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SUGAR BABE

SUGAR BABE[75]
NIAGARA/ELEC(FIRST PRESS ORIGINAL)
 
*[ULTRA RARE/MEGA RARE/Trading At A Higher Price!/It does not come out rarely!/It is Amazing Sound Pressure!]
 
シュガー・ベイブ[SUGAR BABE]1973年から1976年まで活動1972年発売の自主制作盤「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」の制作メンバーにより、1973年に結成されたインディーズ・バンド。当時はまだ珍しかった、メジャー7thや分数コードなどのコードプログレッションを多用するほか、コーラスワークに重点を置いた音作り。当時はポップスミュージックがほとんど知られておらずセールス的には低迷し、アンダーグラウンドな存在に留まっていた。1976年に解散。活動当時は極めてマイナーなバンドであった。*開運!なんでも鑑定団には、オリジナルのレコードが出品。50万円の値が付けられた/***シュガー・ベイブ結成時の構想を山下達郎は“全部後付けで、最初はバンドでもやってみようか、程度のノリだった”という。[当時、四谷の“ディスクチャート”というロック喫茶で週に一度、店がはねた後に深夜セッションが行われていたんです。そこにはター坊(大貫妙子)、長門(芳郎)くん、小宮やすゆうくん、あとは徳武(弘文)くん、それに山本コウタローさんとか武蔵野タンポポ団の若林純夫くんとか、そういう人たちがずらっと集まっていたんですよ。一番のメインはター坊のデモ・テープを作る作業。あとは小宮くんも自分の作品を歌ってたし、徳武くんはバンマスの役割をしながら、自分のインストも録音してた。そこに僕も途中から割り込んでいって参加するようになったんだけど、ター坊に才能を感じて、彼女に声をかけて一緒になんかやろうということになった。僕はそれ以前に自主制作盤を作ったときのメンバーが別にいて、そこから村松くんと鰐川(己久雄)のふたりを引っ張り込んで、ター坊と僕と、最後にドラマーを野口に決めて、それでシュガー・ベイブになった]「長門くんと小宮くんは長崎出身の博識な洋楽ポップス・ファンで、しかも当時のポップスのトレンドとはまったく違う趣味性だった。彼らはラヴィン・スプーンフルで、僕はビーチ・ボーイズで、あとはソングライター、バリー・マン(英語版)の『レイ・イット・オール・アウト』とか、そいうものがあの喫茶店ではかかってた。当時そんなロック喫茶はどこにもなかったし、そこに集う仲間の優越感というか、俺たちは普通のリスナーとは違うんだという意識を共有する集団、そういう洋楽的特権意識を邦楽的に展開しようっていう、シュガー・ベイブの音はそういう空気の中から生まれたんです***
 
SHOW
word & music by 山下達郎
1973年の暮れに初の単独コンサートを行うことになり、オープニング用の曲として山下が書き上げた。その時は<SHOWがはじまるよ>の仮題で紹介されていた。山下によれば「各楽器にそれぞれシンプルなリズム・パターンを提示させ、それらの複合でグルーヴを発生させるという、非常にアレンジャー的な発想で曲を作っていた」という。
 
DOWN TOWN
words by 伊藤銀次, music by 山下達郎
1974年春、ロック関係の若いミュージシャンに発注した作品を、キャラメル・ママが演奏するという企画で、ザ・キング・トーンズのアルバムが計画された。この頃、2人で組んで何か作品を作ろうと話し合っていた山下と伊藤銀次は、早速キング・トーンズのライブを見に行き、10日程で3曲を書き上げた。ところが、実際に曲を持ち込んだのは彼らだけで、企画自体も立ち消えになった。結局、気に入っていたその中の一曲を、始まったばかりの『SONGS』のレコーディングに加えたのがこの曲だった。伊藤によれば「曲の詞らしい詞を初めて書いた曲。つまりGSとか、そういうのを逸脱して、やっとなんか日本のポップスを始めようと書いた詞ではないかと思います。この頃から、僕は変わってないんだなという気がします“七色のたそがれ”と“シャボン玉”というモチーフはロス・プリモス<ラブユー東京>から取られたという後年EPOのカバー・ヴァージョンがフジテレビ系『オレたちひょうきん族』のエンディング・テーマに使われたのを機に広く認知されるようになった。
 
蜃気楼の街
words & music by 大貫妙子
アルバムに収録された大貫の3曲はいずれもすでにステージで演奏されていた。大貫によれば「割と現実の世界から逃避したいというか、そういうイメージはありました、私生活の中に。思春期に抱く幻想は現実を洗い流すというか。そういうところがあって、すごく自由になりたいという気持ちでこの頃は曲を書いていました。そういうのが多少表れているのではないかと思います」「だから全部が同じテーマなんです、3つ共が。ひとつずつって事でなく。肉体というのは地上の上で、地球的にすごく縛られているけれど、心というのは唯一自由。非常に自由に飛び回るし、縛ることも出来ない。そういうテーマで歌っているんです。まだ、未来に対しての夢だとか、今の苦しみを捨てても、もっと先には素晴らしい事がたくさんあるんだ、という感じです。そういう希望みたいなものがあった頃で、結構それは表れていると思います」山下によればこの曲はレコーディングに際し、それまでステージで演奏していたアレンジを全面的に変更したせいか、バンドというよりはむしろ、スタジオ・ミュージシャンが演奏したもののように仕上がっているという。後に大貫が自身のアルバム『ROMANTIQUE』で再レコーディングしている。
 
風の世界
words & music by 大貫妙子
村松によれば、大貫のブレス音にディレイをかけて強調させたら、あまりいい顔をしなかったように覚えているという。テレビアニメ『ガンバの冒険』でも使われた。
 
ためいきばかり
words & music by 村松邦男
村松によれば、最初に書いたのは後に自身のソロ・アルバム『GREEN WATER』に収録された<うたたね>だったが、他の曲とのマッチングが良くないということで、アルバムに合うように書き下ろされた。
 
いつも通り
words & music by 大貫妙子
山下によればバンドのメンバーがようやく固定し、そろそろライブハウスなどの仕事がコンスタントに入り始めた頃に書かれた大貫の作品。シリータ・ライト<Baby Don't You Let Me Lose This>に影響を受けて書いたという。シングル<DOWN TOWN>のB面に収録された。
 
すてきなメロディー
words by 伊藤銀次・大貫妙子・山下達郎, music by 大貫妙子・山下達郎
デュエットが一曲欲しいという事でサビのメロディーを山下、その前のメロディーを大貫がそれぞれ作った。伊藤によれば「これは最初、山下からメロディーを渡されて、それに詞をつけたんですけれども、生かしてあったのは“すてきなメロディ”というところだけでした。でも僕をそれだけで作詞家の中に入れてくれたことは嬉しかったです。ヴォーカルは大瀧のスタジオで一本のマイクで録られているため、スモール・ルーム特有の回り込みが聴き取れる。
 
今日はなんだか
words by 山下達郎・伊藤銀次, music by 山下達郎
伊藤は「ほとんど詞と曲が出来ていたんです。サビの“あの時君の心が…このやるせない気持ち”という行だけが出来ていなかった。それで僕が山下にアドバイスしてできた曲なんですそれがコンビを組むきっかけですねまた、山下によれば、ブラスのダビングに訪れたミュージシャンに「もっとハネて」などと言っても、全然理解してもらえなかったという
 
雨は手のひらにいっぱい
words & music by 山下達郎
もともとはB・J・トーマスやデニス・ヨースト(英語版)といったサザン・ポップ風のアレンジで演奏していたが、大瀧のアイデアで、フィル・スペクター風にリアレンジされた。山下にとってはこの曲がアルバムのベスト・テイクだという。山下がピアノを弾き、大貫はエレピに回った。当時、アルバムに対するメディアの評価が芳しくなく、落ち込んでいた山下は、“バス”って言葉がいいと浅川マキに誉められ、ずいぶんと慰められたという
 
過ぎ去りし日々“60's Dream”
words by 伊藤銀次, music by 山下達郎
60年代のニューヨーク・ポップ・シーンでよくあった感じを表現したくて作られた。山下によれば「まず曲があって、既存の曲名を折り込みで入れるということになって、それだったら60年代のあれにしよう、ここんとこにも1曲何か入らないかなんて。それは福生だったり東京の事務所だったりで、二人でそういうキャッチボールしてたその結果、<魔法さえ信じた>(ラヴィン・スプーンフル<魔法を信じるかい(英語版)>)<今日を生きて>(グラス・ルーツ<今日を生きよう>)<夢を見てるだけ>(エヴァリー・ブラザーズ<夢を見るだけ(英語版)>)といった、洋楽の邦題タイトルからの引用が散りばめられた。伊藤は「これは僕の作詞家としてのテクニックが出た。まず“今 この曇った空に沈む街角に 鳴りひびくウェディング・ベル”つまり、『ウエスト・サイド・ストーリー』の冒頭シーンみたいに、俯瞰から始まっていって、最後は小さな家の窓のところになって、窓から膝を抱えて泣いている少年の姿が写っているような、結構凝って作った、伊藤銀次の作詞家生活の中では最高の傑作だと思います。この頃は丁度、ココナツ・バンクが解散したりして非常に辛い時期だったんです。それが非常によく反映されている曲じゃないかと思います」
 
SUGAR
words & music by 山下達郎
オリジナル盤では“おまけ furoku 付録”と表記。レーベルでは6曲目と記載されておらず、“おまけ”となっているほか、曲名が“SUGER”となっている。この曲は、ステージでの効果を考えて作られたコーラスはナンシー・シナトラの「シュガー・タウンは恋の町」からの影響を受けているライブではこの後にバラード調のヴォーカルが続き、20分近く演奏されることもあったという曲中で終始大騒ぎしている声は布谷文夫で、あまりの暴走ぶりに大滝が思わず「そんなんありかよ」とぼやく声も収録されている。なお、オリジナル・ヴァージョンは、ギター・ソロの始まりの部分で、テープ編集をあえて未完成のままにしたため、それが一瞬“音飛び”のようだとして発売当時はクレームが多く寄せられたという
 
[Sugar Babe Are]
山下達郎 vocals, guitars, keyboards, vibe, glocken, etc
大貫妙子 vocals, keyboards, glocken, etc
村松邦男 vocals, guitars, etc
鰐川己久男 background vocals, electric bass, etc
野口明彦 drums (A-1,2, B-6), percussion

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