【日々】彷徨う|二〇二三年十一月
二〇二三年十一月五日
中央線に乗り換える。そこでふと自分の前に電車に乗り込んだひとの背中に妙に見覚えを感じる。なんとなく流れでそのひとの向かいに座ってみて、ちょっと可笑しくなってしまった。知り合いでも何でもなく、でもたしかにこの男の人と同じ駅からいっしょに乗り込んで、しかも向かい合わせに座ったことが以前にもあったというだけ。どうして覚えているかって、その男の人の顔かたちとか、頭にちょこんとのったニット帽とか、ちょび髭とかがやけに特徴的だったから。ガタイよく強面なのに、なんと