不明瞭な人の声を解析する。学習して、認識するシステムをイスラエルのスタートアップ企業だったかな、が開発したんですけど、それとスマートスピーカーはアレクサを連携してですね。発話が苦手な人でも、電気つけたりとか、テレビつけてもらったりとかエアコン付けたりとか、あとはゲームするとか、エンターテイメントみたいなことを、スマートスピーカーを介してできるようになりましたよという発表でした。

篠原/へえ、ゲームもできるの。

Nia/すごい。

SUGI/スマートスピーカーはいろいろスキルが、アプリが搭載されているので中には。音声だけでやるゲームとか、迷路ゲームとかクイズゲームとか。

篠原/クイズゲーム!へぇ!なるほど!私もスマートスピーカー、一応家にあるんですけど、何か音楽かけてとかニュース聞くとか、そういうのしか使ってなくて。ゲームとかもできるんだっていうのはちょっと驚き。しかもそれが、発話とか発音が苦手な方でもできるっていうのはすごく、なんか嬉しいよね。なんか本当にアクセシブルになってるよね。

SUGI/うんそうなんですよね。セッションで言っていたのは、スマートスピーカーは介護の現場を変えたって、よく言われるんですけど。つまり、今までそういう身の回りのちょっとしたこと、テレビ見たいでもそうですけど、介護する人。人に頼っていたんですけど、スマートスピーカー1台を置いてあることによって、そうしたちょっとしたことが、人手なしでもできるようになったので。人手的にも助かるし、介護を受けている人たちのストレス的にもすごく緩和されるっていうところで、すごい革命だったんですね、スマートスピーカーって。ただ、今までは言語障害のある人はその恩恵を受けていなかったと。

Nia/うんうん。

SUGI/それがイスラエルのVoiceittってていうのですかね、V_O_I_C_E_I_T_Tっていうスペルなんですけど、そのプロダクトを介すことによって言語障害がある人も、そういう介護の革命の恩恵を受けることができるようになりましたというなかなか画期的な。

篠原/画期的ですね。

Nia/すごい。

篠原/Niaちゃんどう?この話を聞いて。

Nia/えー。スマートスピーカーって話すっていうことがベースだったから、なんかその、なんですか、概念が壊されましたよね、完全に。スピーカー、どうなんだろう、なんか名前も今後変わるのかな。

SUGI/確かに。

Nia/面白いですね。

小林/固定観念でね、いっちゃいそうですよね。なんか話せないと無理みたいな障壁を感じちゃいそうだけど、すごいですよね。面白いですね。
それで結構介護とか、普段、お手伝いしてもらわなきゃ無理だったことが、どんどんできるようになったらすごい素敵ですよね。

篠原/その介護とか医療を受ける側の人の精神的ストレスも軽減してるっていうのがすごくいいなあと思っていて。

SUGI/うんうん。

篠原/私も小さい頃とか入院したことがあって、看護師さんとか親に頼むのがやっぱりちょっと、お願いちょっとしづらいとか言うタイミングもあったりして、なんか遠慮しちゃったり、ああごめんなさいみたいな、こんなのもできなくてごめんなさいみたいな気持ちになっちゃったり。
することもあったりしたりしたんで、なんかそういうのが、このスピーカーによって、特に、発話が苦手な方とか、発音が苦手の方は、なんか、そういうことによる心理的ストレスってかなり軽減されるんじゃないかなって思いました。
もう自分でできるみたいな、頼らなくてもできるみたいな部分があるかなって。

SUGI/うんうん。

小林/うんうん。

Nia/いいですもんね、大きいですよね、自分でできるっていうのは。

篠原/何か自信にやっぱりなったりとかするのかって思った。前向きになんかね、生活していけるよね。自分でできることが増えたりすると、そんな風に私は、感じました。SUGIさんのおすすめのセッション聞いて。

Nia/すごい。

篠原/実際、どんな感じなのか見てみたいよね。やっている、発話して、そのレスポンスがどう来てるのかみたいな。ちょっと実際見てみたい。

SUGI/YouTubeで確かパイロットテストを今しているらしいんですけど。それのサンプル動画みたいなの確か上がってた気がするので。Voiceitt alexa YouTubeかVoiceitt smart homeとかで検索したら多分見れると思います。

篠原/ありがとうございます。ちょっと、見てみよう。はい、じゃあ続いて小林さん、印象に残ったセッションありましたか?

小林/そうですね。自分は、いくつか紹介できればと思うんですけれども、Digital Accessibility Trends: 2021 Updateっていうやつで、これはアクセシビリティのコンサルティング会社の人が発表していた2021年のアクセシビリティのトレンドについてで、いろいろ、コロナウイルスの問題とか、アメリカの訴訟の問題とかいっぱいトピックがあったんですよ。それもすごい参考になったんですけれど、自分が一番結構びっくりしたのは、アメリカの会社の人たちに対してのアンケートで、あなたが開発プロセスの中でアクセシビリティを考え始める最も早いタイミングはいつですかっていうことを、アンケートとっているんですね。最初のプランニングの段階、要件定義の段階、デザインの段階、実装、テストってどんどん進んでいくときに、どこでアクセシビリティを最初に意識しますかっていうので、プランニングっていう、要するに一番最初の段階って答えた人が、56%なんですね、半数を超えてるんですね。

篠原/すご!半分も!

小林/そう、要件定義よりも前なんで、おそらくだからもうリサーチの段階ですよねこれって多分。その市場調査とかそういうプランニングですね。

SUGI/それはすごい。

小林/すごいと思います。これ何か。実装もデザインまでで90%はもう、やるって言ってて、実装とかテストって答えたのはもう全体の10%以下みたいな状態だったんですよ。結構僕一番ショックでこれが。

篠原/衝撃ですね。なんかもっと何ですかね、もっと実装段階でやるみたいなのが多いのかなって思ったら、意外とその上流が多いっていう。

小林/そうですね。なんか、日本ではまだまだそのアクセシビリティいわゆる「対応」とか、最後にチェックしようみたいな、すごい感覚ってあると思うんですけど、全然こう捉え方が、変わってきてるんだなっていうのを、すごい感じましたねこれを聞いて。ていうのがありましたね。

篠原/私達も、そのプランニングとかリサーチ段階。上流の段階からアクセシビリティっていうことを考えてやっていきたいですよね。

小林/そうだと思います。それで関連するともう一つ紹介しておくと、アクセシビリティ上流から考える例でのちょっとヒントになるのかなと思って、自分がいいかなと思ったんですけれど、その個別の上流でアクセシビリティを考える何か一つのプロセスがあるって考えるんじゃなくって、もう要するに、頭の先からお尻まで全部、アクセシビリティを常に考える。特定のプロセスって考えるんじゃなくてプロセス全体を支えるような力だっていうふうにアクセシビリティを捉えるべきだって話を別のセッションでされていて、究極的には障害者の人とか高齢者の人と一緒に働くことがやっぱり大事なんじゃないかみたいなセッションもあったりしましたね。だから、普段から捉えていくってのは、大事なんじゃないかっていうような、議論とかもあったりしましたね。

篠原/特別対応じゃないっていうことですよね。

小林/そうですね。

篠原/アクセシビリティ「対応」みたいな、やらなきゃいけないっていうものじゃなくて、もう前提としてそれはあるべきものみたいな意識で取り組んでいくみたいなところが、重要になってきそうな感じですよね。

小林/そうですね。このセッションでもあったんですけど、配慮っていうのはもともとできてないことをプラスにするから配慮になるのであって、別に最初からその人と一緒に考えれば配慮にならないっていう話をされていて。そうか!そうかもしれないと思って。

篠原/それ、めちゃくちゃいい言葉ですね。

小林/そうですね。だから何か一緒にその人たちのために、とか考えちゃいがちだし、別にそれもいいと思うんですけど、一緒に最初から考えようみたいな、それが大事なんじゃないかっていう話をされてましたね。すごい共感しました自分は。

篠原/Niaちゃんどうですか、今の話聞いて。

Nia/同じ環境にいないとやっぱりなかなかわからないから、なんとなくの予測でしかやっぱり、いない場合だと1人でとか作業してる場合だと。何て言うんですかね。なんとなくでしかできないじゃないですか。けど、やっぱり一緒に障害を持ってる方とやったりすることで、「あ、そういうことがあるんだ」って気づきにも、もちろん繋がると思うので、そういうのってすごい大事だなって私は感じます。

SUGI/予測でやって検討違いのことをやってて、いや違うんですよって言って、修正するってなったらそれこそもう本当の対応ですよねそれ(笑)

篠原/確かに!そうだね。それこそ「対応」になっちゃうよね。(笑)

Nia/対応になる。(笑)

篠原/やっぱり想像してやるんじゃなくて、一緒になってやることで見えてくるっていうものがあるから、それをきちんと見て、やってくっていうことが、きっと必要なんだろうね。

Nia/そうですね。

小林/そうだと思います。アメリカでもまだまだ大事だっていうふうに、すごい90%以上の人たちが障害者の人と一緒に活動するの大事だって答えつつ、まだ半数以上の人はユーザビリティテストできてないんですって。ていう統計もあったりして。

篠原/あ!そうなんだ。

SUGI/そうなんですね、活発なイメージがすごくあった。

小林/これだけ結構意識的なんだけど、まだまだ想像でやっちゃってる部分が大きいみたいな。そういう統計も出ていて、なるほどなっていうのは結構感じましたね。だから普段からやっぱり議論をしていくっていうことが、今後、もっと海外でも増えていくし、僕らもやんなきゃいけないところですよね。

篠原/議論してくっていうのは、必要ですよね。その、やっぱり議論することによって気づく人もいたりするから継続してやっていくっていうことが、広める上ではやっぱり必要なんですよね。

小林/そうですね。もっともっと普段から継続的に話したりとか、一緒に活動していくっていうのは、たぶん今後問われてくるんだろうなっていうのは思いました。

篠原/今回そういうことを、このCybozu Design Podcastで話せたのは、すごく良かったですね。

小林/うん、そうですね。

篠原/ここでも何か一応議論ができたっていうことで。これを聞いてくれた方が、「そうなんだ!」って気付いてくれたら、もっと嬉しいなって思います。

小林/うんうんうん、そうですね。少しずつ、みんなの開発の姿勢とかも変わってきたら、素晴らしいですよね。

篠原/いやー、変えていきましょう!このPodcastを起点に!

小林/そうですね。

篠原/はい、ありがとうございます。

エンディング(20:24)

篠原/さて、早いんですけれども、Cybozu Design Podcastそろそろお別れの時間がやってきました。

Nia/早い!

篠原/あ、そうね。早いね(笑)

Nia/あっという間だった(笑)

篠原/あっという間だった(笑)今回はね、「CSUNレポート2021」ということで、小林さんとSUGIくんをお招きして印象に残ったセッションについて話を聞きました。ありがとうございました。

小林・SUGI/ありがとうございました。

篠原/さっきNiaちゃんから「早い」っていう話があったんですけど、この「CSUNサポート2021」ですが、実は第二弾もあります!

Nia/あ!やった!(笑)

篠原/意外とね、話したいこといっぱいあるなということで、次回もCSUNについて、あと次回はaxe-con(アクスコン)もお話していきたいなと思います。

Nia/楽しみですね。

篠原/ね、楽しみだね。

小林/ぜひぜひ。

篠原/文字起こしのテキストは後日、noteにアップする予定です。ぜひ音声と一緒にお楽しみください。そしてCybozu Design Podcastでは、皆様からのお便りをお待ちしています。ノートの文字起こし記事に、おたよりフォームのリンクがありますので、そこからお送りください。またはTwitterでハッシュタグ、Cybozu Design Podcast。スペルで言うと、C_Y_B_O_Z_U_D_E_S_I_G_N_P_O_D_C_A_S_Tになります。ちょっと長くてすいません。(笑)ハッシュタグつけて呟いていただいてもOKです。

Nia/お願いします!

篠原/お願いします。番組の感想、メンバーへの質問、リクエストお待ちしています。それでは、今日はここで。また〜。

一同/バイバーイ

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