【ベアルクティ】について
先ほどnoteデビューしました、さいばーです。
早速考えを形に、ということで。今回は新弾の『エンシェント・ガーディアンズ』で登場した【ベアルクティ】デッキについて記したいと思います。まだ登場して日も浅いテーマなので、ぜひ構築の参考になればと思います。
目次
1.【ベアルクティ】の強みと弱み
2.デッキレシピと各採用理由
3.リンクギミック【ハリアロドン】について
4.展開例紹介
1.【ベアルクティ】の強みと弱み
どんなテーマにも、そのテーマの「強み」と「弱み」が存在します。それは今回紹介するテーマのベアルクティでも例外はありません。テーマデッキを組む際は、そのテーマの強みを伸ばし、弱みを薄めるように組むのが定石です。
では、【ベアルクティ】の強みと弱みは何なのでしょうか。まだ発売してから数日しか経っていませんが、暇人が四六時中考えた結果を書いていきます。
まずは強みについて。
強み
1.メインモンスターが特定条件下で強力な手札誘発として機能する
2.Sモンスター《セプテン=トリオン》の性能の高さ
以上二点が僕が感じる強みです。それぞれ解説していきます。
まず1つ目ですが、レベル8ベアルクティメインモンスターには以下の共通効果があります。
①:自分・相手のメインフェイズに、手札からこのカード以外のレベル7以上のモンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はレベルを持つモンスターしか特殊召喚できない。②:自分フィールドに他の「ベアルクティ」モンスターが存在する状態で、このカードが特殊召喚に成功した場合、(相手モンスター1体を裏守備に/相手フィールドの魔法罠1枚破壊/相手の墓地のカード1枚除外)する。
つまりレベル8ベアルクティは「手札にコストが存在し」「場に他のベアルクティが存在する」場合に、それぞれ《月の書》《サイクロン》《D.D.クロウ》と自己特殊召喚能力を持った手札誘発になれます。これは条件を無視すればなかなかに強力です。
そして2つ目《ベアルクティーセプテン=トリオン》の性能についてです。このモンスターには『レベルを持たない効果モンスターの効果を無効化する』効果と、『相手が特殊召喚に成功した場合、デッキから「ベアルクティ」カードをサーチする』効果があります。
前者は一部のデッキを詰ませることができ、そうでなくとも《ハリファイバー》《エレクトラム》等といった展開の要となるモンスターや、《ライトニング》《アーゼウス》といったフィニッシャーを無力化できるのは大きいです。後者はサーチ範囲が広い上、レベル8ベアルクティが手札誘発になっていると考えれば状況に応じて好きなものを持って来ることができるのはなかなかですね。
強みをまとめると、『ベアルクティが特定条件下で強力な手札誘発となり、それらを一部のモンスター効果を無力化しながらサーチできるSモンスターが存在する』ということになります。
弱み
1.手札消費が激しい割に展開力が乏しい
2.事故率が高い
……実はもっと色々ありますが、特に問題と感じるのはこの2つです。
1つ目ですが、ベアルクティメインモンスターはコストを「手札から」使う以上、ものすごい勢いで手札が減っていきます。単純にベアルクティのみでレベル7Sベアルクティを出そうとすると、どう頑張っても3枚の手札を必ず消費します。この手札消費の多さの割に、完成盤面がSモンスター一体になってしまうというのはあまりにも弱いという他ありません。
そして、その手札消費の多さは2つ目の事故率の高さにも繋がっていきます。ベアルクティはコストを手札から要求する他に「レベル7以上」という指定までしてきます。これにより、ベアルクティで展開をするために最上級モンスターを大量に投入することになりますが、それは当然デッキの事故率が高くなるということです。
弱みをまとめると、『不安定なテーマなのに手札消費が激しく、その上完成盤面が弱い』ということになります。
以上を踏まえて、【ベアルクティ】を構築する上での方針を次のように定めました。
・ベアルクティメインモンスターは、基本的に『手札誘発』として機能させ、展開には極力関わらせない
・余った召喚権はなるべくアドバンテージを稼ぐことができ、なおかつ《セプテン=シャリオ》まで繋がるギミックに使う
では、この方針の結果生まれたレシピを紹介したいと思います。
デッキレシピと採用理由
メインデッキ(42枚)
・ベアルクティモンスター各種…星8が3種7枚、星7が1種3枚の計10枚。【ベアルクティ】において、ポラリィをベアルクティ以外で出すギミックを採用しているなら星7はそんなに必要ないためこの枚数。メガタナスが3枚なのは、増Gが通った場合に、ベアルクティを手札誘発として使える可能性があり、その際に使いやすいのが月の書内蔵のメガタナスのため。ミクポーラは星7非チューナーとしての役割と、優秀なベアルクティサーチャーとしての役割がある。
・氷霊神…化け物。出しやすい上に出るだけで2ハンデスしてくれる。腐ったらベアルクティのコストになる点も良い。1枚で十分。
・メガロアビス…メインギミックに【ネプトディーヴァ】を採用しているため、竜騎隊のサーチ先として手札の海皇を処理でき、かつ簡単に出せる星7非チューナーとして採用。フィニッシャーとしての役割もある。3枚積んでもいいが枠の関係もあり2枚。
・ディーヴァ…宇宙製造機。まじで何でもできる。このデッキでは宇宙は生まれないが、ネプトssからポラリィにアクセスでき、かつほぼ確実に2ハンデス&セプテン=トリオンへと繋げることができる。詳しくは後述の展開例にて。当然3枚。
・ネプトアビス…異次元のアドバンテージ獲得能力。出すだけで手札増えるってどういう事?このデッキでは彩宝龍を採用しているため、ネプトnsからでも割と動ける。初動札でもあるため3枚。
・彩宝龍…初手にあると弱すぎるが、採用しないとネプトが初動にならないため1枚。
・竜騎隊…7期のカードのため名称ターン1がついていない。このデッキのアドバンテージ獲得の大役を担う。実際5枚くらい積みたいが、ルール上不可能なので3枚。
・重装兵…主な役割は2体目以降のネプトのサーチ先またはコスト。ディーヴァからssできるためそのまま星7とシンクロして還零トリシュを出す役割もある。基本的に1枚で良いが、その場合ネプトが一回しか使えないことがちらほらあったので2枚。
・誘発枠…うららは3積みたいが、枠の関係とこのデッキの場合、ベアルクティを手札誘発として機能させるためのドローソース、捲りが弱いため相手の展開抑制札、こちらの展開にうららを打たれないようにするためにうららを当ててもらう札など、Gの役割が大きいと判断したためGを3枚採用した。
・ディパーチャー…ベアルクティ最強カード。初手にこれとディーヴァを引くのが上振れになる。余裕があればセプテン=トリオンで持ってきたいカード。
・金謙…不安定なこのデッキの安定性を高めてくれる良カード。狙うのは第一にディーヴァ、次点でネプトやディパーチャー、手札が良ければ墓穴を引き込みたい。
・墓穴…パワーカード。個人的にはあまり好きではない。ただ、ディーヴァに誘発が刺さりすぎるだけでなく、基本的にどの誘発をもらってもゲームが終了しかねないため採用。
・ビックディッパー…ベアルクティを実用的な手札誘発へと昇華してくれる。コントロール奪取効果も意外と使いやすい。しかしなぜかサーチ効果がなく、ポラリィから発動できるため1枚で十分。
・ワンフォーワン…召喚権を残してネプトにアクセスできる強カード。コストの損失はネプトが回収してくれる。
・クィントチャージ…採用を最後まで迷ったカード。候補としてはサルベージがあったが、ベアルクティがミクポーラしか回収できないため不採用とした。これを引けているとセプテン=トリオンでディパーチャーをサーチしやすくなるため採用。1枚。
エクストラデッキ
・還零トリシュ…除去手段が対象を取る破壊に偏っているため、優秀な除去札として採用。出し方はディーヴァ+重装兵+星7。
・星9トリシュ…還零トリシュから出す用。素出しはこのデッキではできない。
・ヴァーミリオン…このデッキでは星9シンクロが作りやすいため、汎用除去札として採用。破壊されてもディーヴァやベアルクティを回収できるのがグッド。
・アーケティス…あまり出さないが、どうしても手札が欲しいときや、アネモネ適用下での除去札として使う。
・セプテン=トリオン…このデッキの核。こいつをいかに損失少なく出し、維持するかが重要。サーチ先は基本的に状況に応じた星8ベアルクティで良い。余裕があればディパーチャーを。
・グラン=シャリオ…フィニッシャー。出すだけで2枚除去は強く感じるが、対象を取る破壊のため除去性能としてはそこまで高くない。しかし場をこじ開ける性能は十分なので十分強い。
・コーラルドラゴン…ネプトnsからはこいつに繋げてポラリィをssする。何気に墓地へ送られた際の1ドローが優秀。
・錻力…2ターン目以降にディーヴァからネプトをssした際の選択肢の一つ。特に重装ns→ディーヴァns→ネプトssとし、こいつを出して墓地から星8ベアルクティをつり上げてポラリィ→星7Sベアルクティに繋げる流れは気に入っている。
・ポラリィ…基本的に星7Sベアルクティを出すにはこいつを経由しなければならない。効果自体は優秀だが、あと一歩足りないように感じる。必須なので3枚。
・タイタニック…ディーヴァからの展開では、セプテン=トリオンを出すかこいつを出すかを選択できる。相手によってはこちらが刺さるため採用。
・アネモネ…攻撃力1500以下の水属性をつり上げられるため、ミクポーラを出せるのが強い。そこからサーチしたベアルクティでポラリィを作れば簡単に星7Sベアルクティを出せる。
【ネプトディーヴァ】について
この構築では、ポラリィにアクセスする手段として【ネプトディーヴァ】を採用しました。このギミックのメリットとして
・ネプトによって手札が増える
・海竜サーチ先として、海皇の採用をメリットに変えつつ、星7非チューナーとして役割を担えるメガロや、2ハンデスというアドバンテージを取ってくれる氷霊神、またディーヴァ自身が存在している。
・ベアルクティとは水属性という点で共通しているためメガロ、氷霊神と相性が良い。
という点があります。自分もライティレフティなど、様々な召喚権ギミックを試しましたが、この型が一番スマートな感じがしました。
リンクギミック【ハリアロドン】について
皆さんは【ハリアロドン】というギミックをご存知でしょうか。恐らくほとんどの方がその強さをご存知だと思います。
【ハリアロドン】(呼び方は様々かと思います)は、《ハリファイバー》から《アウローラドン》へと繋げる一連のリンクギミックのことを言います。《ディーヴァ》のようにチューナーともう一体を用意しやすいデッキであれば、デッキに《ジェット・シンクロン》と《オライオン》を積むだけで例えば2ドロー+VFDが作れるため、非常に強力です。
今回の構築のおいても、このギミックを採用することは不可能ではありませんでした。しかし、僕は今回採用を見送っています。その理由としては
・事故率が上がる
・【ハリアロドン】の強みが薄れる
の2点があります。まず1つ目ですが、皆さんの中にもこのギミックを搭載したデッキを組まれた方は多いと思います。しかし、こんな経験はありませんか?
「引いてはいけないカードを引いてしまって展開できない」
このギミックの最大の弱点です。特に《オライオン》をデッキから引ききってしまうと、《アウローラドン》からの展開ができません。強力な展開を行えるこのギミックですが、それと引き換えに一定の事故率を背負っているのです。
では、ただでさえ事故率の高い【ベアルクティ】でこれを採用すると…もう結果はわかりますね。実際試しに何度も回しましたがやはり事故率の高さが目につく結果となりました。しかしそれでも採用する価値は0ではないと思いますが、もう1つの理由を説明します。
それは【ハリアロドン】の強みが薄れる、ということです。【ハリアロドン】の強みとは何か、という話ですが、僕はこう考えています。
『チューナー+1体を揃えるだけで、ギミックが成立する』
これに尽きると思います。どんなデッキであろうとも、チューナー+1体場に出すだけで良いのがこのギミックの一番の強みです。そのために、例えばこのギミックを通すことに特化したデッキでは、《デストルドー》や《アーダラ》などといったssしやすいチューナーを採用したり、《抹殺の指名者》を採用して誘発を貫通しやすくしたり、手札誘発を大量に採用して後攻の強さを上げたりと、メインギミックの枠の少なさを活かして対応力をあげることができます。
では【ベアルクティ】の場合どうでしょうか。ベアルクティモンスターにチューナーはいますが、ss効果を使ったターンはリンクモンスターは出せません。よって他の手段でチューナーを用意することになります。しかしその時点で、ベアルクティが【ハリアロドン】の邪魔をしていることが確実になります。僕はこの時点で、【ベアルクティ】に【ハリアロドン】を採用する理由はないと感じました。
確かに、混ぜ物をするというのは新たな長所を得ると同時に、元の長所を薄めるということになるのは理解しています。ただ、この【ハリアロドン】に関しては、このギミックの動きが強いだけで、新たな長所を得られていない上に、事故率が上がるだけのように感じたまでです。
以上から、【ベアルクティ】においては現状、強ギミックを採用して爆発力を高めるよりも、安定性を重視して多少速度を落とした構築にするのが良いと感じています。
展開例
ここからは簡単に展開例を紹介していきます。
1.ディーヴァ+星8ベアルクティ(結果:2ハンデス+セプテン=トリオン+ビックディッパー/手札消費1枚)
手順:ディーヴァns効果ネプトns→ネプト効果コスト竜騎で竜騎サーチ→竜騎効果メガロサーチ→メガロ効果コスト竜騎+星8ベアルクティでメガロss→竜騎効果ムーランサーチ、メガロ効果ミヅチサーチ→ディーヴァとネプトでポラリィssポラリィ効果ビックディッパー発動→墓地水5体ムーランss効果2ハンデス→ポラリィ効果メガロリリースして星8ベアルクティ蘇生→ポラリィと星8ベアルクティでセプテン=トリオンss
先行の基本展開です。ディパーチャーなどを引けていて手札に星8ベアルクティを複数枚準備できればここにミヅチ装備メガロを残せます。また、セプテン=トリオンを作らず、タイタニック+ポラリィの盤面にすることも可能です。
2.ネプト+星8ベアルクティ+ベアルクティ(結果:ビックディッパー+セプテン=トリオン/手札消費1枚)
手順:ネプトns効果コスト竜騎で竜騎サーチ→竜騎効果メガロサーチ→メガロ効果コスト竜騎+ベアルクティでss→竜騎効果彩宝龍サーチ、メガロ効果ミヅチサーチ→彩宝龍効果ss→ネプトと彩宝龍でコーラルドラゴンss→コーラルとメガロでポラリィss効果ビックディッパー発動→墓地のベアルクティ除外で星8ベアルクティss→ポラリィとベアルクティでセプテン=トリオンss
ネプトns時の動きの例です。実際この展開も他の手札がどうかによって結果が変わります。ただ、ディーヴァnsよりは弱いので、金謙などで引きに行きたいところ。
おわりに
これで僕のベアルクティについての話を終わります。なかなか面白い動きをするテーマですが、純構築で動かすには難があるのかな、という感じでした。(条件を無視すれば)かなり優秀な効果を持っているテーマなので、今後の期待が高まるテーマですね!
ここまで見てくださった方々、拙い文章でしたが、ありがとうございました。この記事が構築の何か参考になれば幸いです。
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