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ビッグボスに聞く!UXリサーチの始め方番外編 #CybozuDesignPodcast

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オープニング(00:00)

篠原/皆さんこんにちは!デザイナーの篠原です。この番組はサイボウズデザイン&リサーチグループのメンバーが日々の活動や取り組みを雑談形式で紹介するコンテンツです。デザイン・リサーチ・アクセシビリティを軸に、サイボウズ デザイン&リサーチグループの今をお届けしつつ、メンバーの人柄やチームの雰囲気をお伝えします。

篠原/今回は「ビッグボスに聞く!UXリサーチの始め方番外編」と題しましてUXリサーチを組織ではじめるためのコツを、サイボウズのビッグボスことマネージャーの柴田に聞いてみようという会です!今回は聞き手として株式会社ココナラの外崎さんと成沢さんにゲストとしてお越しいただいています。イエイ!今日よろしくお願いします。

外崎・成沢・土井/よろしくお願いします!

篠原/Cybozu Design Podcastとしてはなんと3回目の出演になります。本当にありがとうございます!

外崎/ごひいきいただきありがとうございます。本当にズブズブでやらせていただいております。

篠原/(笑)

外崎/今回もちょっと皆さんに聞いていただけるように頑張りたいなって思っております。

篠原/よろしくお願いします。それではさっそく自己紹介お願いします。

外崎/ココナラの外崎と申します。役割としてはそうですね、デザイングループっていう組織で一応責任者をやらせてもらっているのと、普通に普段UI/UX周りのデザイナーとして働かせてもらっております。本日3回目ということで、よろしくお願いします。

篠原/イエーイ!お願いします。

成沢/外崎と同じく、株式会社ココナラでプロダクトデザイナーしております。成沢彩音です。ユーザーさんにとって使いやすいプロダクトを届けるために、リサーチはとても重要だなって日々思っているので、今日柴田さんにお話をお伺いできるのをとても楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。

篠原/イエーイ!よろしくお願いします。今回3回目ということで、ココナラさんにお越しいただいている経緯なんですけれども、昨年Cybozu Design Podcastで最も聴かれたエピソードというのがですね、ココナラさんがゲスト出演してくださった回でして、その報告を年末にね、外崎さんと成沢さんにさせていただいたところ、最近ココナラさんではUXリサーチのニーズが高まっているというお話を伺って、じゃあUXリサーチの始め方についてポッドキャストを収録しちゃいますか?みたいな話の流れになって、今回収録の運びとなったような感じです。

外崎/ありがとうございます。

篠原/本当にありがとうございます。

外崎/今日ガンガンちょっと質問させていただければと思っているので、あの本当にあの弟子の気持ちで参りました。

篠原/お!弟子の気持ちで!弟子入りですね。リサーチャーによくある弟子入り!いやあ、面白い回になりそうですね。で、そうそう、これまたね、タイミングよく昨日柴田さんがポップインサイトのセミナーに登壇して、セミナー名が「メンバーが能力を発揮するUX組織 サイボウズ デザイン&リサーチのビッグボスに聞く」っていうあの名前のセミナーだったんですけど、今日はその延長戦といった感じでセミナーで話したことを元にですね、外崎さんと成沢さんがより深掘りして柴田さんにガンガン質問していくという回になってます!なので、柴田さんは今日はいろんな質問に反射神経で答えるといったような回になっております。

柴田/あの何でも聞いてください。リアル弟子の土井ちゃんも今日はいるので。

篠原/あ、そうですね。あのサイボウズから土井ちゃんが今日は来てくれていて、土井ちゃん簡単に自己紹介お願いできますか?

土井/はい。サイボウズでUXリサーチャーをしている土井と申します。今日はよろしくお願いします。

篠原/よろしくお願いします。柴田さんも簡単に自己紹介よろしくお願いします。

柴田/サイボウズ デザイン&リサーチのマネージャーの柴田です。よろしくお願いします。

篠原/はい、今日はこのメンバーでポッドキャストやっていきたいと思います。

土井/よろしくお願いします。

篠原/じゃあ、もう早速ガンガン外崎さんと成澤さんから質問をいただこうと思うんですけど、ちなみに今日何個ぐらい質問ご用意された感じですか?

外崎/僕、めっちゃ箇条書きにしてるんですよね。そもそも前提みたいなところも、実はまとめさせてもらってて、今、本当に業界のいろんなUXリサーチャーの方にヒアリングさせてもらってるので、ちょっとそれをそのまままとめて持ってきました。

土井/事前準備がすごい!

篠原/すごい!

外崎/なんか前提として、まさにあのさっき篠原さん言っていただいた通りなんですけれども、もともとココナラって、ユーザーの声を聞きながら、そのプロダクトを作っていくっていう風な文化はある程度ずっとあるんですよ。もともとプロダクトオーナーをしている鈴木、弊社のCEOなんですけれども、彼がものづくりに、対して一応そういう風な考え方はずっとやってきていて、で、あのうちってプロデューサーっていう企画のチームもいたりするんですけれども、彼等もユーザーの声を集めるっていう風な行為自体は一応ずっとやってきてはいますと。ただ、なんかその一方で、それって別に意思のあるPMとかデザイナーがもともとやってるから、なんか組織とかそもそもそのUXリサーチっていう風な専門家を入れるとか、その専門スキルを入れる理由ってなんかどこまであるんだっけ?みたいなところはまだ僕もちょっと説明しきれてないなあっていう風に思っていて、僕自身はすごくUXリサーチの可能性というのを感じているんですけれども、じゃあ、あのそこらへん?専門家とか、そういった特殊スキルを入れる理由ってどこら辺にあるんだっていうのを全体的にはお聞きしたいなあっていう風に思っております。で、なんか僕、ガンガン質問しちゃっていいですか?

篠原/もう全然大丈夫です!もうここからはむしろお任せする感じで。

柴田/その質問にもう答えちゃっていいんですか?

若手の育成・マネジメントにはマンダラチャートがオススメ(05:42)

外崎/昨日のポップインサイトのイベント拝聴させていただいたんですけど、あの大谷翔平選手のマンダラチャートすごくささりました。僕は。(笑)

柴田/あれ、若手向けにちょうどいいですよ。

外崎/全然UXリサーチがいきなり違うところからしてるんですけど(笑)ささったポイントは一番あれいいなあって思ってて、うちもマネジメントとして使おうって言う風に思いました。何かなるちゃん、ささったポイントというか、良かったなって思ったポイントはありますか?柴田先生のご講演。

成沢/そうですね、同じくマンダラのところが結構気になってて、自分の言葉で次の具体的な行動がとなりあっていて、視覚化できるっていうのは次何をしたらいいのかがハッキリ見えてすごくいいなぁっていうのと、あとは1年目、2年目、3年目の長期的な自分のキャリアプラン描きやすいなーっていうのはとてもいいな、まねっこしたいなって思いました。

柴田/あれは本当に1年、2年、3年ってこう決めてやるのが良くて、実はあれはですね、若手あるいは中途で来た人って全部やろうとすることがあったりするので、それは待てと。それは2年目でいいでしょうみたいな言うのにも使えます。まず1年目にこの部分の足腰を鍛えるという話はあれを使っていい感じにできているかなと思います。

外崎/昨日はすごく一マネージャーとして、すごく参考になった会でした。

成沢/マネジメントのお話とリサーチのお話とても面白かったです。

スピード感を持ってリサーチに取り組むための工夫(07:10)

外崎/ちょっとあのマネジメント話しちゃったんですけど、僕がちょっと将来的にやりたい事としては、そのUXの戦略としてかつ組織として、ユーザーの声というのを体系的に集めてインサイトを得るっていうのを効果的にかつより効率的にやっていきたいという風に思っています。
で、特に気になっていることとしては、まさに事業成長僕らすごく今からして行きたいねっていうところで、スピード感ってめちゃめちゃ求められるかなっていうふうに思ってます。
で、一概にそのUXリサーチのフェーズを入れちゃうとスピード感って、もしかしたら落ちちゃうんじゃないかっていう風な懸念点はやっぱりあるなあっていう風に思っていて、まさに柴田さんの話で、あのアジャイル開発の中でいかにサッとやるか、スピード感が大事だよねっていう風にサイボウズさんもおっしゃってたんで、なんかちょっとそこら辺のところをより具体的にお聞きしたいなあっていうふうにあの思っております。実際にどういうふうにやってるの?とか、スピード感を高める中で工夫しているところとかもしあったらご教授いただきたいです。

柴田/まずあれですね。省けるところは無駄を省くというか、例えばまずやったのはレポートを書くのをやめました。レポートに時間かける必要ないので、もう実際にUTしながら、それを見ながらみんなで決めればいいじゃん。それでだいぶ省けました。あとはプランニングのところもですね、何やりたいかをサッと決めてサッとやろうよと。そこが明確じゃないとそれを決めるために一週間ぐらい使っちゃうので、それもったいないでしょうと。

外崎/そうですよね。レポート省くってかなり画期的だなって思ったんですけど、一方でその費用対効果を図るのってどういうふうにやられてるのかなと思って。まさにそのレポートの部分って言っちゃうと、なんかUXリサーチこうやりましたよねっていう風なエビデンスというか、になってるのかなと思ったんで、なんかそこらへんを省く事のメリットデメリットとか、むしろそういうエビデンスを省くことによるコミュニケーションの仕方みたいなのがあったらちょっと教えていただきたいなと思います。

柴田/そうですね。まあ、レポートに重きを置くのって、だいたいリサーチ会社なんですね。リサーチ会社だけレポートの部分でだいたい数10万円稼いでいるので、だけど僕らってその分は重要ではなくて、UTをPMとかエンジニアと一緒に見て、そこで次何をするかをすぐに決める。こっちの方が絶対重要なので、その部分にいかにこのフォーカスするじゃないですかね。

リサーチの座組みと進め方(09:43)

外崎/なんかそのリサーチの座組みってどういう風になってるんですか?プロデューサーという企画側がいて、デザイナーが居るっていう形なのか、それともデザイナーがリードしているのか?リサーチャーがリードしてるのかでいうと、なんかそこら辺っていかがですか?

柴田/一般的にPMがやりたいことがあって、バックログを作っていて、「この辺ユーザーどうなんだろう?」と思ったときに、じゃあリサーチャー、あるいはデザイナーと一緒にサッとそれを解決しようと、そういう流れですね。それが一般的ですね。

外崎/ちなみに、これプロジェクトの規模にもよると思うんですけど、だいたいこのぐらいのプロジェクトの規模だと、リサーチにこのぐらいかけてますって何かあったりしますか?ちょっと参考にしたいなと思って。

柴田/それは人数的に?費用的に?時間的に?

外崎/プロジェクトのなんかそうですね、費用もそうですし、期間もそうだし、リソース全体っていうふうな感じですかね。大規模プロジェクト、中規模プロジェクト、小規模プロジェクトあると思うんです。例えば1週間ぐらいのプロジェクトだったら大体どのぐらいかかるのかなみたいな。

柴田/そうですね特には意識してないです。リソース的には、だいたい一般的に言われてるのはデザイナー10人にリサーチャー1人ぐらい、そんなイメージでいて。なのでうちらは今、チーム22、3いてリサーチャー5人ですけど、まあ、かなりリサーチあの人数多いのかなと。

外崎/うん、なるほど。ちなみにサイボウズさんって何プロジェクトぐらい走ってるんでしたっけ?同列で。それも事業によると思うんですけど。

柴田/基本製品の数ですね。kintone、Garoon、Office、Mailwise。基本的4つ。プラス将来的なもの。

外崎/ああ、なるほど。20人いるデザイナーさんがそれぞれ均等ぐらいに配分されてるんですか?五人ずつぐらい?

柴田/その製品の比重によって違うって感じ。

外崎/ああ、なるほど、なるほど。

柴田/4人のところもあれば、2人のところもあればって感じですね。

外崎/そこにつき、だいたいUXリサーチャーが、1人ついてるような感じなんです?

柴田/今1人つけようとしてます。

外崎/ああ、なるほど。なるほど。

柴田/どちらかというとリサーチャーはセンター、支援側にいて、必要があればそこにすぐに入って行くみたいな感じでしたね。

外崎/なるほど、なるほど。

柴田/もうちょっと密着するには、チームに入った方がいいので、今どんどんチームに入れていっている最中って感じ。

外崎/なるほど。なんか他の会社だと、割とそのUXリサーチはもう週に一回必ずありますで、そこに対して検証したいことを各チームが持ってきて、回してますっていう風な会社がいくつかあったんですけど、なんかサイボウズさんそういう風な定期的な仕組みとかで会ったりするんですか?

柴田/いや、それも一つの手だと思いますよ。2年前かな?まあ、そうやってましたね。

外崎/へー。

柴田/いや3年前だ。コロナ前だから3年前ぐらいです。

外崎/ということは、やめられたんですか?そういった定期的な取り組み、仕組み。

柴田/それがいいのは会社内にリサーチを定着させるには丁度良い。あとメンバー内にこういうのはリサーチですよっていうのを知らせるにはちょうどいいです。だけど、だんだんやってると形式的になりがちなので、ある程度のところで、まあちょうど良いタイミングで、もうちょっと深くやろうよみたいな。

リサーチの価値をどのように証明するか(13:15)

外崎/うん、なるほど。僕らで言うと、事業的にいかにUXリサーチとかリサーチに対して価値提供できるんだっけっていうところを、やっぱりどういう風に証明して行くのが良いのかなっていう風に思ってて、なんかそこら辺でちょっとざっくばらんに話したいんですけど、あの皆さんで。

柴田/まあ一つはですね、いかにその製品に反映されるかですよね、結果が。今まで言ってきたのは、だいたいリサーチ1個やった時に10ファインディングスありますと。10個見つけました。で、そのうちの3つバックログに入って一つ製品に反映されたらもう十分です。

外崎/なるほど。

柴田/3割バッターでも本当に十分って感じ。

外崎/それはもう製品への反映された数とかで結構割と一旦は見るよねっていう風な感じなんですかね。

柴田/それが一番わかりやすいですね。でも若手とかってね、なかなか3割なんて行かないので、100個やって1個2個とかっていうのも良くあるので、そうするとモチベーションがちょっと下がってきたりとか。

外崎/そこはもう当然力量によるんですか?

柴田/そうですね。やっぱね、見る観察眼が全然違うんですよ。プロと新人とでは。しかも製品のこと知ってると見通しが違うので、これは製品化できるとかね、改善かつユーザーインパクトも高いやつが世に出せるっていうのが見えると、サッとこうスムーズに出るんですけど、そうじゃないと、もうこれはもう使いずらそうだから改善するとかって言ったけど、もうエンジニアコストが高すぎて、しかもこれ出したからって何か意味あるの?とか営業から言われて、すごいめげるっていう。まあそれは新人の壁ですね。

外崎/まあ、デザイナーあるあるですよね割とね。あの費用対効果を合わせられないというか。

土井/結構サイボウズのUXリサーチャーの方で、やっぱり開発を共にするPMの方だとか、デザイナーさんがどういう意思決定をするのに困ってるか、その材料をするのにどういうデザインがいいだろうっていう判断にちょっと悩まれている時にその決定材料となるようなリサーチができないかって?そういう視点を常に探しているともおっしゃってましたね。

篠原/判断スピードを速めるみたいなのは1個リサーチの提供できる価値としてありますよね。

外崎/プロジェクト全体の進行が早まるって事ですよね。なるほどです。

リサーチを社内で始めるために取り組んだこと(16:00)

外崎/ちなみにそれってUXリサーチを始めようっていう風になった後じゃないですか。あのそもそも0の状態で始めますっていう風になった時って、なんかどういう風に始められて、会社どういう風に説得したのかなっていうのをちょっともしあったらお聞きしたいです。

柴田/まあ、僕は本当に最初に来たときは外部講師を呼んでで社員当時は60人ぐらいですかね?集めて、まずは勉強会しましたね。

外崎/なるほど、なるほど

柴田/その後は今度ワークショップを開いて、みんなで新しいアイデアを考えて形にするみたいなワークショップ。社員が、「あ、リサーチってこういうやつなんだ」っていうのを分かってもらう。まあ、そういう会を何回か開きました。

外崎/なるほど。それはもう会社にとってUXリサーチってこのくらい有用なんだよとか、まあそういった肌感みたいなのを知ってもらうためにっていう風な感じなんですかね。

柴田/そうですね。プラスなんかデザインチームなんか変わったなみたいな、今まで違うじゃんみたいなそういう雰囲気出そうかなと。

外崎/そこに意思決定者というか、決済者みたいなのはいらっしゃったんです?

柴田/基本開発本部長はそういうところ、あの部長クラスは必ず来てもらってます。そういったその人がいないと意味がない。

外崎/そうですよね、そうですよね。決済者の方も当然巻き込みつつっていう風な感じなんですよね。なるほどです。いや、ちょっとまだまだ聞きたいことあるんですけど、僕ばっかしゃべってるなと思ったんで、なるちゃん、どう?

デザイナーもリサーチスキルを持っていた方が良い?(17:20)

成沢/そうですね。なんかメンバーからしてみると、冒頭でもちょっと聞いてたんですけども、UIデザイナーがこのUXリサーチの技術を身につけるべきなのか、UIデザイナーが何でもかんでもスキルを、何て言うんだろう、やれるべき、これからのUIデザイナーはリサーチもできて、まあPM的なプロジェクトマネジメントも出来てというふうにこう伸ばしていくべきなのか、みたいなところはどの程度身につけておくべきなのかなっていうのは知りたいなと思ってました。

柴田/僕らはもう若手のデザイナーにはリサーチのやり方を教えてます。で、これから今、土井ちゃんがUXリサーチ勉強会を、この前1回目やったけど、それを繰り返しながらデザイナーにちゃんとリサーチができるようになって欲しくて、教えてます。

外崎/僕らも参加してもいいですか?勉強会。

柴田/そのうち土井ちゃんの勉強会がオープンになるので、その時に。

外崎/めちゃめちゃ楽しみにしてます。あのそのうちと言わず、何ならちょっと今月中に一回弊社で。

土井/私の勉強会もあの本当に結構簡単なところからキーワードで、例えばユーザーさんの声を聞こうヒアリングしてみようっていう簡単なシンプルなワードから始めていて、なので、それこそお客様のあのカスタマーサポートとか、ああいう問い合わせ窓口を担当してくださっている社員さんにも参加いただいたりっていう、あんまり開発だけですっていうようにせずに、「お客さんのことを知りたい方どうぞ」っていうような勉強会を開催することで、そのお客さんの声を聞く、結局はそれがUXリサーチだと私は思ってるんですけど、それの良さとか、壁、ハードルみたいなを低くすることで、メリットだとかトライしやすさというのを伝えればいいなと思ってやってます。

外崎/うちもまさにCS大部隊がいるんですけれども、まあ、あの彼ら彼女らは課題感お客さん、直に触れてるんで、あのたくさん持っていて、ただ一方で、まだまだ連携をしきれてない部分というのはまさにあるので、そういった方法だったりとか、やり方をぜひ教えていただけると嬉しいですね。

柴田/確かにCSの人たちにささってたねこの前の勉強会。

土井/そうですね、「ヒアリングの終了後に本音は出る」とかいう所ですね。ささってましたね。

外崎/なるほどね。(笑)

土井/固い形式的なリサーチだと、その先ほども柴田さん言われたみたいに時間がやっぱりかかっちゃうし、お互いハードルが上がっちゃうと。じゃなくて、ちょっとお時間あった時に「ちょっとお伺いしていいですか?」っていうのも、あの私からしたらリサーチだと思ってるんで、なんかそういう習慣とか文化があの自然とちょっとずつ入り込んで行けばなにかこう根付くのかなあって思ったりしてます。

外崎/なるほどね、なるほど。

成沢/なるほど。じゃあ、UXリサーチはこうリサーチャーの得意な技能として閉じられたものではなく、なんかみんなが社内のいろんな職種ができる文化作りっていうのが大事なのかなという感じですかね。

土井/本当にそうだと思います。お客さんの声を製品開発に活かすそのルートをつくってあげるのがリサーチャーの仕事かなとも結構思ってます。

成沢/なるほどですね。ありがとうございます。

柴田/あと、デザイナーももうA案B案が浮かんで迷っていたら、もうすぐにそこら辺に居る人10人に聞けばもう結果が見えてくるので、それを気楽にできるようにするっていうのはとても大事かなと思います。

外崎/まさに全デザイナーに僕も伝えてて、「ちょっと聞いてきなよ何人かに」っていうの必ず伝えるようにしてますね。ユーザビリティテストとかだったら、まさに一発で分かったりするので、本当に簡易的にやって進めるのも1個方法ですね。

柴田/その時にちょっとしたTipsがあるので、まあそういう部分を今、土井ちゃんがやさしく教えてくれる。

土井/優しく、おもしろく、おもしろおかしく。(笑)あの入社されて、王子さんって何年目でしたっけ?

柴田/今4年目かな?

土井/4年目ですかね、の方もデザイナーさんなんですけど、自分でそれこそオンラインUTとかでされてますね。

柴田/今4年目、5年目のデザイナーはみんなでリサーチができるように仕込んであるので。

ユーザーの声を聞くな!ユーザーの本音を見つけるのがリサーチャー(21:51)

外崎/これも僕ぜひお聞きしたいなと思ったんですけど、一見そのユーザーの声を聞いて製品に反映するってなんかすごく良く聞こえると思うんですけど、なんか場合によっては割となんだろうな、ユーザーの声も恣意的に扱うっていう風なケースも、もしかしたら発生しちゃうのかなっていう風に思ってて、なんかそこら辺において、より客観的な感じで、データをよりインサイトに反映して行くというか、なんかそういう風なやり方がもしあったらとか、気を付けてることがあったら、ぜひお聞かせ願いたいなあっていう風に。いかがですか?

柴田/僕が必ずリサーチャーやデザイナーに言うのは、「ユーザーの声を聞くな」って言ってますよ。ユーザーの声を聞くっていうのは、本当に作られた表面的な部分だけにとらわれすぎて本音ではないんです。だいたいユーザーはですね、本音は言わないんですよ。その部分を見つけられるのがリサーチャーであって、その見つけた方をちゃんとデザイナーに教えてあげるというのも一つのリサーチャーの役割。

篠原/ユーザーの言ってることじゃなくて、行動を見て判断しようみたいなこと言ったりしますよね。

柴田/うん、そうですね。必ず観察して、そこからちゃんと自分に気づけ。声をみんな取り入れすぎると、訳のわかんないどうでもいい製品になってしまうので。そういうデザイナーになっちゃダメだよって話はしていますね。

外崎/とてもいい話ですね。あのちゃんと分析するまでがっていうことですね。

柴田/そうですね。実はね、あのその先に何か実は言いたいことがあったりとか、問題が隠れていたりするので。

リサーチャーに必要な素養とは?(23:25)

外崎/なるほど、UXリサーチャーにおけるそういった素養みたいなのってあるんですか?あの皆さん、あの何人も採用されていると思うんですけど、なんかここだけは絶対見てるみたいなポイントってあったりされるんですか?

柴田/何ですかね?まあでも基本あれですね、人の観察が好きだとかという所は見てますね。まあ、デザイナーにしても、ちゃんと自分の作品に酔いしれず、なぜそれが良いかをちゃんと調べるクセがあるみたいな習慣があるみたいなそういう人は採用してます。

外崎/土井さんはあるんです?あのリサーチする上で、必ずこれは心がけてるみたいな価値観とかポイントみたいなとこあったら是非教えて頂きたい。

土井/興味を持つですかね。その事実に興味を持って、何でそれが起こったんだろうとかいうのを興味を持っていろいろ眺めるっていうこと言ってますかね。はい。

外崎/それってなぜそういう風に思われたのかとか、経緯とか背景があったらぜひお聞かせ願いたいなと思うんですけど、どうですか?

土井/子供の頃から母親にスーパーで買い物行った時に、やっぱりあの前のお客さんの行動を見るのが元々好きで、なんかそういう性格だったんでしょうね。あと好奇心。なんでもやってみたらなんでだろう?って思ったのが、そのまま大人になった感じですかね。

柴田/確かにあれだね、相手の言ったことをそのまま信じない人の方が良いかもしれない。

外崎/ちょっとあまのじゃくというかね。(笑)

土井/その裏をね。でもやっぱり言葉で出てくることよりも、本当にずっと見てたら、後ろに目線そらすだとか、なんかちょっとした違う要素が見え隠れするのが、なんか「おっ!」みたいな。

成沢/探偵みたいですね。(笑)

土井/ですね。

外崎/ちなみにUXリサーチはもともとそういった素養が強いのか、それとも後天的にスキルとして学べるのかというと、ぶっちゃけどちらなんですか?

柴田/多分、デザイナーに必要なリサーチ要素って普通に学べます。簡単に。そんなに奥深く心理学的なものは必要ないので、ちょっとしたやり方であったりとか、変に堅苦しく考えないとか、むしろそっちの方が大事。

リサーチの学び方・自主練方法(25:54)

外崎/なるほど。なんか具体的な学びのプロセスってあったりされるんですかね?

柴田/学びのプロセス?

外崎/なんかこの本読んどけとか、なんかこういうふうなインタビューを重ねるとか、なんかそういう風なのがあったら、ぜひ僕らも真似しやすいなーっていう風に思って。

柴田/まず最初にやったのはですね、樽本さんの道具箱ですかね。

成沢/名著ですよね。有名な。

柴田/あれをサッとこう、以前樽本さんに来てもらって、本の内容をワークショップ形式で教えてもらいました。それもう5、6年前ですけど。それのもうちょっとおもしろおかしい版を今、土井ちゃんがこれからやろうとしているところ。

土井/そうですね。あとはなんですかね。その本で知った内容を実際にアクションでやってみるって言うところで、例えばヒアリングしてみようって、あのもうとにかく本当にチームメンバーとかこの5人の中でもいいんですけど、じゃあ、例えば今日はどんなお昼食べましたか?例えば、なんでそのお昼にしたんですか?っていうような、もうそんな他愛のないテーマでもいいんで、話してみる。それこそ、その聞き出してみるっていうのをやってみると以外に難しかったりするんですよ。なんで身の回りの人でやってみるっていうのも、あのちょっとスキルを磨くっていう意味、センスを磨くっていう意味ではいいかもしれないですね。

外崎/なるほどです。ありがとうございます。

柴田/あとは回数をこなす。100人をちゃんとモデレートできたら、だいたい慣れるので、まずは100人ですね。

外崎/やっぱり場数も大事と言うことですね。

柴田/それをですね、あんまり気合入れすぎて100人目指すとだいたい途中で心が折れるので、いかに簡単に簡単にテンポよくやるかって感じじゃないですか。

土井/あと自主練で言うなら、私よくあの独身時代、吉野家さんに行ってたんですけど、吉野家でご飯食べてる間に何を改善したらこのオペレーションは良くなるのかっていうのを考えながら、よく食べてました。

成沢/面白い。(笑)

土井/吉野家大好きなんですよ。素晴らしいんですよ、やっぱりマニュアルとかが。二人スタッフいたらどの人がレジと接客担当、どの人が決まってるのにちょっとイレギュラーなことが起こったりすると、ちょっと慌てるみたいな。そういうのも自主練でいいかもしれないです。

柴田/しかも最近あれだね、コンビニにしてもスーパーにしてもセルフレジが増えてるじゃないですか、あそこで戸惑ってる人が多いので、あの辺自主練にちょうどいい。

外崎/へー。なるほどね。

成沢/エスノグラフィーみたいな。

柴田/典型的なのは、コンビニのコーヒーのあれでしょ?ボタン類でしょ。

成沢/セブンの。(笑)

柴田/すごい張り紙がしているやつ。(笑)なんであの張り紙が必要なのかを分析するのはいい自主練になります。

外崎/温かい、冷たい、大きい、小さいって書いてありますよね。ラージとかスモールとか。

柴田/「蓋を開けずに注いだ場合もお金を頂きます」特にアイスで蓋開けない人がいるんだなってのがわかるじゃないですか。(笑)

土井/いや私、初めてこの前買いましたけど、手ベショベショになりましたもん。

柴田/なぜ。(笑)

土井/コップを置く位置がしくじったったのと、ちょっとコップを取り出すのが早かったようで、ジャッて自分の手に最後の最後のコーヒーがかけられちゃいましたね。

外崎/いや、面白いですね、あの日頃から導線観察をしているっていうことですよね。

土井/セルフレジとかだったら、おばあちゃんとかがね、困ってはったら「大丈夫ですか?」とか声かけたら、「いや、もう小銭が入らなくて」みたいな。「それ、おばあちゃんお釣り出るとこです。」みたいな。なんかそれも、なんで困らはったのかが、「あの、大丈夫ですか?」って声かけるので結構分かったりするんで。

外崎/日々観察なんですね。

土井/そう。あの小銭入れのところに千円札一生懸命つっこもうとしてはったりするんで。

柴田/これは昔、大学院生の頃ですね、電車の切符を買うところを後ろから観察して、その論文を書いていましたね。そういえば。その論文書く子を手伝ったという。

土井/その論文読みたい。(笑)

柴田/どっかに上がっているはず。

外崎/なんか最近ちょっと見た映画があって。まさに皆さんみたいなことやられていたんですけど、ファウンダーっていうマックを大きくした人の話なんですよ。起業家というかの話で、彼がやった事って今作ってるハンバーガー作りのやり方も動線設計を改善したっていう風なのがやり方としてあって、いかにその効率的にハンバーガーを作るかっていう風なのが描写としてあったんで、ああまさにそういったプロダクト作りもそうだし、それで事業作りみたいな所にも観察して、何かを得て改善していくっていう風なプロセスで大事だよなーっていうのをみなさんの話を聞いてて、まさに色々共通点があるなって思いましたね。

土井/さらにUXの構図で言うなら、その店員さんをいかに笑顔で「ありがとうございました!」って言わせるにはどうしたらいいかっていうところでね、ちょっと先を言うと。

外崎/ぜひ皆さんに見て欲しいですね。UXリサーチャーとして多分共感できる部分も、もしかしたらあるかもしれないです。

土井/面白い映画ですね。

外崎/面白いですよ。かなりおすすめです。

柴田/僕は最近被災地に行っていろいろ支援している時もですね、基本的には観察をして、そこをいかにスムーズにするかっていうのを繰り返しですね。ボランティアセンターの受付であったり、そこからの導線であったりとか、それそれをパニックの中でいかに素早く次にこうやるかっていうのは、今までの経験を活かしてやってるっていう感じですね。結構ね、デザイナーもリサーチャーも被災地に行くと本当に良い修業になります。修行っていうかね、何もできずに終わってしまうので、だいたいの人は。なのでとても悔しい思いをして帰ると思うんですけど、なんかそれを繰り返すと、とても自分が鍛えられるかな。なのでいつか土井ちゃんもぜひ。現場に。

土井/はい。全てが計画、下準備とかできないですもんね。

柴田/基本はね。その場で作らなくちゃいけないんで。

成沢/予測不可能なところで少ないリソースの中で、なんとかするっていう事の連続なんですね。

柴田/そうなんですよ。しかも現地に職員さんのレベル、リテラシーも見ながら、じゃあ何やればいいか。

成沢/オペレーションも一緒に考える。

柴田/そうなんですよ。すごい難しいのを作ってもできないし。

土井/一瞬で共感してもらわないとダメですもんね、その仕組みに。

柴田/そうね。その製品作りに結構ね、共通するところがあります。

外崎/なかなかいい話になってきたんじゃないですか?

柴田/また、あのランキング1位を目指すんじゃないですか?(笑)

土井/私も今それ言いかけましたけど、ちょっと私には恐れ多くて言えない。(笑)

外崎/すみません、それ意識し始めると、なんかね。(笑)

エンディング(32:59)

篠原/どうですか?外崎さんと成沢さんは聞きたいことって全部聞けた感じですか?

外崎/いや、まだ僕はあれ…。

篠原/めちゃくちゃある?!なるほど、なるほど。(笑)そう実はちょっとさよならのお時間になりつつありまして。

柴田/また延長戦じゃないですか?

篠原/延長戦やりますか?ええやけど、なんかすごい私今回も成澤さんとと野崎さんにガンガンご質問してもらうみたいな感じだったんですけど、あの普通にリスナーとして聴いちゃってたんですけど、すごく面白いなと思って聞いていて、続きもうちょっと聞きたいなと思うので、2回戦はぜひやりたいなと思いますので、よろしくお願いします。

外崎・成沢・土井/よろしくお願いします。

篠原/ありがとうございます。はい、ということで、そろそろお別れの時間がやってきちゃいました。今回は「ビッグボスに聞く!UXリサーチの始め方番外編」と言うことで、ゲストに株式会社ココナラの外崎さん、成沢さんをお迎えしてお届けしました。ありがとうございました。

外崎・土井・柴田・成沢/ありがとうございました。

篠原/文字起こしのテキストは、後日noteにアップする予定です。ぜひ音声と一緒にお楽しみください。そして、サイボウズデザインpodcastでは皆さまからのお便りをお待ちしています。今日のこの収録を聞いて、追加で柴田さんにこういう質問をしたいとかあったら、ぜひあのお便りください。お便りフォームのリンクがポッドキャストの説明欄ノートの文字起こし記事にありますので、ぜひそこからお送りください。またはTwitterで#CybozuDesignPodcastをつけてつぶやいていただいてもOKです。ハッシュタグのスペルはC_Y_B_O_Z_U_D_E_S_I_G_N_P_O_D_C_A_S_Tになります。番組の感想、メンバーへの質問、リクエストお待ちしております。それではまた~。さようなら〜。

土井・成沢/さようなら〜。

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