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さいばー主催『第二回ミスター杯』について

さてさて、2日ぶりでしょうか。さいばーです。

「いやに早い投稿ペースだな」と感じる方もおられるでしょうが、書こうと決めた以上はさっさと書ききりたい性分なのです。

ではその書く記事とは何か、というお話ですが。記事名の通り、3/18に行ったさいばー主催の非公認大会『ミスター杯』の第二回についてのレポートになります。

この大会、つい先日の3/16にも第一回を開いていたので、あまりにペースが早いのでは、と感じられるでしょうが、その辺りは個人的な事情故ですので、あまり気になさらないでください(事実、第三回はかなり間が開くと思います)。

さて、相変わらず前置きをだらだらと書いても仕方がありませんので、さっそく本題に移っていこうと思います。目次は以下の通りです。

1.大会概要

・日時:3/18(木)19:00開始

・場所:『カードショップ喫茶すのめろ』様

・参加人数:9名

・レギュレーション:2021年1月適用

2.参加デッキ分布

教導シャドール…1名

召喚ドラグマ…1名

超量未界域…1名

剛鬼…1名

光バニラビートダウン…1名

マドルチェ…1名

SPYRAL…1名

海造賊…2名

以上です。第一回とは打って変わり、いわゆる『環境中堅』くらいのデッキタイプが多かったのが特徴でしょうか。しかしそれでも【教導シャドール】【召喚ドラグマ】は優秀な制圧盤面を構築できますし、【超量未界域】【剛鬼】【マドルチェ】【SPYRAL】といった超展開を行うデッキのパワーはやはり侮れません。唯一2名の参加デッキとなった【海造賊】は、相手への依存性がやや高いデッキですが、単体で光る性能を持つカードがあり、妨害とサーチを同時に行える強力なテーマです。【光バニラビートダウン】は昔から存在するいわゆるメタビートの一種で、油断していると意外と苦戦するデッキタイプですね。

今大会では、デッキ分布に環境上位デッキがあまり見られませんでした。そのためサイドデッキを組む際の仮想敵が実際には存在しない、という思いをしたプレイヤーが多かったのではないかと思います。こういった場合、カード一枚一枚の強さや役割をしっかり理解していて、臨機応変に対応できる力が勝ち上がるために特に重要になってくるのではないかと感じました。

3.名場面紹介

今回は名場面、というよりは誰しもが気をつけておきたい事例についてご紹介させていただきます。

○召喚ドラグマvsマドルチェ(一本目)

召喚ドラグマの先攻ですが、動くことができず返しのターンでLPを400まで削られてしまいます。しかし幸いにもGを当てていたので、召喚ドラグマの手札は潤沢。《メルカバー》を立て、伏せカードも準備してターンを返しました。そしてマドルチェのメインフェイズですが、唐突にメルカバーと残った自分のモンスターを素材としてリンク召喚を宣言。そう、《閉ザサレシ世界ノ冥神》ですね。壊獣などもそうですが、このような有無をいわさずリリースや素材としてしまうモンスターの採用は常に意識しておく必要があります。

○召喚ドラグマvsマドルチェ(二本目)

先の試合の続きです。一本目はマドルチェが取り、二本目も召喚ドラグマの先攻…が、またも初動札を引けない事態に。仕方なくターンを返します。返しのマドルチェは、Gを素投げして墓地にモンスターを用意し、《ホーットケーキ》から動く姿勢を見せますが、そこに召喚ドラグマが《うらら》を発動。是が非でも展開を止めたい召喚ドラグマですが、マドルチェの手札には《抹殺の指名者》が。ここで《うらら》を飛ばしてゲームエンド…のように思えましたが、どれだけデッキを探しても《うらら》が見当たりません。どうやら、サイドチェンジの際に枚数を減らしていて、すべて手札に引ききっていたようです。《うらら》がもう一枚入っていれば…という、なんとももどかしい一場面でした。

4.優勝デッキ【召喚ドラグマ】考察

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※メインデッキ下部の《強貪》と《強金》は賞品、《うさぎ》はセンターマーカーです。

ではでは、優勝デッキの紹介と参りましょうか。

今回の優勝デッキは【召喚ドラグマ】ですね。【ドラグマ】と【召喚獣】の相性の良さを活かした強力なデッキで、11期の環境デッキといえばこのデッキを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

環境トップに君臨していた際は《天底の使徒》や《暴走魔法陣》が無制限であったので、初動の安定性が抜群のデッキでした。しかし現在ではそれぞれ制限、準制限カードとなっており、展開の安定性が少し欠けたことで環境トップとはいえなくなりましたね。それでも、準環境デッキとしてのパワーは備えており、構築次第で十分戦えるデッキタイプです。

個人的に強いと感じるのは、やはり召喚獣ギミックで継続的なリソースを確保しつつ、ドラグマギミックにより《フルルドリス》や《パニッシュメント》といった強力な妨害を準備できることでしょうか。《アレイスター》《フルルドリス》のバフもあり、中速デッキにしてはライフカット能力が比較的高いことも評価できるポイントですね。

しかし、これも僕の憶測の領域です。やはり実際に構築して使用された方に直接語っていただくのがベストだと思いますので、今回も優勝者インタビューとして、『日赤』さん(以下、敬称略)にお話を伺いました。

ーー日赤さん、本日は優勝おめでとうございます。使用されたデッキは【召喚ドラグマ】とのことですが、まずは今大会でこのデッキを握ろうと思った理由をお伺いしてもよろしいですか。

日赤:ありがとうございます。今回この『召喚ドラグマ』でいこうと思った理由についてですが、自分の持っているデッキで大会に出られるのがこれくらいしか…というのも少しあります笑 真面目な話をするなら、今回『偽典』を採用しているため、展開系デッキに対して強く出られるところがまず大きいですかね。ミドラーシュは言わずもがなですが、現環境の展開デッキは、盤面の札を一枚止めてやると止まってくれることが多かったりするので、単純に《メルカバー》が強力だったり、《パニッシュメント》や《フルルドリス》といった盤面に干渉できる妨害札を構えやすいのが強く感じました。あとは、妨害のケアのしやすさもありますね。

ーー妨害のケアのしやすさ、ですか。

日赤:はい。例えば先攻で《アレイスター》に対して手札誘発をもらっても、手札に《召喚魔術》があれば何の問題もなく動けますし、無くてもリンク召喚からドラグマの動きに持っていくことができます、逆も然りですね。このように、常に一方向しか攻め手がないデッキではないというところが、妨害札、特に現環境の手札誘発に対して強いと感じました。《アレイスター》もなんだかんだ一枚初動ですからね。

ーーなるほど、【召喚獣】と【ドラグマ】それぞれが独立して動くことができるが故に、手札誘発を初めとした妨害に対して強く出られると、納得です。では逆に、デッキとして苦しい点、この辺りが弱いかなと感じる部分はありますか?

日赤:そうですね。先ほど妨害のケアのしやすさが強みと言いましたが、それでも《アレイスター》を狙われると苦しいですね。もちろんドラグマ初動で動くことも可能なのですが、単純に召喚獣初動よりも盤面が弱いですし、リソースの確保もしづらくなるので、やはり《アレイスター》の動きを通せないと弱いかなと思います。あとはどうしても《アレイスター》に召喚権を使いたいので、《アレイスター》を通す動きを事前に作りづらいのがネックですかね。

ーー2つのテーマが独立して動けるものの、片方、特に【召喚獣】の動きが通せないとそこまで強い動きができず、それを通す動きを作りづらい、と。ありがとうございます。

ーーではここから、カードの細かな採用理由についてお伺いしたいと思います。まず初めに、ドローソースとして《強貪》を3枚、《金謙》を2枚採用していらっしゃいますが、《金謙》の制約もある中で、このような採用をなされた理由をお話いただけますでしょうか。

日赤:分かりました。まず《強貪》についてですが、【召喚ドラグマ】というデッキのパワーと性質上、どうしても手札の枚数が欲しくなります。幸い、《アレイスター》が一枚初動なので、コストの10枚除外はさほど痛手にならないので《強貪》を採用しています。次に《金謙》ですが、先に説明したとおり、《アレイスター》初動でないとあまり強くないため、それに繋がる札を探しにいきたいから採用しています。結構重めな採用ですが、これくらいしてようやく、といった感じですね。

ーーやはり何としても《アレイスター》を探しにいきたいということからですね。ありがとうございます。では次に、《一滴》と《泡影》のメイン採用についてお願いいたします。《一滴》は一般的にサイドボードから投入されることが多く、《泡影》は最近採用率が低下していますが、この2枚がメインから投入されている理由を是非お伺いさせていただきたいです。

日赤:多分聞かれそうだな…とは思っていました笑 まず《一滴》からお話しますね。《一滴》がサイドから採用されがちなのは、やはり先攻で弱い、というのがあると思います。事実そうなのですが、このデッキの場合だと《メルカバー》で切るコスト魔法として十分な役割を果たせます。むしろ魔法を切る時は《一滴》以外切りたくないですね。やはり後攻の捲り札として《アレイスター》を通すためのカードとして優秀なのでメインから、ということです。

ーーなるほど。先攻で腐りやすい、という点は《メルカバー》の優秀なコストになれる、と。

日赤:そうです。次に《泡影》についてですね。これは《うらら》だけでは力不足と感じ採用しました。先ほどの「盤面の札を一つ機能不全にできれば動きは止まる」という考えからも採用ですね。他の大体の手札誘発と違い「墓地へ送って発動」ではないので、展開系では必ずといってもいいほど採用されている《墓穴》をかわせるのが大きいです。パワーはそこまでですが、先攻で引いても伏せカードとして機能できるのも評価しています。ターン1もないですしね。

ーー《泡影》には確かに《墓穴》を当てられない、という強みがありますね。伏せカードとしても機能する、という考え方はプレイングの上で確かに大切かもしれません。

ーーではここで、大会を勝ち上がるために必須のサイドボードについてお伺いいたします。個人的に気になったのは、採用カードというよりその枚数ですね。特に《ロンギヌス》や《ロックバード》が一枚というのはどういった意図があるのでしょうか。

日赤:まず個人的に考えとして『誘発はかぶると弱い』というのがあります。それは《うらら》や《G》でも同じなのですが、これらは大体のデッキに対して刺さるため、かぶるリスクよりも引けないリスクを避けるために複数枚投入するのが基本だと思います。しかし、《ロンギヌス》に対しては刺さるデッキとそうでないデッキ、また刺さる場面とそうでない場面が露骨に別れますね。それゆえに、複数枚サイドに採用せず、「引けていれば嬉しいかな」くらいの感覚にしています。また《ロンギヌス》は、こちらのデッキに対して打たれると辛いので、こちらから妨害として打つというよりは《抹殺の指名者》で飛ばすためという意味合いが大きいです。

《ロックバード》についてはもちろん《抹殺の指名者》用に1枚、というのもあるのですが、このカードに関しては『この誘発に対して打ち消しを打たれていい誘発』という意味合いが大きいです。どういうことかというと、基本的に《ロックバード》は枚数のアドバンテージを失うカードなのですが、相手にとってそのターンのサーチを封じられるのは苦しい場合《墓穴》等の誘発阻止を打たざるを得なくなります。すると、枚数として1:1交換が成り立つ上に、相手の誘発阻止札を切らせているので、その後の誘発が通りやすくなるということです。それでも1枚なのは、初ターン以外で不要札になるからですね。

ーー単に《抹殺の指名者》用としてだけでなく、誘発そのものの性質と運用を考えた際に、この枚数になるというわけですか。

日赤:そうですね。《D.D.クロウ》が2枚なのもこのデッキの場合《ロンギヌス》より強いと考えているからですし、《拮抗勝負》に関してもほとんどのデッキに対して捲り札として強く機能するため3枚といった感じですね。

ーーありがとうございます。いや、僕自身もプレイヤーとしてまだまだなのでかなり参考になりました。

ーーそれでは、最後に大会の感想等ありましたらお願いいたします。

日赤:感想…笑 なかなか大会中は勝つことを真剣に考えていたので、そうですね…「やりきった」といったところでしょうか笑 特に今回は負けたくないお相手も多かったので、そこを落とさずに勝てたのは素直に嬉しかったですね。

5.あとがき

以上で第二回『ミスター杯』についての記事を終わりたいと思います。いやはや、やはり皆さんが集まって参加していただけるというのはそれだけでも嬉しいものですね。今回の優勝者さんへのインタビューは、僕自身が学ばせていただくことが多く、大変勉強になりました。こういった磨きあいができるのも、大会の魅力の一つかもしれませんね。

次回の『ミスター杯』は少々先になるかもしれませんが、その時にはまたこうして記事にできればなと思います。許可をいただいてインタビュー等をさせていただいているので、ライターとしての技量も磨いていかねばなりませんね…。それでは、またお会いしましょう。ありがとうございました。

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