獣のように怒ってる。
息子にかけた一言の何が気に障ったのか
否、
わたしのかける一言より以前に、すでにあなたは傷ついていたのか
言葉で表現することが苦手なあなたは、
頭を両手でムシャクシャと掻きむしり、
すごい形相で肩で息をしながら怒っている。
言葉で表現するのが苦手なあなたは
地響きの如くに身体を揺らし
雄叫びを上げながら物に当たり散らしていく
テレビを倒し、テーブル上のものを払いのけ、力の限りに
あなたが叩きつける拳が壁に穴をあけました。
あなたは拳を痛めなかったのか…
こちらが言葉をかけても興奮するし
黙っていても物が壊れていくし…。
「物に当たるのはやめて、母さんを殴って…」そう叫ぶと
あなたは一瞬ひるみはするが、すぐに眉間に皺を寄せてにらみ返す。
わたしは、あなたに一歩近づいて
「ほら、母さんを殴れ」とあなたの腕を掴み
わたしの頬を殴らせる…。何度も何度も…。
わたしの本気が伝わったのか、静かになって部屋に入っていくあなた…。
言葉で表現するのが苦手でいつもムシャクシャしている
大きくなると親は祈る様に見守ることしか出来ない…。
あなたは旅人のように…勝手気ままな様でいて、本当は悩みながら彷徨っている。
安心して身をおく港はあるのか?
あなたにはあなたのいいところがあるのだから
今のうちに沢山悩んで探し出して欲しい…。
順番で言うと母さんの方が先に逝ってしまうのだから…。
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