あとがき【カタバミ】



"あとがき"ではtwitter #デジコラム に投稿した私の作品を紹介/解説していきます。作品を読んでいない方は上の画像をクリック/タップすれば読めます。あとがきから先に読んでも構いません。これらの作品はそのほとんどが、とある大学の授業で生まれたものです。その授業では、提示されたお題から発想を広げてA4用紙1枚の分量で創作するというルールさえ守れば何をしてもよかったので、詩や散文を書きました。
以下、あとがき。

【カタバミ】
お題:「ハンカチ」
この話の元ネタになった場所は渋谷のジュンク堂です。圧倒的な広さの本屋ですが今月末には閉店するそうで。最後に行ったときはハンドドライヤーは解禁されてたかな、覚えてないです。一人暮らしを始めたばかりのときは何も用がないのに外をふらついたり、家にいる時間が惜しく感じました。お金もないし服にも興味がなかったのでよく渋谷のジュンク堂に行って本棚を眺めていました。
主人公は使えなくなったハンドドライヤー、濡れた手、シャツの染み、売り場のハンカチを辿って、かつて使わなかった自分のハンカチを思い出しました。大人になってから実感した母の愛と親元を離れた寂しさは親孝行のトリガーとしては十分でした。"真木柱~"の和歌は故郷の母を思う防人の歌ですが、主人公は和歌の意味を理解して恥ずかしくなったのでしょうか。それとも「意味わからんから別のにしよう」とか「母って書いてあるのなんとなく親孝行っぽくてダサいから」とか考えたのでしょうか。タイトルがカタバミなので、きっと最後に選んだハンカチの花の柄はカタバミだった。主人公は母の好きな花を覚えていたが、カタバミの花言葉(母の優しさ)を知っていたかどうかは書かれていない。母は、そのハンカチをもったいなくて使えないかもしれない。互いに使われないハンカチで絆が意識されている、という家族愛がテーマでした。


追記:1/8

オモチャンが描いてくれたカタバミです🌸(https://note.com/maruchi0630)


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