見出し画像

赤外線通信で連絡先交換をするくらいのフィジカルさがいい

最近、メタバースという言葉がはやっている。
どんな世界が創造できて、どれくらいの人がそれを選択するのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
娘が今年小学一年生になった。ときどき学校の先生や学童と連絡を取る必要があり、電話帳登録をした。

ここ数年は、LINEでほとんどの連絡をしていたので、スマホの電話帳に登録するのは久しぶりだった。電話回線を使うのは飲食店の予約くらいだが、その場合はググってそのままかけていた。

学校などの連絡先を登録するとき、数年ぶりに電話帳を開いた。そこには自分の歴史があった。連絡先を整理したことはないので、僕がこれまで電話番号交換した人すべての名前がそこにある

僕は、大学入試の時に親に携帯電話を買ってもらった。連絡先のほとんどは高校の友達、大学の友達・先輩、会社の知り合いだ。これは誰?と思うものも多数あったが、それらは飲み会やサークル歓迎会、研修で1度か数回あっただけの誰かだろう。

昔は電話番号の持ち運びができなかったから、数百件の僕の電話帳のうちの何割かはもう通じないだろう。電話をかけることもないけど。

電話帳を眺めると、あいつはどうしているだろう、あの人はとてもかわいかった、もう二度と会いたくない、など思い出す。

思い出にふけっている時に、懐かしいことを思い出した。赤外線通信だ。昔は、携帯電話の赤外線通信部分を突き合わせて連絡先を交換していた。あのフィジカルな感じはドキドキした。連絡先を交換している実感があった。

相手の携帯電話やストラップ、指をみて、どんな人だろうかと想像したり。
送信と受信をお互いがそれぞれ選択しないといけないけど、双方が送信をえらんでしまったり。
なかなか通信がうまくいかなくて、人としての相性もわるいのかね、と言ったり。
電話番号やメアドと同時に誕生日の情報がくるので、その日に何かしようかと思うきっかけになったり。

LINEで検索して友達申請したり、誰かを通じてグループになって連絡先を知る中になれたりと、最近はとても便利だ。FacebookやLinkedInを使えばもっともっと簡単に知らない人とつながれる。

技術の進歩でとても便利になった。ネット検索でいろいろなことを知れる。noteで自分の考えをまとめられる。テレワークは革新的だ。僕は、それらにとても感謝している。

でも、フィジカルなことが消えていくのは嫌だ。
顔を合わせてケンカをしたり、和解したり。
フラれたら嫌だと思いながらデートに誘ったり告白したり。
今日の服装や髪形は変で恥ずかしいと思いながら、街をあるいたり。

現実世界では、うまくいかないことがたくさんある。
生きていて苦しいと思うことや、避けたいこともたくさんある。
その時に重要なのは、真正面から自分の弱さを見ることだと思う。勇気を出してそれを受け入れたり、克服したり、どうしようもないときは逃げることが重要だ。

そんなことをメタバースのような技術は提供するのか。それとも、快楽中毒にして、生活者を経済の道具にするのか。どんなものになるんだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?