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「お役所仕事」を変える!町田市のDX推進【町田市役所 政策経営部デジタル戦略室 和田氏インタビュー 前編】

町田市デジタル化総合戦略に基づき「お役所仕事」を変えるDXプロジェクトに取り組む東京都町田市役所。今回はこのプロジェクトの中心、町田市 政策経営部デジタル戦略室で日々の取り組みを伺いました。前編のテーマは「町田市のDX推進」です。

プロフィール

カワセミ―ルDX
町田市の鳥、カワセミにちなんで生まれたアバター。YouTubeでの職員採用PR動画をはじめ、オンライン会議でも活躍中。

今回の中の人
東京都町田市役所
政策経営部デジタル戦略室 和田 進吾 氏
担当業務:DX全般と情報セキュリティ

新しい技術はゲームチェンジャーになり得る

― 今回はお時間いただきまして、ありがとうございます。
さっそく失礼ながら、そのお姿(アバター)は一体…?

そうですよね。おじさんが、なぜこのような姿になっているのか疑問に思われたと思います。以前、町田市と東京都市大学で2050年の町田市の姿を考える共同研究を行いました。この研究の中で提唱されたのが「メタバースを活用した行政サービスの提供」です。これをキッカケに町田市ではAI、アバター、メタバースを活用した研究プロジェクトを開始しました。

アバターの名前は「カワセミールDX(デラックス)」です。職員が自前で制作しました。変な名前ですけど、町田市の鳥であるカワセミ、DX(ディーエックス)から取っています。このアバターで職員採用試験PR動画を作ったり、オンライン会議をしたり、ときにはAI音声で資料を読み上げたりもします。AI音声はアナウンサーの様に聞き取りやすいと好評です。最近では有識者会議に参加する学者の皆さんにも、アバターで参加してもらったりしていますね。

― アバターやAIなど、新しい技術を取り入れる目的は何でしょうか?

ひとことでいうと、新しい技術はゲームチェンジャーになり得るからです。例えば、今や一人一台のスマートフォンが当たり前となっていますが、スマートフォンが登場した当時、この状況を想像できたでしょうか。市民の皆さんが今後必要とするものは、今はまだ発展途中の新技術かもしれません。そのため、トレンドをいち早くキャッチすることで、市民向けサービスの向上などの還元ができると考えています。
新しい技術はサービスや生産性、利便性の向上に繋がるので、今後より一層重要になると思います。

目指す姿は“すべてクラウド”

― 手広く取り組まれている印象を受けますが、中長期的な計画はあるのでしょうか。

町田市デジタル化総合戦略でITロードマップのようなものを語っています。その中でも特に、クラウド化を前面に押し出しています。解説動画もあるので、ぜひご覧ください。

― クラウドネイティブを目指しているということですね。
実現に向けさまざまなアプローチがあると思いますが、町田市としてはどのような姿を目指しているのでしょうか。

基盤からアプリまで、すべてクラウド化することを意気込みとしています。マシン室やデータセンターの廃止、ネットワーク自体のクラウド化も視野に入れています。実際、私たちの身の回りではスマートフォンが個別にインターネット接続しており、事実上クラウド化されていますよね。この波が仕事環境にも波及すると考えており、実現すれば場所を問わない働き方が実現できます。

― DX推進による市役所職員や市民からの反応はいかがですか?

職員や市民の声を直接聞く機会はあまりないのですが、市役所内の業績表彰で2022年最優秀賞をいただきました。
町田市はオンライン行政手続きの拡充に力を入れており、利用者から取ったアンケートでは高評価をいただいています。また、他自治体からの講演依頼や新聞、雑誌からのインタビューなど、多くの方に注目いただいている印象です。最近では「宣伝会議」という雑誌からインタビューを受け、AIの利活用、アバターやメタバースへの取り組みを紹介いただきました。

― 和田(カワセミ―ルDX)様、ありがとうございました!
次回はDX推進をする上で欠かせない「セキュリティ」についてお届けします!お楽しみに!

YouTube動画にもご登場いただいています!

【インタビュー】東京都町田市が目指すDXの姿とは…?【コラボ】

ライター:橋本 悠佑