いつか来る終わりに向けて予定調和で終わらないために/木村夏樹覚書.2022.08

モバマスのサービス終了で消える一つの世界線を記憶するために

先月の覚書で、ポプマスのサ終に寄せて、いつか来る終わりを受け止める予習になったと書いたばかりだが、いつか来る終わりの一つは思いの外早かった。

モバマスのサービス終了が発表された。

驚くには値しない、段階的にサービス縮小が発表されて2年も経つ、受け入れる準備期間は確かにあった。それでもモバマスという一つの世界線が消えることは悲しい。

しかし、いつの間にか自分はモバマスとデレステの世界線の違いをほとんど意識しなくなっていた。それでもモバマスにはモバマスの世界線があったはずだ。

モバマスとデレステで異なる世界線、木村夏樹の違い、パッと思いつくだけでも、木村夏樹がアイドルになる第一歩に差がある。

デレステの世界線の木村夏樹は、何かの間違いで音楽オーディションではなくアイドル部門オーディションに参加したことがキッカケでアイドルになり、自身がアイドルに向いてない認識が強かった。

だがモバマスではアイドルについて「カワいいし可愛い感じで最強」と当初から意欲的だった。
大きな矛盾というほどではないが、木村夏樹の自己認識やアイドルの認識でニュアンスが異なる。おそらくこうした小さな違いは自分が気づかないだけで沢山あるのだろう、モバマスのサービス終了までに過去のイベントやカードをもう一度総ざらいして、モバマスの世界線の木村夏樹に向き合う必要があると自分の中で課題になった。

木村夏樹誕生日のサプライズ

モバマス恒例のアイドルの誕生日演出、それもモバマスのサービス終了発表後となれば、これが最後かと感慨深くもあるが、今年はさらに思いがけない演出になった。

今年の木村夏樹の誕生日演出では、おどろくことに木村夏樹と美術館に行くことになった。まったく今までの木村夏樹の行動パターンから外れるが、それが嬉しい。

木村夏樹自身は涼むための口実だったと言う、それが事実であったとしても、木村夏樹が時折見せるわんぱくさのようで年齢相応の木村夏樹を見るようで嬉しい。また事実ではない別の意図であったとしても、木村夏樹らしからぬ一面を見せてくれようで嬉しい。

木村夏樹といえば音楽やバイクなど趣味の方面で掘り下げられることも多いが、それだけに予定調和的だ。誕生日という特別な日に意外な方面をどうあれ見せるというのは、喜ばしいサプライズだった。

まだ木村夏樹には自分の思いがけない一面があるのだと嬉しくなった。

まさかのロック・ザ・ビート登場に浮かぶ疑念

デレステ7周年のカウントダウンイラストで、まさかまさかの木村夏樹と多田李衣菜、ロック・ザ・ビートの登場に驚いた。

今回のデレステのカウントダウンは、デレステのみならずモバマスも含めた歴史を振り返るため、モバマスの各イベントをモチーフのイラストが描かれる。ロック・ザ・ビートの二人は、アイドルセッションに合わせての登場だ。

それにしても驚いた。ロック・ザ・ビートがアイドルセッションが、歴史の一つと運営が認識していることに、デレマス10周年を記念したPVではアイドルセッションどころか、ロック・ザ・ビートの影も形もなかったのに、「セッション」という言葉には、木村夏樹と多田李衣菜にとって特別な言葉だったが、いつの頃からか当たり前に使うようになっていたというのに

木村夏樹と多田李衣菜を、ロック・ザ・ビートを思い出した時に都合のいいように扱ってきたというのに、今回もまた同じように都合よく使っているだけじゃないのか、そんな疑念が拭えない。もうイラスト一枚でほだされるほど信頼関係は残っていない。

編集後記

ついにモバマスのサービス終了が発表された。だがそれだけに留まらずプロデューサー界隈では、すでにサービス開始から7年経って古参ゲームの域に入っているデレステのサービスがいつまで続くだろうかと議論を呼んでいた。

ゲームとしての発展性の乏しさを証明するかのように、8月に実装されたデレステとウマ娘とのコラボでは、ただアイドルが唄う『うまぴょい伝説』楽曲と、ウマ娘モチーフのポーズが追加されただけで、MVもルームアイテムすらないという期待はずれに終わった。一方でウマ娘サイドではウマ娘たちが『おねシン』を3Dで踊るという、なんでデレステよりウマ娘がアイドルしてるんだと期待と予想を裏切るコラボに終わった。

きっといつか来るのだろう、デレステのサービス終了も遠くないうちに、その時が来ても自分はプロデューサーを続けていられるだろうが、それどころか、その時が来るまで自分はプロデューサーを続けていられるだろうか、モバマス終了とデレステの閉塞感から、どうにもデレマスそのものに限界を感じてしまいがちだから、考えざるを得ない。

どこまで自分は木村夏樹の担当プロデューサーとして意地になれるだろうか、詰まるところは自分自身の問題なのだが、どこかで公式の展開がああであったら、こうであったらと思わざるを得ない。

希望があるとしたら、先ごろ発表されたシンデレラガール総選挙、SfCグループAにてプロデューサーたちの予想外の結果だったことだろうか、まさか高垣楓がトップを譲り、凪が1位となり、4位につけた望月聖にボイスが実装されるとは予想外だった。

予想は裏切られたが、それだけに期待は膨らむ、予想を裏切り期待に応える、予定調和で終わらない。これだけがアイドルマスターシンデレラガールズの命をつなぐ道のはずだ。



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