見出し画像

【イベントレポート】DQ活用ウェビナー~デジタルシティズンシップ教育で「主体的で深い学び」を~国本小学校のデジタルシティズンシップ教育実践事例をご紹介

8月23日(月)、サイバーフェリックスは、DQ活用ウェビナー~デジタルシティズンシップ教育で「主体的で深い学び」を~を開催した。

今回のウェビナーは、前半ではサイバーフェリックス 深海氏が、DQ(デジタルインテリジェンス)とDQ Worldについて紹介し、第2部ではグローバル教育に力を入れる東京都国本学園国本小学校の副教頭 齋藤悠真氏が、児童の主体性と関心を核とするデジタルシティズンシップ教育について自校での取り組みを用いて紹介した。

「チャンスとリスク」

まず、デジタル社会における「チャンスとリスク」の説明をしたうえで、ウェビナー参加者に「チャンスとリスク、どちらを取っていますか。」と問いかける深海氏。

「リスクを指導というよりも規制や禁止の方向でリスクを回避しているからこそ、リスクから遠ざかっているが、禁止や規制だと同時にチャンスも失われてしまうので、バランスが非常に重要。」とこれまで日本において行われてきた情報モラル・リテラシー教育の特徴を挙げながら強調する。

さらに「情報モラル、デジタルシティズンシップは、他律的か自律的かが大きな違いになっているが、情報モラル教育が悪いというのではなく、情報モラル教育とデジタルシティズンシップ教育をバランスよく学ばせることが大事」と従来の情報モラル教育との橋渡しについて説明した。

画像1

(リスクの一つとしてフェイクニュースを取り上げ、「情報過多な社会に加えて、SNSで誰しもが情報を発信できる世の中になってきた。情報の真偽を見抜く力は、子どもに限らず大人も身に付けなければいけないスキルである。」という)

情報モラル・リテラシー教育に新しい手段を

次に深海氏は、「すぐにデジタルシティズンシップ教育始められますか?」と問いかける。

画像2

そこで、デジタルシティズンシップ教育を始める際に想定される問題を、DQがどのように解決できるのか、DQの基本概念とともに説明した。

デジタルシティズンシップの8つのスキルを包括的に学ぶことができるオンライン学習プログラムDQ Worldは、これまで可視化されてこなかった児童生徒個人のDQスコアを数値化してみることができるのが特徴の一つである。

画像3

「DQ World」の他に、レポート・ワークブック・指導書が充実しているため、教員の負荷が非常に少なく、迅速にデジタルシティズンシップ教育を取り入れることができる教材パッケージ(DQスクールパッケージ)となっている。また、ネット環境とデバイスがあればどこからでも学習することができ、家庭学習での端末活用の際にも最適な教材である。

サイバーフェリックスは、DQ Worldを家庭学習で学習し、学校では家庭で学んだことをディスカッションでアウトプット色の強い授業を展開することを推奨している。

DQは、教師、生徒、保護者の共通言語となり、データに基づいた指導を実現するための架け橋にもなりうる。保護者とは三者面談時での活用ができ、児童生徒とはデジタルシティズンシップを学んだことでいろんな話ができたと導入している学校から声が届いているそうだ。

ウェビナー前半最後には、キャンペーン期間中無料でDQ Worldを導入することができる実証実験プログラムが紹介された。(概要は本イベントレポートの最後を参照)まずは使ってみないとわからないという人にとってはおすすめである。

どの学校でもできるDQ Worldの取り組み

後半では、東京都国本学園国本小学校 副教頭 齋藤悠真氏が、「どの学校でもできる」DQ Worldの取り組みについて説明した。まずICT教育の取り組みをまとめた動画が紹介された。

画像4

(タブレット学習では「子どもたちの出来るという感覚を大切にしている。」という齋藤氏)

国本小学校の教職員からICT教育において実際に出てきた疑問・質問は、どの学校からも出てくる疑問・質問であると齋藤氏は言う。

その中でも情報モラル教育について齋藤氏は、「従来の情報モラル教育に対して疑問をもち、子どもたちが主体的に学び、自身がどのように活用していけるか考えなければいけない、自ら判断できるよう教育でなければならない」と考えていた。

また国本小学校の「ICT機器を文房具のように使うために、子どもたちのリスクは少なく、ICT教育の可能性(チャンス)は最大限に活かしていこう」という考えの中で、ちょうどサイバーフェリックス・DQ に出会い、サイバーフェリックスのミッションである「リスクを最小化し、チャンスを最大限にする」と合致したという。

画像7

DQを導入するまで

斎藤氏は、まずいきなりDQを取り入れるのではなく、保護者・児童にICT教育の必要性・デジタルシティズンシップ教育の必要性を伝え、そのためにDQが必要だと伝えてきた。

画像6

国本小学校の導入例(5年生)をみると、以下のような手順を踏んでいることがわかる。

・DQ Worldの説明・講演(深海氏に講演してもらう)→ 児童からの質問多数、大盛況。
・翌日、実際にDQ Worldにログインし、2~3日後に学習スタート → 講演後だったせいか、児童のやる気、モチベーションが違った。
・現在は、基本的に朝の時間に学習を進めている。

中間報告で生徒の進捗状況が確認したところ、明らかに学習が進んでいる生徒を発見。話をきいてみると、朝の時間以外に家庭で学習してしまったとの事。「朝の時間に学習するというルールを守っていなかったが、児童にとってはさらに学習したいと思わせるコンテンツだからこそだと思う」と斎藤氏は児童の反応についてこうした事例を交えて紹介した。

画像7

(児童向け講演の様子。多数の質問が出て大盛況であった。)

DQ Worldでの学習のアウトプット事例として、高学年から低学年へタブレットの使い方を教えるとともに、情報モラルを教えることにした際、クラスで話し合った内容が齋藤氏の想像していた内容よりもレベルが高く、児童同士のディスカッションが盛んに行われたそうだ。児童が自分たちで話し合った内容は、そのクラス独自のルールとなった。

「大人でもデジタルシティズンシップ力が足りない。子どもたちに向けて、デジタルネイティブ世代を生き抜く子どもたちにどんなことをやっていかなければいけないのかと考えている。学校にいる間だけの問題ではなく、家庭や塾など、デジタルに関わる時間が多い中で、家庭での考え方を統一することや、個人の全体的なスキルアップ(資料を作れたというスキルも必要だがそれだけはなく)、デジタルシティズンシップ力、モラル的なスキルアップが必要。やって損することではないので、子どもたちのためにこの辺はやっていかなければいけない」と力強い言葉で締めくくった。

質疑応答

「4年生のDQを実施している授業は何ですか?」という質問に対し、
「まだ実施していないが、5年生は総合と道徳を半々に分けてやっている。」と回答があった。

また、深海氏からディスカッション、アウトプットの授業について今後どう実施することができるか触れられ、「ディスカッションということで持っていくならば、国語でもいいのではないか」と主要科目での応用について示唆した。

「DQを取り組んだうえでの児童の変化について」聞かれると、
「理科の授業でずっとタブレットを使用し、写真を撮っておくるというのをやっていて、正直トラブルがあったが、今年度は減った。他教科の先生も児童の変化を感じている」と説明。

さらに情報モラルは、教える先生の価値観次第の部分があるが、このDQ Worldを導入したことで児童はもちろん、教職員にとっても共通認識となり、児童だけでなく教職員にとっても良い影響があったという。

齋藤氏は、「わが校の児童にとって、どの形で学習していくのがいいのか確認するために、さまざまなパターン(学年によって取り組み時期が違う、6年生では中学受験前のスマホを持ち始めるに実2月頃実施予定など)で、DQ Worldを取り入れて確認している」と説明。

国本小学校では、DQ Worldで児童がより主体的に、より深く学べる取り組み方を探している。

出稿:一般社団法人共生と共育ネットワーク 大部 絵美

実証実験プログラムのご案内

2021年6月1日(火)より、GIGAスクール端末持ち帰りを実施、またはキャンペーン期間に実施予定の学校及び教育委員会を対象に、今回の事例紹介でもご活用いただいた「DQ World」を無償貸与する「DQ World実証実験プログラム」を提供しています。

お申込みはこちらのフォームから受け付けております。

すでに、全国の学校や教育委員会様からキャンペーンのご応募を頂いております。是非、DQ World実証実験プログラムの詳細ページも合わせてご覧ください。

※キャンペーンお申し込み期間:2021年6月1日〜2021年12月31日
キャンペーン期間:2021年6月1日〜2022年3月31日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?