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日本的な本

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私の主観なのですが、日本的な本を集めました。
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「フランダースの犬」をみると号泣してしまうあなたに「サイケデリック・マウンテン」

<SF(14歩目)> 斜陽な日本を根本的に変える登場人物たちから、アップテンポなエキサイ…

読書ノーツ
5か月前
13

短篇集で、どれも読ませてくれる「走馬灯のセトリは考えておいて」

<SF(83歩目)> 売れるSF小説の法則を押さえていて脱帽です。 走馬灯のセトリは考え…

読書ノーツ
2週間前
8

誰もが思い当たる愛にまつわる物語「回樹」

<SF(79歩目)> ちょっと心を突く時間が得られる短篇集で、「愛(love)」を考える。 回…

読書ノーツ
3週間前
11

新しい百合SFの世界「ガーンズバック変換」

<SF(78歩目)> 中国出身で日本在住の陸秋槎さんからの新しいSFの提案を読む。 ガー…

読書ノーツ
4週間前
15

東アジアの伝説にまつわるアンソロジー「七月七日」

<SF(77歩目)> このアンソロジーは、東アジアの文化、伝説にまつわるSFアンソロジー…

読書ノーツ
1か月前
7

キラキラする「愛(love)」のお菓子箱を味わう「この世界からは出ていくけれど」

<SF73歩目> キム・チョヨプさんの短篇集。この作品も読後感は素晴らしかった。とてもい…

読書ノーツ
1か月前
8

日本の植物SF「コルノトピア」

<SF(70歩目)> 環境SFって、今風でいい。植物による演算技術「フロラ」の世界。この世界観はとても興味深い。 コルヌトピア 津久井 五月 (著), 吉田 誠治 (イラスト) 早川書房 「70歩目」は、「69歩目」と同じく「植物SF」です。 でも、テイストはまるで異なります。SF設定の中で、「植物と人類の共生」を考えさせられる作品です。 津久井五月さんは初めてです。 でも「植物」による演算って発想がとてもいい。とても五月さんしか出せない「世界観」だと感じました。以前に

勢いよく読めるSFサスペンス「人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル」

<SF(68歩目)> 近未来SF。かなりギーク風味なエンターテイメントです。 人工知能で1…

読書ノーツ
1か月前
5

2024年が舞台の近未来SF作品「公正的戦闘規範」

<SF(67歩目)> 2017年に7年後の近未来を描いた作品。その後のウクライナでの戦争…

読書ノーツ
1か月前
2

「統計」と「ファーストコンタクト」SF。「統計外事態」

<SF(66歩目)> 読み口はとても軽いSF作品、タイトルの「統計外事態」で数学的なアプ…

読書ノーツ
1か月前
9

新しい「医療」系です「あなたの燃える左手で」

<SF(64歩目)> 「医療」と「文学」の一つの新しい形を楽しむ。 あなたの燃える左手で …

読書ノーツ
1か月前
12

昨年の12月、北海道で赤いオーロラが観測されました「赤いオーロラの街で」

<SF(63歩目)> 北海道の美幌町で「赤いオーロラ」が出たそうです。この原因でもある「…

読書ノーツ
1か月前
7

兵器開発の近未来SFエンターテイメント「富士学校まめたん研究分室」

<SF(61歩目)> 読み口はとても軽いSF作品、でもちょうど時代が追いついている。現代…

読書ノーツ
2か月前
5

千葉県船橋市を舞台にしたSFエンターテイメント「月の落とし子」

<SF(60歩目)> 船橋市の「アド街」になる作品です。土地勘あると、他人事ではなくなります。 月の落とし子 穂波 了 (著) 早川書房 「60歩目」は、船橋住にも、そして千葉県好きにもご地元SF作品として、突いてくる作品でした。 なかなか取材が細かいと感じました。 出だしは、いきなり「星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン」みたいになるのかな?と思ってしまいました。月世界を舞台にした描写がいいです. その後、一気に千葉県船橋市にもっていく。そこでこの作品は、ウイルス