モスコミュール

モスコミュール

今日は、モスコミュールとノンアルコールカクテルのチョコミルクのお話…。

ここは場末のBAR M&N。
十五夜になり、みつがお供えしていた月見団子を、ねねはおもちゃのようにチョイチョイと崩そうとしていて…。

「ねね!!それはお月様用のお団子!!」

みつは、ねねに注意をすると、ねねはビクッと体をすくめる。

しかし…。

「なーんだ、ケチくさい、1個くらいくれよ」
とポイッとお団子を口に含む音ちゃん。

「あーあ!!食べちゃったの!?残りはもう無いんだから…。」がっかりしたみつだったが、

今日も平和と言えば平和なBAR M&N。

さぁ、今日のご来店は…。

チリンチリン♪

「足元気をつけてね、マキちゃん、」

「ありがとう、シンさん。」

フェミニンな少しふっくらとしたお腹の女性と、カジュアルな格好の男性がやって来た。

みつは、こちらへどうぞと、バーカウンターは椅子が高くて不安定なこともあり、奥のゆったり座れるテーブル席にご案内する。

男女は手を取り合い、見つめ合い、シンは、
「僕たちの愛の結晶はもうすぐ産まれてくるね、」と。

BAR M&Nの皆は、あーあ、お熱いことと、見て見ぬふりをして、マキはぽっと頬を赤らめる。

「それで、籍も入れたことだし、式の準備もしたいんだけど…。」
シンの提案にマキは、
「えっ!?私、今妊娠6ヶ月よ!?式は挙げない予定じゃなかったの!?」
「いやいや、みんなから祝福してもらいたいでしょ?
母さんからも、早めに挙げろって意見があってさ…。」

「挙げるとしたっていつよ…4ヶ月後には、あたし、いつ赤ちゃんが産まれても分からない臨月よ!?ウェディングドレスなんて着れないじゃない!!それに、母さんの意見って…マザコンもいいとこじゃない!!」

うろたえるマキにシンは、

「うちは、父さんが早くに亡くなって、母さんの意見を尊重したいんだよ!!」

「だったら尚更お義母さんなら妊婦の身体のことわかるわよね!?」

「まーまー、そんにゃに興奮しにゃいでよ。」

冷静沈着なねねの言葉。

「今にゃら、ファミリー婚ってのがあるにゃんよ?」

「ファミリー婚??」

2人は首をかしげる。

「結婚式よりも先に赤にゃんが出来たカップルが、結婚式と一緒に赤にゃんのお披露目をするにゃん。Wで幸せにゃんね。」

続けてねねが言う、

「急いで赤にゃんを産まずにすむし、赤にゃんが落ち着いてからするのもいいんじゃにゃいの?」

「えっ!?そーゆーのがあったんですか?」とシンがいうと、マキも

「なら、安心して赤ちゃんが産めるし、育てられます。」とホッとした様子。

「結婚式がゴールでもないし、赤にゃんを産むのがゴールでもない、家族みんなで仲良くあたたかい家庭を作っていくのが、目標にゃんね。」

「ねねちゃん、ありがとう!」

「お代はちゅるちゅるね!」
「これこれ!!どさくさに紛れてちゅるちゅる催促しないの!!」
と、みつのツッコミに

「えー!!良い事言ったにゃのに…。」
泣きそうな顔のねね。

「さてさて、一段落したとこで、なにか飲みませんか?喧嘩したらその日のうちに仲直りするという意味を込めて、モスコミュールでも作りますか?
もちろん、奥さんには、ノンアルコールカクテルのチョコミルクを提供させていただきますが、よろしいでしょうか?」

「是非お願いします。」シンとマキは言った。

材料…ウオッカ…45ml
   ライムジュース…15ml
   ジンジャーエール…適当
   カットライム

作り方…氷を入れたグラスにウォッカとライムジュースを注ぎ、ジンジャーエールで満たして軽くステアする。
好みでカットライムを入れる。

モスコミュール、12度中口の出来上がり。

チョコミルクは、刻んだチョコを湯煎で溶かし、ミルクと混ぜる。

出来上がり。どうぞ。

口当たりがサッパリするモスコミュールと、甘いチョコミルクで乾杯!

「幸せな家庭を作ろうね!!」とシンがいうと、マキは、元気よく

「はい!!」と返事をした。

チリンチリン♪

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