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外国人技能実習生制度と一般社団法人日本ミャンマー協会 <session22一部書き起こし>

先日11月19日のTBSラジオ『荻上チキ Session-22』の特集は外国人技能実習生制度をめぐって悪質ブローカーが暗躍しているというものでした。ゲストは『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社)等の著書があるジャーナリストの出井康博さん。番組の終わりになかなか衝撃的というか重要な発言が飛び出したなということで、以下、その部分を書き起こしてみます。

出井康博さん:これだけね、多くの人が批判して、もう10年ですよ。10年批判しているのになぜこれ変わらないのか、この制度が変わらないのか。朝日新聞から産経新聞まで右も左も全部批判しているのになぜ変わらないのか。荻上さんのような影響力のある方もこれだけ頑張っているのになぜ変わらないのかっていうところを考える必要がある。
それは何かっていうと政治の利権ですよ。ひとことで言って。元々この実習制度、かつての研修制度ですけども、中国からの受け入れは社会党。それ以外のアジアは自民党系。要はその管理団体の後ろに政治家がいるんですよね。落選した政治家が管理団体をやっていたりだとか、辞めた人が管理団体の顧問をやっていたりとか、そういうパターンがあるんですよね。で結局これ政治の利権になっていると。
これ今日リスナーの方でご興味ある方は、『一般社団法人日本ミャンマー協会』というのを検索して頂きたいんですけども、ここはですね、ミャンマーの実習生って今ものすごい増えているんですよね。去年で6000人です。5年前は200~300人だったのに6000人になっている。で、ミャンマーからの実習生を受け入れようとすると日本ミャンマー協会って通さないと駄目なんですよ。管理団体が会員になって、何万円か払ってですね。ひとり実習生を受け入れるのにまた1万だとか2万を払うんですね。
ここ最高顧問は麻生太郎さんですよ。で理事の方はこれ名前は言いませんけど立憲民主党の方、公明党の方、自民党の方、大物政治家が並んでいますよ。副会長は大手商社トップ3名。理事には大蔵、今は財務省ですけども、通産、今の産業経済省ですけども、次官経験者、ミャンマー大使。オールジャパンですよ。
荻上チキさん:役員名簿すごいですね。名誉会長が中曽根さんですよ。
出井康博さん:こういう構図があるんですよ。こういうところから、別に麻生さんがね、まあ取ってるとは思いませんよ。ただこういう後ろに政治家の影があるから今いくら国会で野党がやっても変わんないんですよね。
(中略)
出井康博さん:ブラック企業問題じゃないです、これ。なぜこんなに実習生の給料が安いのかっていうのは、いろんな人がピンハネしてるんです。政治家も官僚もタカっているんですよね。

 番組はこちらの公式HPで音声配信されています。
 https://www.tbsradio.jp/315268


早速、一般社団法人日本ミャンマー協会を検索してみました。
http://japanmyanmar.or.jp/

こちらが役員名簿です。
http://japanmyanmar.or.jp/yakuin.html
出井さんが番組内でおっしゃっていた理事がずらーっと並んでいます。これは確かにそうそうたる政治家や企業役員の名前が並んでいますね。立民まで名を連ねているとは…。

”技能実習生”のページには、「ミャンマー人技能実習生の失踪防止、健全な送出し・受入が行われるよう最善の努力を行って参ります」という文言がありますが、なんとも寒々しく響いています。

今回の入管難民法改正案は左右問わず批判が多く、安倍さんの支持層からの評判も良くないということですが、経済界からの「人手不足」に対応するようにとの要望なのでしょうか。今国会会期末(12月10日)までには可決成立されるのではないかと言われています。
このような拙速な進め方では間違いなく将来にわたって大きな禍根を残すことになってしまいます。

LINK:
荻上チキ Session-22 https://www.tbsradio.jp/ss954/


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