探偵社で教わったこと「真実は、ない。」
これは先輩探偵に言われて、印象に残っている言葉です。
とある小さな事件の調査中。先輩の荒い運転で、郊外に車を走らせる道中。
物的証拠はなく、私たちは証言を集めていました。
ある程度証拠を集め終わり、調査は中盤に差し掛かったものの、錯綜する証言内容。
片手でハンドルを操る先輩の横で、私は頭を抱えていました。
(どうしよう、誰かが何かを守りたくて嘘の証言が混ざっている。これじゃ全く辻褄が合わない。)
初手で出来る調査がひと段落したものの、複数の証言が矛盾しており次の打ち手が見え